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聖女ってなんだろう  作者: ran.Dee
第4章
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王様の提案

カテキョに一般常識を習ってここのシステムを知った。

王宮、千年宮は広大な敷地に建っているが建造物は複数ある。

建物としての「王宮」は正しくは王城、王国の政治の中心でアチラで言うところの中央省庁がギッシリ詰まったものだ。

他に公的な施設として近衛騎士団本部やその練兵場がある。

ちなみに王族の身辺警護以外に王宮そのものを警備する衛兵は使用人の扱いだ。

この他は王族の私的な施設、いわゆる後宮というやつである。


王族の住まいがある。

王妃宮と王太子宮。側妃がいればその数だけ。

基本的に王女と王太子以外の王子は母親の宮に住むらしいが、ミレイユ王女は負傷で病んでしまったので本人の希望で王宮の端っこの宮に引きこもっていたのだ。

しかし国王は宮を持たない。

夜毎妃のもとに通うのだ。通い婚…光源氏かよ。

で、ジラール国王ディオンは王妃ひとりなので実はマユと同じ宮に住んでいたということがカテキョの話により判明したのだった。


とはいえ今まで王妃宮の中で遭遇したことはない。

宮=宮殿である。相当な広さの建物であるし居室を出ればお付きに先導される。

王妃にしろ王女にしろ不意に行き当たったことはない。

会う場合には先触れして確認の上で。

皆さん好人物なので嫌いじゃないけど普段は用もない。

なので不都合はないのだが、慣れない習慣はむず痒いものである。


ちなみにマユは食事を居室で側仕えたちととることにしていた。

クロエからは平民や使用人の噂話、エドモンからは教会関係の話、オリヴィエ&カミーユからは騎士団や魔獣の話、アナベルからは官僚組織や貴族の裏事情の話が聞ける。

これはこれで結構重要なひとときなのだ。


---


マユは王妃宮の応接室で王様と対面していた。


「夜分遅くに済まない。聖女殿に提案がある。」

「構いません。なんでしょうか?」

「要望された聖女殿の教育については家庭教師により最低限のものを提供出来たと思うが、貴女の知能からすると全然足りていないことだろう。

そこでその先は貴族学院に通うのはどうだろうか?

ミレイユも回復して復学することとなる。

マクシムも在籍しているから学内にあっても不都合はないだろう。」

「まあ、学校ですか!それは是非。

私の異界の記憶は15才で学校に通っていた時のままです。

ここで改めて卒業まで通えると思うと嬉しいです。

ご提案いただきありがとうございます。受けさせていただきます。」

「それは良かった。一緒に通えてミレイユも喜ぶだろう。受けてくれてありがとう。」


年相応に喜ぶ聖女に和む王様であった。


---


「マユ様は異界にて学院に通った記憶をお持ちとか。

その、どのようなものなのでしょうか?」


ミレイユ王女は15才で貴族学院に入学したのは書類上だけで、実際には入学直前の公務で負傷し、そのまま休学扱いになっていた。


「学院といいますか、いろいろな種類のものが複数ありまして学校と総称されていました。

学校はだいたい6才から12才までが小学校、15才までが中学校でこれらは国民全員が通うことになっていました。

私の記憶にあるのはその先の高校、女性のみに限定された女子高というところです。

学院と同様に学問を学ぶところではありますが、年頃の女の子が集まる場所でもあります。

女の子同士、オシャレや恋愛の話で盛り上がったり、親しい友人の悩みを聞いて同情したり憤ったり。

とても楽しいところでした。」

「まあ!なんだかワクワクしてきました。

マユ様と通えることになって嬉しいです。よろしくお願いします。」

「私もミレイユ様と通えて嬉しいです。よろしくお願いします。」


ミレイユは17才になっていたが学院では1年生からになる。

マユは気持ち的には16才、少し前にシラタマちゃんの誕生日を迎えていた。

しかし容姿が変わらないまま2000年を生きるとあっては年齢になんの意味もない。

相手に応じて対応することにしていた。

ミレイユちゃんは妹キャラなので少し姉っぽく振る舞ってやると喜ぶ。

そもそも聖女が父王と対等に話しているところを見ているので逆は無理なのだ。

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