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転生商人異世界無双記  作者: 菅野リクオ
17/20

学園武闘会

学園では邪教徒の襲撃にも負けず、武闘会が開かれようとしていた。

 主人公は参加を予定していなかったが、周囲に押されて出ることに…。

武闘会編開始!

 邪神とその信者達を倒し、平和が戻った学園では、私が送った転移魔法で駆け付けた軍隊の人達も協力して戦いが終わった翌日から瓦礫を除去するなどの学園全体の復旧工事が行われていた。

 私も細かいところを直したり、掃除をしたりしていたが作業の途中で、青い顔のマリー先生に「とんでもない教室が…」呼ばれてその教室に向かうと、そこはパーシーリーゲンを拷問した教室で、確かに汚した原因は私だが改めて第三者視点で見ると、身の毛もよだつような光景だった。

 その光景とはどういうものかと説明すると、教室の白い壁は、固まった赤黒い血で天井までびっしりと覆われて、よく見ると細い肉片や骨の欠片、髪の毛などが混じっていた。窓ガラスから差し込む光は窓まで染め上げた血で赤く変わり、中央に寄せられた机の上には爪や細い皮膚らしきもの、肉のこびり付いた骨、臓物の一部と思われるピンクの肉片が並べられていた。

 私は「あぁ…コレは随分と酷い臭いが…」と言うとマリー先生は吐き気を起こさないように反対側を見ながら「これはもしかすると邪教徒の儀式の跡かも知らないので、浄化してから清掃が必要なんですが…お願いできますか?」と言われたので「お任せください。見違えるほど綺麗に致します。」と答えたら反対側を見たまま「ありがとうございます」と言った。

 私はマリー先生が足早にいなくなったのを確認し、「清浄なる銀十字」を使用すると、机の上に置いてある骨などを除いた汚れは全て綺麗さっぱり消えた。そうして綺麗になった教室に残った骨などを回収して、外に穴を掘ってそこに入れて、高火力の火魔法で徹底的に燃やして灰にした。その後机を元の位置に戻して、床を掃き掃除してからマリー先生を呼んで確認してもらったら「え?この短時間で元通りになってる⁉︎」と驚いて「レイ先生ありがとうございます」と言われた。


 そして、何日か経った後、完全に元に戻った学園で授業を行なっていると、突然学長に呼ばれて、会議室に行ったら、そこには勇者アメルと神聖国の使者、バルサークさんと帝国の使者、アマリアさんと王国の使者、学長、ハイエルフの使者、魔王軍八幹部「黒霧のヨルム」と名乗った暗殺者みたいな見た目の人、多種族国家連合軍の将軍ラロカンと秘書官という邪教徒との戦いで活躍した人達が集合していた。

 私が「学長、この方々は?」と言ったら勇者アメルが「私達は先日、この学園を襲撃した邪教徒の首魁がまだ生きているのでは?と考え集まりました。そして貴方が邪神にトドメを刺したと一部の生徒が言っていたので話を詳しく聞こうと貴方を呼ばせてもらった。」と代わりに答えてくれた。「なるほどそうゆう事なら納得です」と私が言うとアマリアさんが「それで邪教徒の首魁はどうなっているんだ?殺したのか?」と聞いてきたので「あぁ…パーシーリーゲンの事ですか…。それなんですけどちょっとややこしい事になってまして…」と歯切れ悪く私が言うと「どういう事だ?」と言われたので「ちょっと待ってて下さい。すぐ証拠を持ってきます」と言って私は会議室から出て行った。

 そしてすぐ戻って来ると私の後ろに誰かがついて来たので「誰だい?彼女は」とバルサークさんに言われたので「パーシーリーゲンです」と答えたら全員が瞬時に警戒した。が、すぐに若干警戒を緩めて「それが?本当にソイツが親玉なのか?」とヨルムさんが言った。

 理由はパーシーリーゲンが女だったからではなく、纏っている空気がどう考えても邪教徒の首魁には相応しいものでは無かったからだ。

 そしてそれを理解した他の人も異常を感じた。何故目の前の女がキラキラした、別の言い方をすれば純粋な子供のような目をしているのか、何故手に大きなフワフワしたクマのぬいぐるみをもっているのか?何故ニコニコ笑っているのか?と疑問が次々湧いて来た。

 「リーン、すこし端の方で待っていてください。」と私が言って「わかった〜」と何の疑問も持たずに会議室の端に座って、ぬいぐるみと話し始めたパーシーリーゲンを見て全員が「コレは一体…何があったので?」と聞いてきたので、「それはですね邪神を倒した時にショクで記憶が無くなったらしく、適当な記憶を刷り込んだら戻らなくなったんです」と言った。ちなみにこれは嘘で本当は拷問を肉体的なものから、精神や魂を拷問するものに変えた時に、うっかりやり過ぎて魂が完全に壊れて精神と魂が両方とも消滅し、そのままだと肉体も死んでしまうので何とか魂を治そうとしたが、不完全な状態で固定されて、知識は普通の人並みだが、精神年齢が8歳ぐらいになったからである。

 ちなみに魂が殆ど新しい物になったので、今まで闇属性の魔法が得意だったのが、聖属性に変わって今までよりずっと魔法使いとしてのレベルが高くなった。

 勇者アメルが「つまり、今のパーシーリーゲンは一般人よりも精神的に弱い弱者、ということか…」と言ったら全員が「面倒極まりないな、ヤツに責任を取らせるのも出来んし、というかヤツは元から女なのか?」と聞かれ「それはですね邪神の復活の為にパーシーリーゲンは自分を女に変えたんですよ」と言ったら「…よく分からんが、それならばヤツを男に戻せば記憶も戻るのではないのかね?それならヤツに責任を取らす事は可能だ。」とラロカン将軍に言われたが、私は「恐らく元に戻る可能性はとても低い上に、男に戻ったパーシーリーゲンはかなり小汚いおっさんでしたよ。男に戻したら小汚いおっさんがぬいぐるみ持って子供みたいに笑うという、かなり珍しい光景が見れると思いますけど…やりますか?」と言ったら「「「よし、聞かなかった事にしてくれ、この話は無し!いいな。」」」とやや早口で色んな人に言われた。

 「それじゃあ、奴はどうする?監獄に入れるのはあの状態だと色々な意味で危険だし、何処か役に立ちそうな場所は…」と相談し始めてたので「それなら孤児院で働かせてみますか?私の育った孤児院は働いている職員(孤児院は小さい教会とセットで建てられている)に少し高齢の方が多いので、働ける人を探してた記憶があります」と言ったらアマリアさんが「それなら話が早い、監視も楽だし何より孤児院は教会関係者が多いからな、記憶がないのならいっそのこと元から善人だったことにしよう。」と言ってパーシーリーゲンは名前をリーンと改めさせて孤児院で教会関係者と騎士団の監視付きで働く事になった。(身元保証人の役割を私は引き受けさせられた。)

 後から人づてに聞いた話だとリーンは真面目に働き、聖属性魔法をメキメキと覚えて治癒士としても活躍しているそうだ。私は人間っていつどうなるか本当に分からないなぁと思った。


 そして学園では学園武闘大会、武術部門と魔術部門、総合部門の3つの部門に分かれた大会が3ヶ月後に開催されるという(私は襲撃があった後にもやるのかと思った)事もあり生徒達や、生徒達の希望で参加する教師陣も放課後に模擬戦をやったりと騒がしくなっていた。私は偶に生徒(トウカ君が主だった)と模擬戦の相手になったり、治療用ポーションを作ったり、模擬戦で壊れたところが出たらそこを直したりして大会まで待っていた。

 この大会は武術部門と魔術部門で一対一のトーナメント戦と総合部門でパーティーを組んでのトーナメント戦の二つがあり、生徒は両方共できるが、教師陣側はパーティーを組む人数が最大2人という(Sクラスの生徒がパーティーを組まない限り、教師側が1人でも強くて有利なので)ルールで行われて最長3日間行われる一大イベントである。そして学園を卒業した時にいい人材を探している国の組織(騎士団や宮廷魔法師団など)や有名な冒険者も青田買いを狙ってやって来るという事もあり、生徒の中には自分をアピールする良い機会と考え、授業により精を出す者も現れた。

 ちなみに魔道具に関しては教師は自作した物、もしくは事前申告を通した物を数点、生徒は自分の力で手に入れた(お金でも、ダンジョンを攻略して手に入れても、作ったりしても良い)物なら制限なく使って良い事になっているが、あまりに危険だと判断された場合には使用不可となっている。

 回復は魔法なら何回でも、ポーションなら一回分だけ使用する事ができる。

 そして試合は学園都市内の闘技場で行われ、観客席は防御魔法壁で保護され、闘技台には何本もの柱が建っていて、ハイエルフの中でもエリートである生命の中位精霊を扱える精霊使い(精霊を扱えるのはハイエルフを除いたら近縁のエルフや各種族でもほんの一握りであり、その一握りでも中位精霊を扱えるのは指で数えられる程しかいないので、一般的には精霊使いとはハイエルフを指す言葉。)の人が張った特殊な結界のおかげで、致命傷を避ける事ができる代わりに、気絶するだけで済むようになっている。

 私は最初から参加する気は無かったが、トウカ君とアイリース君に頼まれ、学長からもSクラスの生徒がパーティーを組むということを聞かされたので、参加する事に決まりモニカさんに言ったら「ガキ相手に負けんなよ。あと手ぇ抜いたらシバくぞ。」と言われた。確かに一度出場すると決めたら負けるつもりは毛頭ないが、モニカさんに「だけれど相手に王族とか大魔法使いの孫とかいるから色々大変なんですよ」とは口に出さなかった。

 そして時間はあっという間に過ぎていよいよ試合が行われる日になった。

 

 私が最初に戦ったのは魔術部門の一対一でなんとマジルド先生でいきなり教師対教師という盛り上がる組み合わせだった。「それじゃあレイ先生、胸を借りるつもりで行きますよ」と言われ私は「分かりました。いつでもどうぞ、と言ってお互いに構えた。「「【雷撃槍スパークスピア】」」とお互いに全く同じ魔法をぶつけて相殺したら観客は「おお〜」「すげ〜」「お互いに相手の手が読めたのか?」など盛り上がっていた。その後も【火球ファイアボール】や【氷棘アイスニードル】、【風刃ウィンドカッター】などお互いに相手と同じ魔法を連発したり複数撃ったりしてそれを相殺し続ける戦いが続いたため観客が飽き始めたタイミングで、マジルド先生が「魔力が切れそうなので降参します。」と言って私は勝利した。「いや〜レイ先生あれ程魔法を連発したり、魔力の消費が激しい魔力消費強化(溜め撃ち)や、多重詠唱(複数同じ魔法を撃つこと)、更には無詠唱(無言で魔法を使う事、かなり難しい)まで私の発動についていくとは…」と言われたので「いえいえマジルド先生もあれだけ撃ってもなかなか降参しないのでこっちはヒヤヒヤしましたよ。」と言った。

 観客は「お互いにすごかったな」など盛り上がっていたのだが、その次に行われたジルト君の圧倒的なソロ勝ち試合(相手の魔法を高等防御魔法壁で全て防ぎ、オリジナルの紫色の火種みたいな魔法で相手をオーバーキルレベルの爆破で場外に吹き飛ばす)を見て大盛り上がりしていた。

 私は次の試合(武術部門)しばらく暇なので試合で使う武器を選んで磨いていると、観客が歓声を上げたのでなんだ?と思って見に行ったら、ザッカス君が剣で相手をボコして「流石ザッカス様、あの対戦者の平民は何も出来ずにアッサリやられたなぁ」「所詮は平民、貴族には勝てないと分かっているのさ」と近くにいた確か帝国貴族の子のグループが盛り上がっていたので、私は多分ザッカス君に万が一勝ったら貴族のこの子達みたいな奴らがしゃしゃり出てきて、自分の周りの人達も危険だから何も出来なかったんだと思っていた。

 私はこういった考えをもった奴が対戦者にいたら、周りに気付かれないよう徹底的に痛めつけてやろう例えそれが子供でもと、新たに決意した。

 そして次の試合で私はトウカ君と相対した。トウカ君は日本の鎧によく似た物を着用し、前よりも強く、そして慢心しないよう努力したのが目を見て分かった。私は「強くなりましたね」と言って「名刀・朧月」と名付けた装備すると気配を消し、刃を一時的に見えなくする事の出来る武器で「負ける気はありません」と言ったトウカ君と斬り合いを始めた。その様子はお互いに無駄無く、必要最低限の動きだけで斬り合う(例えば私の踏み込みにトウカ君が素早く納刀してからの抜刀や、トウカ君の突きに刃を当てて軌道を僅かに、自分に当たる数ミリ横に変えたりなど)、生徒やその他の観客が何も言えなくなる程に美しくそして激しい試合だったが、段々とトウカ君は余裕が無くなっていき、私の通り過ぎざまの抜刀で刀を吹き飛ばして勝った。「まだ届きませんか…もどかしいです」とトウカ君は残念そうに言ったが「それはどうでしょうね」と私は少し切れている自分の服の腕を見せた、「少し届きましたか…でもまだ止まるつもりはありません」とトウカ君は少し笑みを浮かべて闘技台から立ち去った。

 ちなみに私はその後の武術部門の試合で、対戦相手の生徒が「あのレベルについてはいけない」と棄権し続けて不戦勝で最終的に優勝を勝ち取った。少しやり過ぎたな、と私はその日の夜に反省した。

 

 そして次の日、私はパーティーを組んで戦う総合部門の初試合に一人で(教師陣はソロで出場する人は珍しく無い)出る事に決めて、モニカさんも「今日は観に行く」と言ってくれたので、一緒に学園に行き、モニカさんを観客席に送ってから試合が始まるまで待機した。

 そして初戦からジルト君と他クラスの女子生徒3人(入学の時に熱い視線をジルト君に送っていた女子生徒)のパーティーを相手する事になった。「先生、昨日の試合は凄かったですよ。まるでチートですね」とジルト君に言われたので「それはお互い様だと答えておきましょう」と返した。

 「あのう先生、戦う前にひとつ…その髪の毛どうなってるんですか?」と他クラスの女子生徒1(装備は軽装鎧に弓矢とショートソードで髪色が空色のボブカットで少し耳が尖り気味)が聞いてきた。何故こんな質問を彼女がしたのかというと、レイの髪の毛の一部が、銀色の小さいリングに赤い石の飾りのついた物で頭頂部に纏め上げられていて、髪の先端には蝋燭の火ぐらいの大きさの火がチロチロ燃えていたからだ。

 私は「コレですか?これは私の新しく制作した魔道具で、触れても熱く無く燃え移る事もない、最大でオイルランタンぐらいの灯りを灯すことの出来る魔法の髪留めです。今はどれだけの間連続して灯りを灯すのか自分の体で実験中です。」と答えたら、「な〜んだ。ふざけているのかと思ったらそう言うことか」と他クラスの女子生徒2(装備はガッチリとした鎧に剣と盾、赤髪のポニーテール)に言われた。私はそういえば全員どれくらいの強さなんだろう?と全員の強さを見たら、女子生徒全員が平均してもかなり強く、特にジルト君は転生者という事もあり、薬物などの状態異常を無効できるスキルを獲得していた。

 なんでクリスティア君の周りによく居てメロメロになっていたジルト君が、最近別クラスの女子生徒達とよく一緒に居るのか私は気になっていたので「ジルト君、君達は随分強いようですが、何か特訓でも?」と聞いたら「僕達はダンジョンを何回も潜って効率的なレベリン…いや、頑張って強くなったんです」と答えたので、私はそうか!つまりジルト君が邪教徒相手に苦戦して、それが彼の(転生チート無双したかったつまらない)プライドを傷つけて、それを払拭する為に一人でダンジョンに入ってレベリングをしていたら、転生者ボーナス的なもので状態異常を無効するスキルを身につけた事で、クリスティア君の惚れ薬を無効化し、自分に転生者あるあるで好意を向けている複数の女子生徒と一緒に自分の(多分ハーレム?)パーティーを組んでレベリングしていたのか!と少し頷きながら考えていたら「先生、早く試合を始めましょう」と他クラスの女子生徒3(1の子より鎧が少なく、ダガー二刀流と投擲用の細いナイフで髪型は動きやすさ重視のボーイッシュな銀髪)に言われたので私は「分かりました。では遠慮なくどうぞ」と言って「守り手の巨人の右手ヘカトンロックハンド」と「盗人の神の左手ヘルメスガントレット」の2つを嵌めてジルト君達と向かい合った。


 するといきなり他クラス女子生徒1(今後名前がまだ分からないから、取り敢えず女子生徒1と略すことにする。その他の女子生徒も同じ略し方)が私の顔目掛けて、なんの躊躇いも無しに矢を放ってきたので私は素早くスライドして避けると、女子生徒3の投擲用ナイフがそれを見越したかのように飛んで来た。

 私はそれを右手をかざすだけで飛んでくる途中にポトリと落とし、取り敢えず1番軽装のジルト君に攻撃しようと接近したら、ジルト君の前に女子生徒2が立ち塞がり、剣で攻撃してきたので私はバックステップで躱わして、そのまま距離を置こうとしたその時、いつの間にか接近してきた女子生徒3のダガーの煌めきがチラリと見えたので、予備動作無しのバク宙をして闘技台の柱に重力魔法で垂直に降り立った。

 観客は「スゲェ!なんだあの動き!」「彼は代理教師らしいが、本職はなんだ?」「変な髪してるけど強え〜」と私とジルト君達の攻防に盛り上がっていた。

 「おやおやジルト君、君のパーティーは随分動けますね。駆け出し冒険者以上の動きですよ」と柱に垂直で立ったまま褒めると「先生も大概ですが…まあ、凄いでしょう?短期間でここまで成長できる人間は生まれ持った天才達ですよ」とジルト君は得意げに言った。

 私はその台詞を攻撃できる隙と捉え、柱を蹴ってジルト君に近づいたら、ジルト君の周りに素早く展開された魔法壁によって阻まれた。

 「どうですか、これは物理攻撃を無効化する事の出来る特殊な魔法壁です。今の先生の戦闘スタイルには天敵でしょう」と言われたので、私はその魔法壁の前で呼吸を整え、「雷豪拳法・四雷拳らいごうけんぽう・しらいけん」と言って周りの人達が稲妻と錯覚する程の素早い4連撃を本物の稲妻を纏わせて放つと、魔法壁にひび割れができた。「成る程、どうやら耐えられる限度がありそうですね」と私が言うと「ウソだろ…コレ使うだけでモンスターの物理攻撃は耐えられて、余裕で反撃してきたのに」とジルト君はややショックを受けていた。

 

 「別にコレを扱える同い年の子はいないんですから、もっと自分に自信を持っていいんじゃないでしょうか?」と言って私はもう一度「雷豪拳法」で攻撃しようとしたら、女子生徒2の子が「フレアバッシュ!」と言うと、盾に描かれた紋様から火が出てその状態でこちらに突撃してきたのでバックステップでジルト君から離れた。「ナイスだアシュリー、その盾最初よりもずっと上手く使えるようになったな!」とジルト君が言い、私は「おや、どうやらその盾はダンジョン産のようですが…もしや他の人も?」と聞いたら「その通りです」とアシュリー君が答えた。

 そのまま続けてアシュリー君は「私の盾と剣は二つセットでドロップしました。ジルト君はボスを倒した際に新しい武器を、ユイちゃん(女子生徒3)はあのダガーを、ミイリスちゃん(女子生徒1)はあの弓とショートソードをそれぞれダンジョンで手に入れて今日の日の為、実戦練習も兼ねて使い込みました。」と言い、「ちなみに回復はジルト君以外にもアシュリーができるし、色んなポーションもありますので先生はかなりキツイと思いますよ」とユイ君が私の背後で言って、またナイフを投げてきた。

 私がまた同じ様に手の平をかざして落としたら、ユイ君に「そのガントレットもしかして飛び道具を無力化している?だとしたら厄介ね」と言われたので私は「その生徒からの疑問に、先生として答えるのならばその答えは"いいえ''です。確かに飛び道具に、このガントレットを使えば防ぐ手段としては充分な効果を発揮いたしますが、それは本来の力を発揮出来ているとは言い難いです。」と言ったら「なら、最大能力 フルポテンシャルはなんですか?」とミイリス君に言われて、私は「それはですね…」と言ってミイリス君の背後に「縮地」で立つと、左手でミイリス君の背中にある矢筒を取って目の前にもう一度「縮地」で移動し、「こういう事ですかね?」と言って矢筒を右手で軽く投げて返した。

 ミイリス君は私が矢筒を返したのを見て、特に疑問も抱かずキャッチしようとして、観客達もなんで彼が大人しく返したんだ?と思ったが、その次の瞬間の光景に全員が目を疑った。

 なんとミイリス君が矢筒を掴もうと出した手を矢筒は、まるでそこにミイリス君の手が無いかの様にすり抜けて、地面に落ちたからだ。

 「えっ?」とミイリス君は、自分の目の前で起きたことが理解できずに混乱していて、私が回し蹴りを脇腹目掛けて繰り出したのも気付かずにモロに食らって、柱に向かって勢いよくぶつかり「ウギャ!」と歯を食いしばっていた。「ミイリス!大丈夫か!」と言ってジルト君が近づいて回復している時にユイ君とアシュリー君が私とジルト君の間に立ち塞がって「一体ミイリスの矢筒に何をしたんですか、先生!」とアシュリー君が聞いてきたので「簡単に言うならミイリス君には使えない様にしました。」と答えたら「どういうことだ?」とユイ君が聞いてきたので「分かりづらかった様なので、詳しく説明致しますとこのガントレット」そう言って左手をヒラヒラさせて「このガントレットは相手がどれだけ警戒していても、魔法で防御したりしてもそれらを無効化し、相手から目的の物を簡単に盗ることができる魔法のガントレットで、こちらの」そう言ってから右手をヒラヒラさせ「こちらのガントレットはその逆、相手がどんなに対策しても、鍵をかけられる魔法のガントレットなのですが、これら2つの力はそこにある物だけでは無く、そこにある概念も対象に含んでいるんです。」と答えたら2人ともあまりよく分かっていなかった。

 私は「つまり、このガントレットは簡単に言うと『〇〇さんのものだから触れる』という概念を『〇〇さんのものじゃないから触れない』に変える事も出来るので『ミイリス君の矢筒だから触れます(使えます)』を『ミイリス君の矢筒じゃないから触れません(使えない)』に変更したんですよ」と言うとジルト君が「なんだよその最強っぽいのチート能力は!それさえあればどんなヤツの武器も装備品も無効化できて必ず勝てるじゃねえか!というかどうやってそれを手にした!」とミイリス君を回復させ終わり私に杖を向けて言った。

 「別にコレらの"制限と略奪"の力は対象の近く、大体歩幅一歩分ぐらいに行かないと発動出来ませんし、同じぐらいの力を持つ魔道具には効きません。更に言うなら最初からこんな力ではなく対象は物体同士限定でしたよ。」と私が言うと「じゃあどうやって?」と元気になったミイリス君が聞いてきたので「1ヶ月前に夢の中で生命の神様(転生した時に会った神様)に会いまして、その神様の紹介で鍛治の神、魔術の神、物作りの神、商売の神、戦いの神、光の神、闇の神、死の神、の計9柱の神様達と話し合いして私の作ってきたアイテム達が、時間をかけて神器として生まれ変わっていくということが決まりまして、その第1回目がこの2つだったんです。だからこんな滅茶苦茶な性能なんですよ」と答えたら観客もジルト君達も「ハァァァ⁉︎」と全員驚いた。

 

「なんですか皆さん?お揃いで面白い顔になってますよ」と私は言ったが「先生!神様に会ったんですか!というかそれ神器だったんですか!」とアシュリー君は興奮した口調で捲し立て、観客達も「ウソだろ!神器なんて国の宝級レベルだぞ。なんで持ってんだ?」「アレが神器、なんて強さだ…彼をスカウトしたいな」と言い「ウチの旦那、髪燃えてるし神器持ってるて…今日の夕飯の時に何からツッコんでやろうか迷うなぁ」とモニカさんは驚きと呆れ半分の様子だった。

 私が「兎も角、今は皆さんの疑問に一個一個答えてる時間はありませんので、これからは少し力を入れて戦います。頑張って下さい。」とジルト君達に言うと、素早くアシュリー君に接近して、私はアシュリー君に足払いを決めると、アシュリー君を盾ごと闘技台に蹴り技で埋め込んだ。

 あまりの衝撃でアシュリー君は気を失い、あっさり伸びてしまったのを見て、ユイ君は私の顔目掛けて両手に握ったダガーで刺突を行おうとしたら、私の出した各人差し指一本だけで止められ、そして親指と人差し指で刃先を摘まれて1ミリも刀身を動かせなくなり、焦って無理に引き抜こうと隙を見せてしまい私の頭突き(「金剛不動氣功鎧 」でカチカチの石頭にした)を食らって闘技台の端近くまで気絶しながら吹き飛んだ。「アシュリーさん!ユイさん!」ミイリス君は心配になったのかユイ君の方に、私に背を向けて向けて駆け出したので私は背後から攻撃しようとしたらジルト君が、「タァ!」と掛け声と共に細身の剣を振ってきたので私は左手で受け止めて「おや、この剣はさっきまで貴方が使っていた杖だったはずですが…形態が変わる武器だったんですね」とジルト君に言うと「そうですよ!そう簡単にはやられはしませんからね!」と言って来たので私は「そうですか…まあ頑張って下さい」と返して斬りつけてくるジルト君の攻撃を片手で気怠げにいなしてると「真面目やれ!」とジルト君が言い観客の何人かも「確かにもう少し真剣な感じにやってやれば?」と思い始めていた。

 私は「それならコレはどうです?」と私は気怠げな動きを止めて、ジルト君の体勢を素早く崩して、「発勁」と短く言って思いっ切りジルト君に両拳を繰り出すと、ものすごい勢いで吹き飛んで柱を一本倒して止まった。

 「ジルト君!アレ?残ったのは私だけ?ど、どどうしよう」とジルト君が負けたのを見てミイリス君は混乱していたので私は素早く接近して、後頭部をトンッと軽く叩いて気絶させて全員が戦闘不能になったので勝利した。


 「おう、お疲れ様。随分派手にやったなぁ」と試合後、(私は今日の試合一回だけにしようと決めていたのでコレで終わり)モニカさんに言われたので「まぁ、ワザと手を抜いて負けたら貴女との約束を破るかなぁと思ってので、手はなるべく抜かないようにやったからこんな試合になりました」と答えると「そうか…まぁアタイとの約束を守ってるのなら特に言う事はねぇな、取り敢えず今日の夕飯何なのか教えてくれ。アタイも手伝うからよ」とモニカさんに言われたので「はいはい、今日は焼き鳥でもやろうかと思ってますので、お手伝いよろしくお願いします」と言って2人で残りの試合を観戦してから買い出しに行って、焼き鳥を作って夕飯時には、軽くお酒を飲みながら話し、その日は早めに眠った。

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