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2球目 監督になってくれませんか?

そそくさと家に帰った次の日。つまり時間的には今日だ。

昨日のことはほとんど覚えていない。女の子に会ったことも寝たら忘れていた。


いつも通り会社に出勤して、いつも通り仕事をしていた。

なぜか今日は人が少ないので、面倒事を任されそうな気がしていた。


昼過ぎ。上司が話しかけてきた。


「ミナトくん。心愛高校に行ってネットワークの状態を見てきてくれないか?」


予感が的中しそうだったが、面倒事ではなさそうだった。

なぜなら心愛高校は元々俺が通っていた高校というのが大きい。

今では俺の努めている会社のシステムも使ってくれている。

そういうこともあり、よくメンテナンスなどに駆り出される。


「了解です。メンテナンス終わったらそのまま直帰しますね。」


そのまま帰ることが出来るように荷物を整理して会社を出た。

通っていた高校ということもあり、見知った先生が多い。

仕事が終わったあと先生と飲みに行ったりすることもよくある。


夕方前ということもあり、授業が終わって部活動をしている様子が見える。

テニス部、サッカー部、陸上部などグラウンドを使う部活動の声が聞こえる。


気になったのが野球部が見当たらないことだ。去年までは存在していたはずなのだが。

今日は休みなのだろうか。それにしても平日に休みとは珍しい。


そのままグラウンドを横目に学校内に入り、ネットワークメンテナンスの仕事を終わらせる。

先生と談笑したあと、今日は特に予定も入らなかったため帰宅することにした。


再びグラウンドを横目に学校を後にしようとしたら野球部のグラウンドに人が立っていた。

人影が見えただけなので身長や性別までよくわからなかった。


(今の監督かもしれないし、OBとして挨拶だけするか。また観戦にも行くだろうし)

よく心愛高校の観戦には行っている。あまり強くないのだがやはり出身高校というのは応援のしがいがある。


グラウンドに向けて歩いて行くと徐々に人影が大きくなる。

そして気づいた。


「あ・・・昨日の・・・。」


アオイだった。

アオイはその声を聞いてこちらを振り向いた。


「え?あ!昨日の方です!こんにちは!まさかこんなにすぐ再開するとは思いませんでした!」

「奇跡です!そういえば名前を伺ってなかったのでお聞きしたいです!」

「俺はミナトだが・・」


一気にまくしたてるように質問されたので咄嗟に返してしまった。

まさか、また今度な!と言って逃げた次の日に再開するとは思ってもいなかった。

また嫌な予感しかしない。逃げたい。


「ミナトさんですか!私はアオイです!ところで昨日は・・・。」

「あー昨日はすまなかったな。急な予定があることに気づいてしまってな・・・。」


もう会うことはないだろうと思って適当に言ってしまった。とは言えない。


「いえ、予定が有ったのなら仕方ないです!ところで今日はなぜこちらに?」


仕事の件とか出身校ということをかいつまんで説明した。

聞かれたら応えてしまう。そういう性格なのだろう。


「なるほどです!では昨日の件の続きです」

「え!?」


いきなり昨日の件の続きの話になってしまった。


「私達の野球チームの監督になってくれませんか!?」

「え。お断りします。」


冒頭での話に戻ってきた。


確実にめんどくさいのが見えるのでやりたくない。

俺はめんどくさがりなんだよ。


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