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クレアの護衛をするということは

遅くなりました。


どうぞ。

クレアと会った次の日、クレアの使いの者がうちを訪ねてきた。クレアの護衛としての契約事項の打合せと、服の採寸のためクレアの屋敷に招かれていたのだ。


フレイム家の兵は平常時は臙脂色の服を着用している。いわゆる早稲田カラーだ。この使いの者はその服の上に部分鎧と呼ばれる白色のプロテクターを付けていた。昨日モンスターの侵入を許したとはいえ、街中は安全のはず。それなりに重いだろう、普段から身に付けているなら相当熱心な者だ。


ザルコーと名乗った少年は茶髪で眼光が鋭い。将来はきっといい戦士になるのだろう。クレアの話しだとあまりいい護衛の戦士はいないとのことだったが彼は例外かもしれない。


……と思っていた自分が情けない。そう思ったのは、街外れの空き地でいきなり剣を突きつけられたからだ。


「おい!クソ冒険者!上手くクレア様に取り入りやがって!なんかクレア様の弱みでも握ったか!」


なんか道が違うような気がしてはいたんだけどなぁ。まあ、ただの冒険者がいきなり護衛になったら不審に思うだろう。うん、僕でも勘ぐると思う。


「そんなことはしてないよ。ただモンスターから「嘘を言うんじゃねえ!」」


ザルコー君は、僕の発言を遮って剣を振るってきた!危ないよ!気持ちはわかるからさあ落ち着いてよ。


「世の中そうあまくはねぇんだよ!痛い目を見たくなかったら二度とクレア様に近づかないと誓え!それに……」


それに?


「お前の握ったクレア様の弱みを吐け!そうしたら手加減してやるぜ!おい、出て来い!」


どこに隠れていたのか、ゾロゾロと全部で7人が僕を怖い顔で囲んできたよ。みんなプロテクターしてる。なるほど、このために装備してたんだね。


……なんか、今日も僕、不幸かも。


「あのさ、君達、1人を集団で囲んで恥ずかしくないの?それに、クレア様の弱み?主人を何だと思ってるの?」


「けっ!ちいっと痛い目を見ないとわからないようだな!お前達、やれ!!」


「「「「「「おお!」」」」」」


気に入らないな、ダインすいっちオン!


「がぁっ!」

「なに!」


大人しく可愛がられる訳ないじゃん!僕は速攻で1人を体当たりで吹っ飛ばし、包囲から脱出する。


<魔装強化>は威力がありすぎるのでまだ温存することにした。僕は<身体強化>と<魔装>を使ったショルダータックルをしたのだが、喰らったヤツは呻き声を上げながらも立ち上がった。思ったより交いてないか。


そういえばあのプロテクター、錬金術で<魔装>と同じ硬質化の機能と、衝撃吸収の機能が実装されているんだった。


「舐めた真似しやごあぅ!」


起き上がるのを待ってる訳ないでしょ!思いっきり蹴ってやった。うん、手加減がいらなくて返ってやりやすいわ。


1人脱落!


後方から斬りかかる2人の剣をヒラリと交わしながら両方の顔を掴むとそのままガチンコとアタマをかち合わせる!


合計3人脱落!


気絶して力を失う2人を離し、

次の者に対峙する!今度は3人が同時に槍を突き出して来た!


甘い!身体を回すようにして3本の槍を脇に纏めて固定して


「うりゃ!!」

「「「うわー!」」」


振り回すと3人とも遠くへ飛んでった。


これで6人脱落!


飛んでいくそいつ等を眺めつつ、身体を横に移動するとザルコーが背後から剣で突いて来た。躱されると思ってなかったのか勢いを殺すことができず、つんのめって僕に背中を晒す。やれやれ、卑怯このうえないな。僕はワザワザ振り返るのを待ってあげてから、


「ととっ!ばっ!ば、が、げ、ぎごぉ!」


連続往復ビンタを食らわせてやった。ぶぶっ!スゴイ顔、こういうのをプチ整形って……言わないよね。


「ぐっ、ぐぞ!びんな集まれ!」


顔を押さえて後退したザルコーは大声で仲間を呼び集めた。飛んでったやつも含めて、身体を引きずるようにして7人がまた集まった。まあ待ってあげたんだけどね。


「ここで負けたら後がなくなるんだぞ!今度こそ本気でかかれ!」


ザルコーの檄に全員が先ほどと違い必死の形相でじりじりとにじり寄ってきた。


「あのさ僕、君たちの言動、気に入らないんだ!」

「ひっ!魔装強化!」


<魔装強化>を発動して右手に力を集中する!


右フックを一閃!7人まとめて吹っ飛ばした。


本来は空を飛ぶモンスターを打ち払う技だ。攻撃用ではなくカウンター的防御の技である。技の性質上、今回のようにゆっくり近づいてくる相手には殺傷能力はかなり低い。とは言っても見た目派手だから相手はビビるはずだ。10mほど吹き飛ばされたザルコー達は起き上がると何か話し始めた。


そして……


「「「「「「「サーせんでしたぁ!!」」」」」」」


思ったとおり!頭を地面につけて謝罪をしてきた。


「僕は僕なりの理由があってクレア様に仕えるんだ。邪魔はさせない。覚えておいて、今度クレア様を裏切るような真似をしたらこんなもんじゃすまないよ。」


「「「「「「「わかりましたー!!」」」」」」」


本当かねー?じゃあ……



・・・・・・・・



「へぇ、ルウィとみんなもう仲良くなったんだ。」

「まあね、なっ!ザルコー?」

「ぜっ、ぜっ、はっ、はひぃ!」

「……なあ、何でみんな走ってるの?」

「ああ、強くなりたいっていうから秘訣を教えたんだ。走り込みが基本だってね。そしたら寝る時間以外は走るって!みんなやる気の塊だよ!凄いね。」

「……あっ、倒れてる。あっちにも。」


そんなに簡単に許さないよ、僕は。

まあ、そんなこんなでクレアを護衛する生活が始まったんだ。


読んで頂いて感謝感謝です。


いつもながら、躍動感を出しながらグロくなくをモットーに戦闘描写をしています。

それでもグロいでしょうか。

気にした読者の方、ごめんなさい。


難しいんですよね。

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