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第3話 美少女パワーってすげえ!

読んでいただき、ありがとうございます。


もしかしたら間違えた知識を書いてしまうかも知れませんが、その時は感想で訂正していただけるとありがたいですm(__)m

現在、この部屋には俺とマシェリさんしかいない。


ガウネルさんは、「儂、用事思い出したわー」と超棒読みで言って、さっき部屋を出ていってしまった。


何故俺のために?とは思うが、おそらくマシェリさんと二人きりにしてくれたのだろう。


しかし、それは俺にとっては逆効果だ。


ガウネルさんが部屋を出てから、この部屋には沈黙が流れている。


初対面で可愛いと言ってしまったことといい、気まず過ぎて逃げてしまいたいくらいだ。


一時間にも感じられる一分がたち、、この気まずい沈黙を破ったのは、まだ少し顔を赤くしたマシェリさんだった。


「えっと、お名前を聞いてもいいでしょうか?」


俺のことを貴族と思っているのか、少し緊張した様子で聞いてくる。


そうだった、俺はマシェリさんの名前を知っているけど向こうは知らないんだよな。


俺は返事を返そうとするが


「……(ぱくぱく)」


口をぱくぱくさせるだけで声が出ない。


また俺のせいで沈黙が流れだす。


俺がいたたまれなさと恥ずかしさで逃げ出そうとした時


(君が変わらなければ君の環境は変わらないよ)


ふと理事長の言葉が頭を過ぎった。


そして同時に、俺は自分の決意を思い出す。


(そうだ!俺はコミュ障を克服するんだ!)


俺は覚悟を決め直して、マシェリさんに返事を返す。


「………葛西…稀織です」


今度はなんとか声に出すことが出来た。


ぶっきらぼうになってしまったにも関わらず、俺の返事を聞いたマシェリさんは少し嬉しそうな表情を浮かべる。


「えっと、キオ様と呼ばせていただいてもよろしいでしょうか?」


マシェリさんが俺に聞いてくる。


一度言葉を返せたおかげで、今度はさっきよりすんなりと言葉を返すことができた。


「大丈夫、です。その、すいません、俺、人と話すの苦手で…」

「いえいえ、気にしないで下さい!ゆっくりと慣れていけばいいんですよ!」


そう言って、にっこりと微笑むマシェリさん。


……何でこの世界の人はガウネルさんといい、マシェリさんといい、優しい人ばかりなんだ。


俺は確かに心が安らぐのを感じながら、今度は自分から話しかけてみることにした。


「その、マシェリさんは、ガウネルさんのお孫さんなんですか?」


ちなみにこの質問をするのに俺はかなりの勇気を振り絞っている。

何故なら、自分から話しかけたことなど小学校以来一切無いからである。


「はい。お爺さんは優しい方で、村の方達からも好かれていて、私の尊敬する人物です!」


そう言って、マシェリさんは目を輝かせる。

その表情はとても可愛くて、俺は思わず見惚れてしまった。


「あっ、す、すいません、取り乱してしまって」


慌てた様子でそう言うマシェリさん。

そこで、ようやく俺の頭も動き出した。


「い、いえ、俺も尊敬する人物はいるので、その、気持ちはわかります」


そう言って、俺は頭の中で父親を思い浮かべる。

優しくて、厳しくて、俺の尊敬する人物だ。


「そうでしたか!キオ様にもそのような方がいらっしゃるのですね!」

「ええ、あ、はい」

「ふふ、キオ様の普段の喋り方で大丈夫ですよ。

あ、そうだ、お水でもお持ちしますね!」


そう言ってマシェリさんは外に出ていってしまった。


それと同時に俺の体にどっと疲れが押し寄せてくる。

だが、俺は疲労感と共に、満足感も得ることが出来ていた。


「俺、喋れたぞ」


こんなに長時間人と話したのは何年ぶりだろうか。


(楽しかった)


俺の正直な気持ちだ。

こんなにも人と話すのは楽しかったのか。


それにマシェリさん。


「可愛かったな…」


俺は彼女の顔を思い浮かべる。

地球にいた頃なら、俺に見向きもしてくれないような美少女。

暖かい心で俺を包んでくれる女の子。


マシェリさんとなら、俺もコミュ障を克服できるかもしれない。


俺が満足感に浸っていると、視界の端に金色の髪がちらっと見える。

そっちを確認すると、そこには石でできたコップ(磨製石器?)を手にし、赤くなって固まっているマシェリさんがいた。


(もしかして、声に出してた!?)


俺は無意識に声に出していたことに気付き、途端に恥ずかしさでいっぱいになる。


「その………ごめんなさい」


パニくって何故か謝る俺。


しかし、マシェリさんはその言葉でハッとした表情を浮かべ、俺の前に座り直した。


「い、いえ、その、ありがとう、ございます」


明らかにテンパっているマシェリさん。


こんなに可愛いのにもしかして褒められなれていないのだろうか。


そんな事を考えながらコップをのぞき込み、俺は衝撃的な事実を知った。


(濁っている…)


もしかしてこれは泥水?


それなら流石に飲めないんだが……。


「あ、えっと、ごめんなさい!やはり、貴族の方でしたか!?」


俺が戸惑っていたので、貴族と勘違いしたのか、マシェリさんが慌てた様子で聞いてくる。


それに申し訳なく思いながら、俺は返事を返した。


「いえ、俺は、その、貴族では無いです。

この水は、ガウネルさんが汲んできた水ですか?」

「え、は、はい。よくわかりますね」


まあ、一番最初に見かけた時、ガウネルさんは井戸のような所をのぞき込んでいたからな。


どうやって運んだが非常に気になるところではあるが…。


「その、近くに川とかは無いんですか?」

「少し離れたところにありますが、流石にあそこの水を持ってくるのは遠すぎて…」


やっぱりか。

この世界は俺達のいた世界より大分遅れている。


つまり、汚い水を綺麗にする方法も知らない訳だ。


「マシェリさん、少し待っていて貰えますか?」

「え?は、はい」

「面白いものを見せますね」


俺はそう言ってガウネルさんの部屋を飛び出し、寮へと向かう。


さーて、俺の知識が火を吹くぜ!




感想お待ちしてます|ω・)

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