学園武術大会終結、そして始まる乙女ゲーム?
主人公は自分の生徒にも手は抜かない、チートな主人公に本当に勝てるのか?
それとは別に学園には不穏な影が…どうなる主人公!
「さてと、説明は終わりましたので試合再開といきましょう。」と私は一度しまっていたメイスを構え直して、クリスティア君に声をかけたら横からジルト君が「でも魔法防御壁は?」と聞かれたのでメイスを持って構えたまま「それはこの魔法防御壁は観客席の下にある部屋で魔道具から張られているので、壊れた時にはすぐ張れるようになってるんですよ。」と返した。
成る程、と関心している様子のジルト君は置いておく事にして、私はまだ事実を受け止めて切れていないクリスティア君に向けて歩き出したら「本当になんなの!ムカつく男ね私に惚れさせようとしても無駄だったし、もういい!ぶっ飛ばしてやる」とキャラが変わってしまったかのように口調が悪くなり、【光飛短剣】という直線的な軌道でしか飛んで行かない神聖属性の細長な石飛礫に似た魔法を無詠唱化し、多重詠唱するという高度な技を使って攻撃し始めたが、私はそれを跳躍で上に飛んで避けると、空中に浮いた状態で懐から「名刀・朧月」を取り出して、抜き身のそれを思いっきり縦回転を加えてクリスティア君へ投げつけた。
「エッ?」と私が何を投げたのか、よくわからないうちに、顔面に刀がぶつかり、即死級のダメージを受けた判定であっさり気絶した。
「マジかよ…あの男、普通精霊に守られて即死しないからって理由で即死するような攻撃を平気で、しかも子供が相手でもできるというのか…。」「死なない、て分かっていてもヤベェだろアレ。」や「しかも迷って無かったな。」などと彼が刀を思いっきり顔に当てるという、絶対に相手を殺す意思のある攻撃をした事に観客達は若干引き気味だった。
私が刀を回収して仕舞ったタイミングで「ハァァ!」と気合いの入った声と共に鋭い刺突を繰り出してきたアイリース君の一撃をメイスでいなして、反撃しようとしたら逆に私の攻撃より早くアイリース君が、自身に少し手元が狂ったら当たるギリギリの距離に刃を進ませ、もう一度刺突をして来たので後方宙返りで避けて距離を置いたら、横から火の玉が飛んできたので、メイスヘッドを平たい形に変化させて魔力を纏わせて打ち消した。
「クッソ〜そのメイスなんなんだよ。変形したから柔けえかと思ったら固いし、どんな性能だよ。」と言われたので「このメイスは私の本業である『アルゼイ万物販売店』で、ようやく愛する妻のモニカさんから販売許可を得る事ができた武器「柔銀シリーズ・伸縮戦棍のオリジナルです。」と私が笑顔で言うと「先生マジで奥さん大好きなんですね。」と若干呆れたように言われた。
「そう見えます?」と聞いたらアイリース君が「はい、先生帰る時にいつも以上に機嫌が良くなったり、奥さんのことを話す時には少し早口になってますので。」と言ったので「そうですか〜。態度とかにはあんまり出ないようにはしているつもりだったんですけど、バレてましたか〜。」と少し私は恥ずかしい気持ちになったので顔が少し赤くなった。
「先生も照れたりするんだ。冷徹な考えの、胡散臭そうな笑顔の精神がヤバい人じゃ無かったのか。」とジルト君に言われたので「ジルト君…私をなんだと思ってるんですか?私だって嫌だなぁと思う事もありますし、悲しいなぁと傷つく事もあります。もうちょっと言葉を選んでください。流石に今のは悲しかったですよ。」と言ったら「ごめんなさい」と謝られた。
「分かれば良いです。さてと、少し脱線しましたがこの「伸縮戦棍」を含む「柔銀シリーズ」は、先端部や刃等に使用されている特殊錬金術加工した金属が、柄の部分等に彫り込まれている魔術回路と魔法付与によってある程度自由に変化して多彩な使い方が出来る武器シリーズになっています。欠点としては変化中は柔らかくなってしまうので、爆発するような攻撃が当たると金属部が千切れる危険が有ります。」と言ったら「成る程、それは結構厄介ですね。間合いを図り辛くする事で中々踏み込めませんし、固さも侮れませんね。」とアイリース君が言った。
「疑問は無くなったようなので、試合に戻りましょう。」と言って私はメイスを握り直して、一歩進んだらジルト君が「これをどうぞ!」と言ってなんの変哲もない石の塊を一個だけ飛ばしてきたので、私はメイスヘッドを柔らかくしてそれを包み込んで防いだ。「話を聞いてました?物理的にこれを破壊するのは困難なんですよ。」とジルト君に向け言って、私はメイスヘッドの形を変え、石を外に出そうとした瞬間「【罠魔法】•【闇の獄火球】‼︎」とジルト君が言い、私はその言葉を聞いた瞬間、「何!」と言ってメイスから手を離して空中に蹴り上げると、金属が膨らんだ、と思ったら弾けてあちこちに柔らかくなった金属片が降り注ぎ、メイスの柄だけが落ちてカランと音を立てた。
「話はもちろん聞いてました。だから先生の攻撃で砕けた闘技台の一部に、罠魔法をかけて時間差で爆破できるようにしたんです。正直言って賭けでしたけど、賭けには勝てたみたいです。」とジルト君がレイに言った。
一方のレイは、しばらく俯いていたが不意に笑い出したのでアイリース君とジルト君は嫌な予感を感じて武器を構えた。
「アハハハハ!素晴らしい!素晴らしいですよジルト君!最初の頃はあまり考えずに高威力の魔法を使っていたのに、今はどうです!このように相手の情報を分析し、それを元に有効な手段を考えて魔法を使っています!先生は嬉しいですよ!自分の教え子達が、最初の頃に抱えていた問題を自分で解いて成長していく様子は!ハハハハハ!」と私はひとしきり笑った後に、「フフフ、申し訳ありません、少し嬉しさが溢れてしまいました。でも、本当に素晴らしいと思います。」とジルト君に心からの賛辞を送った。
「あ、ありがとうございます。」とジルト君は返したが、怖えぇ!なんだよあの何とも言えない恐怖は!いきなりまた邪神が現れたのかと同じぐらいの威圧感だったぞ!やっぱりヤベェ奴なんじゃと内心は穏やかでは無かった。
「さて!もう私は主武器が有りませんので、次にやる事は分かりますよね?」と笑顔で2人に声をかけると、2人は武器をより強く握り「なんですか…」と言ったので、私は両手を上げて「降参します。」と言った。
「はい?」と2人が言い観客達も「えっ?」「なんて言った?」と言っていたので私は「だから降参します。私としては、生徒たちの成長した力が見れてとても満足したので、勝ち負けはどうでも良いです。モニカさんには悪いですけど、まあ許してもらえるでしょう。それでは」と言って私は後ろを向いてそのまま退場した。
「えーと、これにて学園武闘大会総合部門優勝者はSクラスの生徒パーティーに決定!」と進行役の人が全員に聞こえるように言った事で、観客達も拍手を生徒に送って大会は終了した。
その後、Sクラスのメンバー達は、気絶している状態の生徒の回復を待ってから、受賞式を行い、色々な人達から賞賛を浴びたが、ザッカス王子は顔には出さないように内心でレイにあっさり負けた事を苦々しく思っていた。
そして受賞式が終わり、見終わった私が家に私が帰ると、工房の方からモニカさんが出てきて「お?随分と早いな、もう少し後かと思ったんだけどな、まあ良いか取り敢えずお疲れ様。」と言われたので「ただいま…ふぅ」と返したら「なんだ?元気ねぇんじゃねえの?どうしたよ?」と心配されたので「いえ、ちょっと約束を守れなかったというか、そんな感じなので大した事はありません。」と言ったら「フン、どーせアタイとの“負けませんよ”とかいう約束気にしてんなら、んなもん知らねーよ。」と言いながら頭をガシガシと掻いて「んな事で悩んでるのなら忘れて、まだ早いけどメシ食おうぜ。」とあっさり悩みを見抜かれたので「どうして分かったんですか?」と聞いたら「お前と同棲してから分かったことなんだけどよ、お前変な所で頭が堅すぎるんだよ。強い武器とか作る発想力があったり、便利な魔道具作るのは自由で柔かい発想なのに、口約束だとしても真面目に守ろうとしたりする所はどうも譲らない所とかな。」と言われたので「完敗ですね。隠してるつもりでもお見通しという訳ですか。」と言うしか無かった。
そしてキッチンに向かおうとしたら「まぁ、少し前にお前が酒に強すぎて中々楽しめないヤツ用に試作した「酔い薬」だったか?を飲んだ時の事をまだ引きずってんのかとも思ったけどな。」と言われたので「忘れて下さい!」と慌てて返したが「あの時はまさかのお前がスゲーヘロッヘロになって大変だったなぁ。まぁその後、ちょっと酔ったアタイが手を出してベッドの上で散々啼かせてやっ」「ワアァーー‼︎言わないで‼︎アレだけは‼︎こんなに恥ずかしい記憶は一生のお願いを使ってもいいので掘り返さないで下さいぃ‼︎」と私は床を転げ、手で顔を押さえながら叫んでいた。
「こうも反応が面白いと、定期的に掘り返さない訳にはいかねーなぁコリャ。」とニヤニヤしながらモニカさんが言った。
レイは前世で死ぬまで童貞だったのだが、多少の知識はあったので、初めて(意味深)を経験しても大丈夫と思っていたが、その思いをモニカさんにあっさり破壊されて、今でもこのように自分の醜態をクッキリ思い出してしまい、深酒でも忘れられずに、掘り返されると別人の様に恥ずかしがってしまうのだ。
ちなみにモニカは不意にレイから愛してる感情を伝えられると赤くなるのでどっちもどっちの似た者夫婦である。
「うぅ…私のバカ野郎…何が酒に強すぎて困る人の為だよ。酔ったらどうなるかぐらい予想しろよぉ〜。初めてがアレは恥だろ。」と言う私に「その割に避妊薬とか酔いながら出してきて、「やめないでぇ〜」とか言ってたけどな。」と追撃されたので「それも言わないでください‼︎」と返した。
「まぁ気にすんな!取り敢えず立て、飯作るぞ。」と言われたので「分かりました。」と立って返事をして、夕飯のムニエルを2人で作った。
学園武術大会が終了してから1週間後、学園では期末テストの準備が始まり、生徒達は学園武術大会よりもピリピリし始めて、図書館に行って勉強をしている者も居れば、昼食を軽い物で済ませてから、勉強をしようとして集中が出来ずに結局無駄に時間を消費しただけで、1日が終わった生徒もいた。
そして私が担当しているSクラスの生徒達にも、勉強が得意な子と苦手な子がいたので、放課後に勉強会が行われていた。
具体的に言えばアイリース君にトウカ君が教わっていたり、クリスティア君がザッカス君が教えていたりだ。
別に逆でも良いとは思うが、何故かザッカス君が「私が直々に教えるから良いだろう。」とアイリース君に言ってアイリース君が「あまり婚約者以外の女性と長くいるのは外聞的にもよろしくは無いですよ。」とザッカス君に進言したが「別に良いだろう、どうせ下らん噂などクラスメイトなのだから関係ない。」と聞き入れずに今の状態になっていた。
それだけならまだ良かったのだが、他クラスの先生たちも困る事が起きていたのだ。それは婚約者のいる自分の所の男子や彼女がいたはずの男子生徒もクリスティアさんの方に夢中になって、自分のクラス内で問題になっていると言う事らしく、私の方にも「なんとかなりますか?」や「彼があんな小娘なんかに!先生どうにかしてください!」と私に直談判する女子生徒もいたので、クリスティア君に説明したら「え?私には皆さんお友達の様なものなので心配は要りませんよ。」と言われたのでもう一度説明しようとしたらザッカス君を呼んで「先生がしかるの!」と私に酷い事をされた様に振る舞い、全く話にならなかったので「どうしようもなかったです。」と私に直談判した女子生徒に言うしか無かった。
私が家に帰ってその事をモニカさんに話すと「その問題を解決できる簡単な方法があるぞ。」と言われたので「なんです?」と期待を込めて聞き返したら「簡単だ、そのクリスナントカと言うバカの頭を、金床とハンマーでぶっ叩いてやりゃいい。くず鉄も何度も叩けば多少良くなるんだ。お花畑のバカ頭も少しはマシになんだろ。」と言われたので、残念ながらその方法は不採用になった。
そして日が経つごとに、クリスティア君とその取り巻きの男子達は、学園内で問題を起こすようになり、私はこの学園の代理教師役を務める最終期限日が終業式(次学期からは、忙しい用事を私が教師役を務めている間に片付けたアマリアさんが私の持つ「転移門」を使って通い、新たに務める事になっている)なので、もし終業式でも問題を起こす様なら、クリスティア君も取り巻き達も全員、モニカさんの言った"簡単な方法”を使って全員の性格を治せるか試してみようかなどと考え始めた。
そして教師生活終了まで残り1週間、期末テストの結果発表が行われた日の放課後、私が教室にペンを忘れて取りに行った時、教室から話し声が聞こえたので聞き耳を立てると、ザッカス君とクリスティア君、そして男子生徒達の声が聞こえてきた。「クリスティア、俺たちは貴女様を愛しています。この想いは私達には止めようにありません。」と男子の誰かが言い、続けて「それなのに政略結婚の相手達は貴女を悪人扱いする!なんと愚かしい事だと思いませんか?」となんとゴルム君が言って「全くだ。」「アイツらは愛というものを理解していない。」「家が私より偉いからという理由だけで、こちらの行動を制限しようとしてくるとは」などと、私でも問題でしょうその言葉とツッコミを入れたくなる事を次々に言った。
「別に私は気にしませんよ。彼女達は神も呆れる程に愛を理解してはいないのでしょう。」とクリスティア君が言ったら「そうですよね!」「仰る通りです!流石は聖女様だ!」などとクリスティア君の言葉に賛同する彼らに、私は異常な執着を感じた。
そして「そうだ!奴らは間違っている!何故好きでも無い女と家同士の付き合いという下らん理由で婚約しなくてはならないのか!私は5日後の終業式前に行われる懇談パーティーでその下らん考えを捨てる!クリスティアの周りで口煩く騒ぐ馬鹿どもの前で忌々しい婚約者、アイリースに引導を渡してくれるわ!。」とザッカス君が言ったのを聞いて「その通りでございます!」「流石王子!その英断こそ王の器です。」と全員が肯定的な発言をしたので、私はこの子達普通じゃ無い!と確信した。
そもそもの話、平民とかならともかく、貴族や大商人などの権力者達は縦もそうだが、横の繋がりも重要になってくるのだ。その重要な繋がりを構築する為に自分の子供達には自分も体験したであろう厳しい教育を施し、自由に恋愛することを許さないのは、殆どどうしようもない、権力者の子として生まれたからには逃れる事の出来ない義務の様なものなのだ。
それを権力者の頂点であろう皇族に生まれたザッカス君が、こうもアッサリ否定して、更には婚約破棄宣言をしようと考えるのはどう考えても普通では無い、更に言うなら第2王子の彼はどう頑張っても皇位は継承出来ないし、婚約している相手は弟と妹2人の弟妹しかいないので、表向きは仮だが実質、王位継承権1位のアイリース君である。
そんな相手との婚約を言い方は悪いが聖女候補ぐらいでしか無いクリスティア君を愛しただけで、破棄しようと考えたザッカス君はハッキリ言って王の器どころか国の恥部である。
私はこれを聞いて忘れ物とか気にしてる場合では無い!と思い、学長の部屋に突撃して半ば無理矢理に協力を約束させようとしたら「流石にこの件は私も問題だと思いますので案があるのなら協力は惜しみません。」と言われたのでお礼を言って早速準備に取り掛かった。
そして懇談パーティー当日、私達教師陣も参加して生徒達もクラス関係なく楽しんでいたら、突然ザッカス君が全員に聞こえる大きさで「アイリース!君との婚約を破棄させてもらう!」とアイリースを指指して言った。
周りがシーンと静まり返る中「仰る事がよく理解できないのですが…。」とアイリース君が完全に呆れた声で言ったら「私は真実の愛に目覚めたのだ!昔からずっとお前は私よりも期待されているのに私は所詮は第2王子、ずっと気に食わなかったんだ。その上なんでも不安はお見通しみたいに接してくる。ハッキリ言わせてもらうとウンザリだった。」と言ってクリスティアの方を見ると「そんな時に彼女が私に話しかけてくれた。最初の頃はどうでも良い人だった。だが!彼女こそ天から私に対して送ってくれた天使だったのだ。」とか言い始めたのを切っ掛けに「私も彼女に救われた。」や「そうだ。彼女しか理解してくれない。」などとクリスティアに魅了された生徒達がクリスティアの周りに集まり王子と一緒になって身勝手な事を言い始めた。
そして、全員が自分の意思を表明し終わったタイミングでアイリース君が「そうですか…。いいでしょう婚約破棄させていただきます。」と言ったらザッカス君は「フン、最初から無理だったのだ。まぁこれで真実の愛の素晴らしさを証明出来…。」と言い終わらないうちに「ですのでクリスティアさんを愛している皆様は自身の婚約者の方々へ慰謝料をお支払い下さい。」と言ったので「ハァ⁉︎何を言って…。」と反論しようとしたザッカス君に対して「なんですその態度は、この場では優先発言権も無いのに。」とアイリース君は初めて見せる冷たい視線で睨み、ザッカス君とその周りにいるクリスティア君を好いている男子全員を黙らせた。
「別に私は“真実の愛に目覚めたのだ”とか下らない言葉は気にしませんよ。貴方達全員が何も責任が無い身分なら、しかし!」と突然アイリース君が声量を上げたので睨まれている生徒達は、クリスティア君も含めてビクッとなった。「貴方達は皆、持たない者には無いものを持ち、それに責任を持つべき存在です!それを“救われた”だの“彼女は天使”だの呆れてものも言えない理由で!そこの女に魅了された程度で動かされるなど、言語道断‼︎、愚の骨頂‼︎」と完全にお怒りモードになったアイリース君の言葉に押されて、全員縮こまっていた。
それでもザッカス君は「う、うううるさい!お前に何か言われる筋合いは無い!」と引け腰で反論したが、突然扉が開いて「黙れ‼︎これ以上我が国の生き恥になるというか‼︎」と言って騎士団を伴って入場してきた人物を見てその場にいた生徒や教師の一部も驚き、ザッカス君は「ヒッ、ち、父上何故ここに…。」と顔面蒼白だった。
そうザッカス君の目の前に立っている。黒い軍服に似た衣装と黒いマントを羽織って王冠を被ったザッカス君に良く似た顔のこの男こそ、ユスタス・ウォン・ローボス・バルザード、この大陸で2番目に大きい国土の国、バルザード帝国現皇帝その人であった。
「何故だと?その前にする事がある。」と言うと未だに顔面蒼白のザッカス君の胸倉を片手で掴み上げ「この愚か者めがぁー‼︎」と言って殴り飛ばした。
誰も止める事なく、放たれた拳を顔面に受けたザッカス君は「ぶげぇぇ⁉︎」と情けない声を上げて床に転がり、鼻血を出していた。「この大馬鹿者‼︎何が真実の愛だ‼︎お前に余が期待したのはそんな馬鹿をする事では無い‼︎本来の目的は余ユスタス・ウォン・ローボス・バルザードのバルザード帝国とそこにいらっしゃるラウル・ゼン・ファバル・メルロード王のメルロード王国との平和条約締結にあたり、互いの子を平和条約締結の象徴として結婚させようという平和への橋渡しの役だったのだ。」と言うと「その通りだ。」といつの間にか立っていた。メルロード王が肯定した。
「なふで言ってくへながったのですが。」と呂律が怪しくなっているザッカス君が追加で聞いたら「それは余も悪いと思う、何しろ息子が馬鹿だと思っていたが何もせずに無視していたからな。」とバルザード陛下は話始めた。




