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就職?

どうぞ

「あの頃は、よく泣いてましたね、頭だけ隠れして。」

「クレア姉、勘弁してくれ。」

「うふふ、それから覚えてる?ルークがね……」


喫茶で一息ついて、僕が椅子に座り直したあたりからクレアはずっとしゃべり続けている。一緒に遊んだ過去のこと、会えなかった間のこと、今現在のクレアのこと、ルークのこと、などなど。


どうやらクレアはこの2年ほどで魔力が飛躍的に上がったらしい。そして精霊と契約を結んだことによりフォックス家の格はフレイム家の家臣の中でも上位に上がったようだ。


この世界においてそれほどまでに影響がでるのが精霊との関係である。国家の存続は精霊使いが握っていると言われるが大まかな意味でいえばその通りなのである。


「クレア様、お話中申し訳ございませんが、ルウィ様のことで幾つかのよろしいでしょうか。」

「……ええ、そうですね、時間にも限りがありますし。」


ずうっと喋っていたクレアにロンザが、控え目であるがしっかりと割り込んだ。


「ルウィ様はサイコ家から放り出された身。今となってはタダの平民。さすらいのゴロツ、もとい冒険者です。」

「今ゴロツキって言ったよね、自分の主人を!」

「事実でございます。というか黙ってやがれで御座います。」

「この娘、本当に貴方のメイド・ドールなの?」

「残念だけど。」

「はい、残念な主人を持った哀れな人形でございます。ともかく、お金が無くって今の借家も今月中に引き払わねばなりません。お金を融通してはいただけませんか?」


一瞬、クレアはキョトンとした顔になった後、


「ダイン様、は本当に苦労されたのですね。」

「今現在苦労しているのは、ルウィだけどね。」


クレアはダインに泣いてくれた。僕も泣きたいよ。


「分かりました。ではこうしましょう、私の護衛に冒険者としての貴方を雇うということで。」

「え?でも。護衛はいるんじゃないの?」

「はい、ございます。しかしフレイム家の中では”ポッと出”なのでなかなかいい護衛が集まっておりません。護衛の中でルークが1番強いといえば、わたくしの窮状が伝わると思いますが。」


なるほど、そしてここは”修練都市”。多くの若い力が共に学び、出会いの機会を得る場所。


「一緒に学園に通っていいただけませんか?ルウィ様。」


クレアは大きな目をウルウルさせて下から目線を投げかけてくる。効果は抜群だ!ルウィは断れない。頷きかけた時、


「落ちぶれたとはいえ、うちの主人の実力は本物です。結構な掘り出し物ですので、色を付けて下さいませ。」


にっこりとしながら雰囲気をめちゃくちゃにする言葉を吐くロンザだった。


酷すぎる!


教訓;デートにこぶつきはやめましょう。ロンザがこんなに邪魔者になるとは!


読んでいただいて感謝です。

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