3話 プリティープリンセスの集会
【プリティープリンセスの集い】
モロブロン
サティちゃん相変わらずくわぁはいいな
アラモーナ
モロブロンさんは相変わらず気持ち悪いですね
モロブロン
気持ち悪いとは何事か
私はただいつも通りサティちゃんを愛でているだけだ
心外にもほどがある
ケーキット
アラモーナさんはそれが気持ち悪いと仰っているのですよ
一度ご自分のお顔を鏡で見た方がいいのでは
ハーニット
お二人ともそこまでにしてあげましょう
モロブロンさんの体力はもうゼロですよ
モロブロン
おっここに世にも美しいイケメンがいるではないか
アラモーナ
き、効いていないだと
ケーキット
皮肉が通じないとは……
さすが変態は無敵ですね
ハーニット
ごめんなさい、私が間違っていました
モロブロンさんの体力はまだ満タンでした
エクレーヌ
相変わらず楽しそうだね君達は
三人
先生!
モロブロン
主!
エクレーヌ
よしてくれ皆
私達は姫を愛でる同士ではないか
アラモーナ
先生ぃぃぃいいいい!
ハーニット
なんと人徳なお人
私感服致します
ケーキット
どこかの誰かさんにも見習ってもらいたいですね
モロブロン
そう言ってやるな
ケーキット
あんたのことだよ
モロブロン
なんだと!
エクレーヌ
まあまあ落ちついて
これでは今日の集会が始まらないではないか
モロブロン
主がそう言うのでしたら
エクレーヌ
では皆、そろそろ会議を始めたいと思う
どうぞご唱和ください
エクレーヌ
Yesプリティー
四人
ノータッチ!
エクレーヌ
よろしい
では報告の方を
モロブロン
姫は今日もくぁわいい
エクレーヌ
それはいつものこと
次
アラモーナ
はい!
美味しそうにハムエッグを食べる姫は至高であります!
ケーキット
意義なし
ハーニット
それを文句はあるけど甲斐甲斐しくお代わりを作ってあげるセシル君も萌ポイントは高いと思います!
エクレーヌ
確かに
姫の笑顔を一番引き出せるのはセシル君だ
モロブロン
悔しいけどそうだな
エクレーヌ
ただそれをわかっていないセシル君排除派
それから姫を力づくにものにしようとする強硬派がいることも事実
大半は私達穏健派が占めているがいつ何時何があるかわからない
警戒は怠らないように
ケーキット
先生、意見するようでは申し訳ないですが大丈夫ではないでしょうか?
姫はあの序列第二のオーレリア様の寵愛を受けている子
その姫にちょっかいをかけるというのはオーレリア様に刃を向けると同じことです
エクレーヌ
確かにそうかも知れないが世の中には絶対と言うものはない
モロブロン
寵愛と言えばあのガキも寵愛持ちだったな
庇護や加護でも珍しいというのに最上級の寵愛とは
ハーニット
確かトンヌラという神の寵愛でしたかしら?
ケーキット
相変わらず聞いたこともない神だ
アラモーナ
仕方ないよ、ここにいる神って五つ星以上の神様で先生なんて九つ星なんだから
エクレーヌ
ここにいる時は星の数なんて関係ない
モロブロン
相変わらず主は懐が大きい
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アラモーナ
い、一撃ぃぃぃいいい!
ハーニット
ヴィデオ君は相変わらずの噛ませっぷりですね
ケーキット
ハーニットさんは相変わらず辛辣ですね、自覚はないようですが
ハーニット
?
モロブラン
あの噛ませ忠犬は相変わらずとしてあのちびっ子もなかなかやるぞ
さすがは全中MVPだ
アラモーナ
あれはすごかったね
他の学校を寄せ付けない強さ
あの連覇中だったフォーチュン中学校をも倒しての優勝だもんね
ケーキット
あれは監督が無能と選手達の士気の悪さに敗因がある
モロブロン
同意見だ
腹立たしいことに
アラモーナ
?
エクレーヌ
気に食わない相手は試合に使わず自分のお気に入りだけを使う
采配も全くの的外れで訓練メニューは去年までの使い回し
組織をダメにするタイプの無能だよ
それに同調して一部の生徒以外は傲慢だった
自分達が負けるはずないという悪い自信の持ち方
あれでは勝てという方が難しい
ハーニット
珍しく先生が駄目だしを
そこまで酷かったのですね
エクレーヌ
例年の大会ではそれで問題ではなかったけど去年は無理だね
優勝したあの学校は士気などが高くエースであるあの子を生かすために徹底的に策を取っていた
戦略的にも戦術的にも何枚も上手だったよ、花丸をあげよう
アラモーナ
先生が花丸をあげるなんてとってもすごかったですね!
エクレーヌ
姫も大会に優勝したいと思っているようだけど今年は群雄割拠で難しい
王者フォーチュン高校を筆頭に各校も強者揃い
中には上で戦っているもの達もいる
モロブロン
主、意外と見ているですね
エクレーヌ
若いものの成長を見るのは面白いからね
ただ、望みがないというわけでもない
姫が連れてきた他の二人もまた面白い
ケーキット
確か白の系統の子に死神と呼ばれた少女でしたっけ?
エクレーヌ
そう
それと、姫が連れてきたわけではないがあのバンベルクの試練を受けている子も面白い
モロブロン
バンベルクの試練ってあのバンベルクの試練ですか!
アラモーナ
そんなにすごいことなの?
モロブロン
馬鹿者、バンベルクの試練は神々が与える恩恵の中でも一番厄介なものなんだぞ
ハーニット
聞いたことがあります
その試練を与えられたものは苦痛と挫折を味わい絶望の淵で死に絶えると……
エクレーヌ
本人にはその自覚はないんだけどね
彼はただ自分の試練を乗り越えられる子を捜しているだけなんだよ
そして彼は融通が効かなく妥協を知らないから余計にね……
モロブロン
それよりもあのガキが大会に出場した方が優勝の可能性が上がるというもの
アラモーナ
確かにセシル君強いよね〜姫ほどじゃないけど
前も確か姫を狙ったテロリストを返り討ちにしたんでしたっけ?
ケーキット
そう
本人は一般人と豪語しているけど周りから見ればどこがだよと言いたくなる
けど、だからと言って優勝出来るとは限らない
あそこにはそれと同じことを出来る人間がいる
四王と呼ばれるのがその筆頭だ
アラモーナ
ああ確か上でも十分に活躍しているやそれに匹敵する四人の学生だったよね
学生大会で王のように君臨しているからそういう名前がついたんだよね?
それに裏付けされるように人間達が勝手に決めた全国最強ランキングでそれぞれの部門で100位圏内だったよね?
エクレーヌ
その通り
彼らはすでに学生の域を超えている
モロブロン
学生の域を超えているだけであろう
あのガキはその気になれば––
ハーニット
モロブロンさん
モロブロン
すまぬ、我としたことが少し熱くなりすぎた
アラモーナ
?
ケーキット
モロブロンさんが謝るなんて珍しい
彼には何かあるのですか?
エクレーヌ
そうか、君達はあの事件の後にこの集いに参加したんだったね
申し訳ないがそれは答えることは出来ない
けど、これだけは言える、彼がその気になれば……今の情勢は大きく変わる