反撃主人公
異常な精神力の主人公に恐怖してしまった邪神。それに追い討ちをかける様に次々と眷属が、倒されていく…。
邪神編解決まで後少し。
邪神がレイの精神に侵入して彼を支配しようとした時、何故失敗して彼に恐怖したのか?それは彼の精神世界は邪神を持ってしても、あまりにも狂気と正気の入り乱れた場所だったからだ。
ある所では他人に対しての黒い感情が渦巻き、その感情を向けた相手にその感情が隠れる程の親愛の感情を向けていた。ある場所では、大量の屍の山が築かれ、その場所の近くには、花の咲き乱れる楽園があった。それから大量の虹色の硝子製人形が、粉々に割れてそれが集まって木になり、それから落ちてきた木の実からまた硝子製人形が生まれたり、パーシーリーゲン(♀)が生きたまま解剖されている映像が流れ込んできたり、パーシーリーゲンが笑顔で孤児達と戯れる光景が流れ込んできたりもした。
この世界とは違う世界のレイ•アルゼイもとい安田心太郎が、自分の目の前に現れて大量のネガティブワードを言ってきたりもした。そんな少し独特な精神世界にいたら、いつの間にか邪神は、自分の精神が少しずつレイの意識に呑まれているのを感じ、信じられない事に自らの糧にしてきた筈の負の感情である恐怖を感じた。
自分が自分では無くなっていく感覚、痛みも何も感じない消失感…そのような本来なら気がつきもしないどころか、自分がずっと他者へ与えていた物を何故か異常なまでに感じて、邪神は初めて心の底から恐怖したのだ。そしてレイの精神世界から全力で脱出して彼を見た時に、その感情がフラッシュバックしたので、邪神は妙にビビっていたのだ。
私は、邪神のそんな事情は分からなかったので、なんでこんなに怖がってるんだ?と思ったが「さて貴女に何があったかはわかりませんが、ここで死ぬのには変わりませんよ。覚悟を」と言ったら、邪神は突然自分の背中から蝙蝠のような羽を広げて「キ、キサマ!ここ、今回は見逃してやる!お前が寿命で死んだら改めてこの世を闇で支配するとしよう!」と言って飛んで逃げようとした。パーシーリーゲンは「邪神様⁉︎私は?」と言っていたが、私はその声を無視して邪神の羽に向かって自分の手をとある特撮ヒーローの別名"切断王子"のように動かし【次元斬】を放った。そして放たれた【次元斬】は、邪神の身体ごと羽を斬り落とし、邪神は「早く逃げ…ウワァァァ?‼︎」と叫び声を上げながら地面に落ちた。「逃すと思いますか?」と私が満面の笑みを浮かべて邪神に言うと「イヤだー!」と悲痛に邪神は叫んだ。
一方、眷属達と戦っている人たちも戦いが終わろうとしている所だった。王国騎士団の団長であるアマリア団長の着ているのは、王国の国宝級武具の1つである鎧「紅蓮の戦華」と、神器である大剣「炎神剣フレイアドワーズ」で、名前から分かる通りアマリア団長のレイと対峙して戦った時には彼には分からなかった真の剣技は、眷属を斬りつけるのと同時に斬り口を燃やしていた。その為騎士団の中でも指折りの実力がある者以外は、戦いについて行けていなかった。「ヤベェな団長」「ああ…ヤベェ」「頑張れー!団長!」と戦いについていけないので、警戒しながらも応援している騎士達がいた。
ちなみにこの鎧も剣も、レイが調整を武術大会前に行っているので、より親和性が高まっていたのもありアマリア団長率いる王国騎士団は重傷者を出す事なく戦っていた。
その近くの帝国騎士団は帝国出身のSランク冒険者バルサークが善戦どころか眷属を圧倒していたので、一般騎士達だけで編成された帝国騎士団は、下手に手を出して足を引っ張りたくはなかったらしく、こちらも声援を送るだけになっていた。
確かにバルサークはとても強いが、眷属を圧倒するには従来の装備のレベルがもっと強くなくてはならなかった。しかし、圧倒できている理由はバルサークの剣と鎧をある人物、そう主人公が改良していたのである。そして生まれ変わった剣の銘は、「星重力魔剣グラヴィベンダー」といい斬ると斬り口の周り3センチが重力を強く受けて、相手の身体の自由が斬られる度に制限されるというチート武器で、特殊な技も使えるようになるのだ。「フン!」と言ってバルサークは剣に紫色の雷を纏わせて眷属の顔面を叩き潰し、胴体まで真っ二つに斬ると、真っ二つに裂けた眷属の中心部に向かって眷属の身体が吸い込まれていき小さな黒い塊になってしまった。
これは大剣を使った特殊な技の一つである「重力乃獄牢」で、切断された物体は紙を丸めて小さくするみたいに重力で小さい塊にされて、さらに周りを重力魔法で固められてしまうという再生能力のあるモンスターも成す術無く倒されてしまう技である。しかも、発動条件は対象の一部を切断するだけなのでかなり凶悪なチート技でもあるが、剣の重量は以前より増大しているので扱いは簡単では無い。
「ふむ、どうやら無力化に成功したようだな。流石はレイ君の拵えた剣なだけある」とバルサークさんは刀身を見つめながら言った。
魔王軍もとんでもない強さで眷属を圧倒いや、もはやただのリンチ状態にしていた。理由は明白で魔王軍八幹部達が、全力で叩き潰しに掛かっていたからである。
例えばルーナ先生のお父さんは大量の斬撃を放ったりしていたし、別の幹部は魔法で燃やしてボロボロにしていた。そして大将の魔王が代々受け継いで来た国宝級神器の「魔剣ストームブリガン」で斬り刻み眷属はボロボロと崩れ落ちていった。
聖騎士と聖職者達で構成された神聖国軍は、彼らの崇める神によって選ばれた聖剣を携えた勇者アメルと銀十字騎士団団長グリモド、そして今年80歳になる教皇グロフィストが最前線を張り、聖職者達は支援魔法や聖属性の魔法で攻撃し、聖騎士達は聖職者達を守る陣形を組み眷属と戦っていた。
そして「教皇陛下!騎士団長!聖剣の奥義を発動させるのに少し時間が必要ですので暫く任せても大丈夫ですか!」と勇者アメルが言うと団長は「任された!貴殿に手間はかけさせん」と返答し、教皇陛下は「ホッホッホ!勇者殿よ早くしないとワシが先に倒してしまうぞ!」と老人とは思えないほど元気に答え2人がかりで眷属を抑え始めた。
騎士団長は、大盾で眷属の攻撃を弾き体制を崩して攻撃していたが、何故か体制を崩す事に力を入れていて、攻撃はあまり眷属に効いていなかった。
すると教皇陛下が腕捲りして「ホッホッホ騎士団長殿、お主が守りでゆくというならワシは殴りでゆくとするかのう」と言って「オォ我らの主よ!我らに邪を討ち払う力を授けたまえ!」と天に手を広げて言うと、教皇の両手に黄金に輝く神聖な力が集まりそれが武器小手 ガントレットに変わった。「さらに!【筋肉大強化】!喰らうが良い!神がワシらに与えてくださった聖拳を!」と言って滅茶苦茶な速度で打撃を叩き込んだら、眷属は「ギエェーーアガァ!」と叫び声を上げてかなりボコボコにされ「やるなら今じゃぞい」と教皇は勇者アメルに言うと、騎士団長と一緒に素早く後ろに下がった。
勇者アメルは「ハァァァ、これで終わりだ邪神の使徒め!"神聖滅火・大渦の聖戟"!」と叫び声と共に聖剣を振り下ろすと、黄金色の神聖な炎の渦が聖剣から放たれ、眷属を燃やすのでは無く神聖な力で消滅させた。
「よし後は他の国に加勢しよう」と言って勇者は他の国に加勢に行ったので他の人達もその後に続いた。
そんな感じの戦いが各軍で行われ眷属達を次々屠っていた時、本丸である邪神もかなり消耗していた。
理由は、生徒たちを学園の外に出して、周りに戦いを見る事ができる存在が殆どいない状況を作り出したレイが、これでもかと特殊なアイテムや武器、魔法で徹底的に攻撃したからであり、攻撃終了後、邪神は身体の半分以上がグチャグチャの肉塊に変えられて、無事なところは口と目ぐらいになっていた。
私は血に塗れ、より禍々しくなった棘付き棍棒を仕舞うと邪神に「早く治して下さい。もっともっと試してみたい痛めつけ方や拷問は残っているので」と声を掛けたら、「もう…やめ…ころして…楽に」と何回目かも数え忘れた事を言い始めたので、「聞こえませ〜ん、はやく治してくださ〜い」と私もこれまた何度言ったか忘れた事を言った。(もちろん笑顔で)
だが少しだけ(自分的にはまだやり足りないが)可哀想な気がしたので、「流石に私も少しだけ、本当に少しだけ面倒臭くなりましたので、そろそろトドメを指すとしますか…。」と言って取り出したのは勇者の聖剣と、大量の「清浄なる銀十字」、そして特殊な結界を張れるお札を出して、結界を張り、銀十字を邪神の肉体(肉塊)にねじ込み、銀十字の効果で、邪神の肉体はどんどんボロボロになって消えていき、私は残留思念体みたいな邪神の残りを聖剣の一撃で完全に消し飛ばした。
「あぁ、邪神様が…消えてしまった…。」と言っているパーシーリーゲンに「さてと今度は貴女に邪神の受けるはずだったアイテムや武器、拷問を試させてもらいますよ。」と言ったら、「ヒィー!それは嫌だ!逃げ…」と言って逃げ出そうとしたが、私は襟首をしっかり掴んで空き教室にゆっくり引き込んだ。「ヤダヤダ!誰か!助けて!神様!」と言って必死に地面に爪を立てて抵抗したが、それも虚しく空き教室改め拷問部屋に引き込まれていった。
その後にパーシーリーゲンに対して行った拷問などについては詳しくは語らない事にしたが、「呪具•血肉乃繋」を使って簡単にくたばらないようにして、周りの時間より時間が速く経つアイテムで短い時間で大量の凄惨な拷問を行った事だけは語っておく事にする。ちなみに殺しはせずに、魔法の檻に入れて"無限収納袋"に仕舞っておいた。
そして私は、モニカさんに「ただいま〜」と帰宅して時に何も無かったかのように振る舞い、「なんかあったか?」と言われたが、「ちょっと不審者が侵入しようとしたぐらいです。もう解決しましたので心配は要りませんよ。」と答えた。




