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俺の異世界生活日記(仮)  作者: 藤 工
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これからのこと

3章 これからの生活



俺はルナとの自己紹介を終わらせた後、ルナに『着いてきて』と言われたのでルナの後について行っている。………ちゃんと書いているが決して、ストーカーではない。


「なあ、どこに向かってるんだ?」


「知り合いの馬車の方に向かってるわ。あともう少しよ」


そんな会話をしていると前方から馬車が見えてきた。どうやらルナは馬車を使ってここに来たようだ。


「おう、嬢ちゃん。やっと来たか。急に出ていったから驚いたぞ」


馬車の近くまで行くと、うざそ……活発そうなおじさんがルナに話しかけてきた。


「ごめんなさい。少し気になるものがあったの」


「は?……嬢ちゃん、誰だ?この男は?」


「ニホンから来たらしい」


「ほう……そりゃ大変だったな」


話がどんどん進んでいくんだけど……。というかおじさんも俺に憐れむような目を向けてくる。なんで?日本、ダメなの?ねえ。


「そういうことなら乗りな、街まで送ってやるぜ!」


「お、おう」


なぜだ。なぜこんなに優しいんだ、めちゃめちゃ気になるやんけ。

分からないことを延々と考えていても仕方ないので、俺はルナが乗り込んだ後に乗り込む。とりあえずなぜ日本と聞くと憐れんだ目になるか聞いてみることにした。


「なあ」


「なに?」


「なんで日本から来たって言えば可哀想な目で見るんだ?いや、別に嫌なわけではないんだが」


言ってる最中に質問が直球過ぎたと後悔する。彼女が少し申し訳なさそうな顔をしているので罪悪感が積もる。


「……ごめんなさい。そういうつもりはなかったの。ただ……」


「ただ?」


「ニホンは幻の国といわれているわ。ニホンから来たという人は何人もいるけれど、その人たちの話を聞くと、ニホンは魔術があまりにも発展しすぎている。そんな話はありえない。だからニホンから来た人間は記憶喪失と言われているわ」


なぜ記憶喪失になるのかは不思議だが……つまり、日本から来たと言うと記憶喪失扱いになるってわけだな。憐れんでいた理由は分かった。……というかもう疲れた。俺は感謝の言葉を言い、息をふぅと吐くと、すぐに眠りについた。



「起きて。ねぇ、起きてってば」


…………………………。


「ていやっ!!」


「ぐえぇっ!」


え!? 何!? 敵襲か????


「やっと起きた。もう着いたよ、私に着いてきて」


彼女は少し呆れた顔をしていた。言われるがままに俺は馬車から出た。そこには宿屋と書かれた看板が掛かっている建物の方に歩きだした。


「ここが、これからソラが生活をする場所だよ」


と、ルナが歩きながら優しい声音で俺に言ってくる。……いや俺、金が無いんですけど……。


「あはは…。ここは店の手伝いをすれば、ある程度の期間は寝泊りすることができるの」


ルナは苦笑いをする。顔に出ていたらしい。恥ずかしい……。

店の中に入ると、賑やかだった。いろんなタイプの従業員が入り乱れていて、服装がみんな似たような感じだが細部は異なっている客がいる。ぼーっと眺めていると大きな体格の男の人がルナに近寄って来た。


「あらぁ、ルナちゃん。おかえりなさい。」


「はい。ただいま戻りました」


お気づきだろうか。俺はさっき男の人と言いましたが、彼は女物の服を着ていたのです。この光景を見て俺は、


「オ、オカ……」


「だ、ダメ!」


オカマ。と言う前に、ルナが俺の口を塞いだ。もちろん手で。俺の口の辺りが感じたことのない、仄かな温かみと匂いが俺の頭の中を支配する。だがルナは口を塞いでいるが、喉のも抑えている。……苦しい!助けて!死んじゃうのぉぉぉ!


「……店長の前でオカマって言っちゃダメだからね。分かった。」


俺は首を縦に何度も振る。顔と首を固定されてるので、振っているとは言いがたいが、彼女には伝わったようで、塞いでいた口と喉から手を離してくれた。……まったく、斬新な抱擁だったぜ……。


「あら?その坊やは見たことのない顔ね」


「ゲホゲホ…、俺の名前は山崎空と言います」


「ソラくんね。うん、覚えたわ。よろしくねソラくん‪♡︎」


文面は優しいお姉さんな感じだが、実際は、男の身体と男の声なので鳥肌と吐き気が止まんねぇ!俺は鳥肌を抑えていると、ルナは店長に先程、俺に話していた事、無料宿泊の件で話をしていた。


「あの……店長…………」


「ん?なぁに?ルナちゃん」


「ソラをここで働かせることを条件に無料宿泊させてほしいんです」


…………え? 俺が働く条件だったの?……まぁ、俺以外いないよね。


「そういう事ならいいわよ」


「あ、ありがとうござ……」


「ただし条件があるわ」


店長はルナの話を遮るように言ってくる。


「ある程度の知識があるかどうか見極めるわ」


ルナは顔を真っ青に染める。どうやら大変なことで、俺のことが心配なのだろうか


「だ、だだだ大丈夫だ。る、ルナ。ききっと合格できるさ」


ルナに心配をかけないように声をかけたが、声が震えてしまって、さらに心配をかけてしまったようだ。


「じゃあ、こっちに来て頂戴。あ、ルナちゃんは待っていてね」


俺は固唾を呑んで店長の方へ歩いていく。ルナは頑張ってと言ってくれて、気持ちが微かに、いや、少し軽くなった。いったい見極めるとは何のことなのだろうか。俺はそんなことを考えなら歩いていった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



端的に言おう。超カンタンだった。ペーパーなテストを受けることになったが、一番難しい問題で、1500+400+400の答えを暗算で解け、みたいな問題だった。……俺はこんな簡単な問題で心配されたのか……。

しかし考えてみれば、俺は記憶が無いという設定。というか勘違いをされているのでルナには算数が出来るか心配だったのだろう。


「どうしよっかなー」


そんなこんなで俺は無事この店で働きだして3日が経った。しかし今日、ルナにすんごい事を言われた。『私の通ってる学院に通ってみない?』と、まるでコンビニ行かね?みたいなノリで言われたのだ。俺はここで一生働くと言って断ったが、店長がずっと働かせるつもりはないと、無慈悲にも断られてしまったのである。


「どうしようかなぁ……。ここら辺って学院通わないと職に就けないだよなぁ……」


正確に言えば、無いことはない。モンスター狩り、以前俺が襲われた蜘蛛の化け物みたいなやつを狩るらしい。ギルドでモンスターの部位を見せれば売ることができ、非常に高い賃金を得ることができる。俺は、あんな出来事は二度と御免なのでモンスター狩りはしない。なので安全に就職するには学院一筋なのだが、ルナが誘ってきたのは、魔術学院であり、魔術を学ぶところらしい。ちなみに魔術はモンスター狩りでしか使用しないらしい。つまり魔術学院を卒業したら半強制的にモンスター狩りで生きていくしかないのだ。普通の学院はあるのだが、倍率が物凄い高いらしい。……まあ、安全に仕事できるならそれに越したことはないしね。

悩みに悩んで俺はモンスター狩りの道に進むことにした。その日の内にルナに、学院に行きたいと伝えるとルナはまるで嬉しそうな表情と声音で賛同してくれたのだった。




今更ですが自分の書く話は短いです。

それは、短編小説みたいに気軽な感じで、みんなに読んでほしいから……キリッ(言い訳)

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