第2話 俺のコミュ障レベルを甘く見るんじゃない。
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-----ガウネル-----
儂はここ、『リベルテ村』の村長をしているのじゃが…………凄いものを見てしまった。
それは儂が偶然、水を汲みに村の入口まで行った時のこと。
儂はそこで、不思議な少年に出会ったのじゃ。
その少年は、貴族でさえ着ていないような上質な服を着ていて、何とも不思議な雰囲気を纏っておった。
しかし、本当に驚いたのはその後じゃ。
儂が声をかけると、その少年は突然どこかへ走っていったかと思うと、いきなりパッと消えてしもうたのじゃ。
儂は呆気に取られて動くことが出来なかったが……あれはもしかしたら神様じゃったのかもしれんの。
それならばあの纏っている雰囲気、突然消えてしまった訳も説明できるというものじゃ。
まあ、村のみんなに話したところで、夢でも見たんじゃないかと言って誰も信じてはくれんと思うがの。
そんなことを考えながら水を汲み、自分の家へ帰った直後のことじゃった。
村で怪しい人物を発見したという知らせを聞いたのはの。
-----稀織-----
俺は理事長との話を終え、自分の部屋に戻ってきていた。
頭にさっきの理事長の言葉が浮かぶ。
(環境を変えたいなら自分が変わるしかない……か)
確かに俺は、いつかは話せるようになる、いつかは俺のことを理解してくれるやつが現れると信じていた。
そして、結果がこれだ。
結局は、自分から変わっていくしかないのかもしれないな。
(よし、決めた!)
俺は覚悟を決めて階段を登る。
あの老人の言葉を無視して帰ってしまったので、正直に言うと、戻るのは非常に怖い。
もしかしたら追い返されるかもしれないし、こんなコミュ障、誰も受け入れてなどくれないかもしれない。
それでも、俺はコミュ障を克服すると決意したのだ。
そして現在、俺は村人と思われる大人数人に囲まれ、早くも心が折れかけていた。
いやさー、あの老人がいなかったから普通に村の中に入ってみたんだけど、やっぱりダメだったみたい。
ちなみに心の中では余裕ぶっているが、村人達の目には、俺が脂汗をかいて震えながら失神しそうになっている様子が映っていることだろう。
だってコミュ障だもの。
「おい、貴様何者だ!どこから来た!」
「…………」
村人の一人が俺に質問してくるが、俺は答えない。
「さっさと答えろ!罪に問われたいのか!」
「…………」
再度聞いてくるが、俺は答えない。
いや、答えれないのだ。
こんなに知らない人に囲まれて失神してないだけでも褒められたいのに、会話しろだと?
無理に決まってるだろ!
超絶コミュ障を舐めるな!
とか心の中で叫んでるのはいいものの、当然村人達には聞こえてない訳で……。
「答えられないのだな!ならば我々と来てもらおう!」
こうなるわけです。
マジでやばい、いっぱい知らない人が近づいてきてる。
ちょっと待って、止まれって、やばいやばいやばいやばいやば---
俺はそこで意識を失った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~〜
「…ん、うん?」
俺が目を覚ますと、知らない天井が目に入った。
「ここ、は?」
「おお!目を覚ましたか!」
ほぼ独り言に近い俺の言葉に、誰かが言葉を被せてきたせいで俺は反射的に身構えてしまった。
そこにいたのは……さっきの老人?
「お主、儂がわかるかい?」
「ひっ!」
突然顔を覗き込まれたので、俺は思わず変な叫び声を上げてしまう。
恥ずかしい……。
「驚かせてすまんの、儂はこの村で村長をやっておる、ガウネルという者じゃ。
それにしても、さっきは驚いたぞ?突然消えたと思っていたお主が村の中で気を失ってるんじゃからな」
「…あ、う」
俺は呻き声を上げる。
ちなみに今のは俺からしたら
「ご心配をおかけしてすいません。
ちなみにここはあなたの部屋なのでしょうか?
私は一体どうなったのですか?」
と言っているつもりなのだが、やはり安定の俺。
言葉を発することができない。
「ははは、そんなに緊張せんでも大丈夫じゃよ。ここは儂の部屋じゃから誰もきたりせんよ。
ちなみに村の人達にはお主のことは客じゃと伝えておいた。みんな、最近の貴族のやり方に腹が立っておっての。お主の服装が貴族のものに似ておったから貴族と勘違いしたのじゃろう。
怖がらせてすまんの」
なんという心遣い。
俺の疑問を全て解消しただけでなく、こんなに怪しい俺を客だと認めてくれるなんて……。
これは何としてでもお礼を言わないと!
「……あ、あう」
無理でしたぁ。
恩人に対してこれでは、他の人達となんて話せるわけがない。
しかも、ガウネルさんが「大丈夫じゃよ、ゆっくり慣れていけばよい」みたいな優しい言葉を俺にかけてくれるから余計心が痛い。
やっぱり、俺にはコミュ障を克服することはできないのかもしれないな。
いきなり覚悟が折れかけていると、突然部屋の扉(というよりはカーテン(?))が開かれた。
「お爺さん、ただいま帰りました」
「うむ、お帰り、マシェリ」
入ってきたのはアイドルとかでも見たことがないレベルの美少女だった。
その、マシェリと呼ばれた美少女が俺に気づいて俺の方を向く。
「あれ、そちらの方は?」
「ああ、お客さんじゃ。まだ緊張しているらしくて、固まったままじゃがな」
そう言ってわっはっはと笑うガウネルさんだったが、俺は既にマシェリさんにしか意識が向いていなかった。
というより釘付けになっていた。
日本ではほとんどお目にかかることのない綺麗な金色の髪に、可愛いという言葉では表現できないほどの整った容姿。
普段であれば、可愛い子と話すなんて緊張しすぎてすぐに走って逃げてしまうレベルなのだが、おそらくマシェリさんが可愛すぎたせいだろう。
「……可愛い」
俺は無意識にそう呟いていた。
そのことに気づいた時にはもう遅い。
そこには顔を真っ赤にしたマシェリさんと、面白そうに笑っているガウネルさんがいた。
とりあえずまだ導入ですね^^;
直に話は進んでいくと思います!
11/11)第1話の題名を変更しました