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人類進化計画の失敗
人類を進化させよう。
わが国でそんな計画が持ち上がった。
人の可能性を広げて、国に貢献してもらえるような人材を、人工的に作り出す。
夢のような計画が。
けれど、巨額の資金を投じて進めたその計画は失敗した。
人類が自然に進化するように各地にばらまかれた「もの」が予期せぬ変異を起こした。
その結果、各地で多くの異形が生まれ落ちてしまった。
異形はそれぞれが持つ特殊な力で、騒ぎを起こしてやまない。
どれだけの都市が壊滅し、どれだけの人間が命を落としたか。
利益となるどころか、多大な損害を被ってしまった。
ミスは修正しなければならないが、国の威信を落とすわけにもいかない。
ばけものは人類の敵、理性も心もなく暴れまわる怪物だという情報を広めた。
即座に、すみやかに、真実が明らかになる前に、生まれ落ちた異形を始末する。
そのために、苦労して力のある異形の一部を保護して飼いならし、討伐させることにした。
大事な国民を、国のために働く人材を、こんな事で失うわけにはいかない。
だから、彼らの始末は彼ら自身の手でつけてもらうことにしたのだ。




