4話 NHT 48結成からのちくわちゃん
なんとかブックマークが二桁に届きました! 読んでくれる方々にお礼を申し上げます。
どうもこんにちは、木です。
異世界転生をしたあの日から色々と驚く事もありましたが、困惑という意味では今回が一番かも知れませんねー。
「れ¥ewQ5ヨ!」 「*む¥ee?」
「☆t3cH、ふ*」 「な¥ム5ttL」
「ケi§2Z!めy」 「m○しv」
謎の言語が周囲に飛び交っています。 ……はい、団体さんの到着です。
いやあ~、びっくりしましたよ。今朝も日課のF P Sを使ったんですけど、遠くの方に集団の反応があるな~、くらいに思ってたら、その集団が真っ直ぐこっちに向かって来たんですから何事かと思いました。
それにしてもこの人達はいったい……と思ってよく見てみると、何日か前に見たあのマッスル第一異世界人さんがいました。
なるほど、この人達はあの人のお仲間ですか。 いらっしゃいませー。
私は前世では無口・無表情・無乳のミステリアスキャラだったので人付き合いはあんまり慣れてませんが、賑やかなのは好きなので来客は歓迎ですよ。
さすがにヒャッハー! 汚物は消毒だぁ! とか言っちゃう人は遠慮したいですが、パッと見た感じ、半裸にモヒカンで火炎放射を背負った人がちゃっかり紛れ込んだりはしてないようで一安心です。
何人か耳が長く尖ってる人も居ましたけどスルーしました。
他人のちょっと変わった身体的特徴をどうこう言うのは良くありませんからね。
あっ、私の貧乳については本人公認なので、どうこう言ってくれてOKですよ?
まあ私の胸の話は置いておいて、この人たち……え~っと……
……仮にNHT48と呼びましょう。 人数も大体それくらいですし。
でもって、そのNHT48の皆さんは、私の10メートル先くらいの場所にきっちりと整列して、その真ん中にいた白いローブを着たお爺さんが、他のメンバーよりも一歩前に出ました。
なるほど、つまり、あのお爺さんがNHT48のセンターですか。
そして突然全員が一斉に、左手を腰の後ろ、握った右手を胸の中心に当てました。
全員、頭も少し下げているので少し変わった敬礼……みたいにも見えますかね?
……あっ! もしかしたら、あのマッスルさんに桃をプレゼントした事へのお礼って事でしょうか?
「なyiF4ヤ! *むeeQ3v8f、ワyc=ケhS2s、dx-5あ○v ノiPtり……」
ど……どうしましょう? お爺さんが、なんかメッチャ喋ってますけど。
木に向かってひたすら喋り続けるお爺さん、ですか……。
第三者から見れば、お爺さんの容態が心配になる光景ですが、皆さん誰も木に話しかけるという行動を見て不思議そうにしないと言うことは…… NHT 48の方々は私が言葉を理解できると思ってますね?
いつから私が言葉を理解してると錯覚していた?
……ごめんなさい、ちょっと言ってみたかっただけです。
でも、何と言うかあれですね…… 私は言葉を理解してないのに、相手は私が理解している事を前提にして一生懸命トークしてるのは申し訳ない気がして来ますね。
しかも、まだ全員があの敬礼っぽいポーズで頭を下げ続けているので申し訳なさが倍率ドン、更に倍。
もういいですってば! 頭を上げてください! と言う気持ちを込めて、枝を振ってみます。
みんなに届け! 私の心のマイハート!!
心を込めて枝をワサワサすると…… 全員がテンションアップしました。 何故!?
な、なんかボルテージが上がりすぎて、場の雰囲気が怖いんですけど!? え~っと、場を和ませるには……。
……やはり一発芸……ですかね?
ですが、今の体では『炭酸水の中でレゲエを歌う千利休』は出来ません。
この体で今すぐ出来る一発芸は……そうです! とりあえず花でも咲かせましょう!
花を咲かせる能力は実を創る能力よりも簡単に使えますし、綺麗な花が咲けば、少しエキサイト気味な今のこの雰囲気も、ほんわかと和むでしょう。
では…… GOです!!
実を創る時は不思議パワーを1ヶ所に集中させましたけど、花を咲かせる時の場合、全身にぼや~っと拡散させて、程々に広がった所で、気合いを…… ソイヤ!!
気合いと共に、ぽぽぽぽん、と咲き誇る色とりどりの花。 ……色とりどり?
あ~、やらかしました。
どんな花がいいか考えているときに、アレでもないコレでもない……と色々イメージしていたせいで、ちゃんと一つのイメージに固まってなかったようです。
その時に思い浮かべた花が全部一斉に咲いちゃいました。
んー、だいぶカオスな感じになりましたが、まあ……豪華ではありますね。
さて、反応は? と周囲を見ると、なんと先頭にいるお爺さんが号泣しています。
これは予想外のリアクションです!? 泣く要素ありましたか!?
何事かと思ってお爺さんの方に意識を向けていると……
「3Aんw*○!」
別の方向から、突如響く少女の声。
こ……今度はなんですか!? 色々と続き過ぎて心が追い付かないんですけど?
小学5~6年生くらいの可愛い女の子が、私にドスンとタックルして来ました。
……今の痛くなかったですか? かなりの勢いでしたけど。
少女はキラキラと瞳を輝かせて、私に何か言いました。
「eC1よ5x、ネ*ほ7g……ちくわ!!」
笑顔でしがみついて来る姿は可愛いんですが……最後に、ちくわっていいました?
私は、ちくわじゃありませんよ。 私は、木です。
ん? それとも、この子の名前がちくわなのでしょうか?
ちくわちゃん(仮)は嬉しそうに私にしがみつきながら、輝く笑顔でぴょんぴょん跳ねていたんですが、マッスルさんに怒鳴られて何処かに連れて行かれて、そのまま退場と相成りました。
え~っと、ちくわちゃん(仮)は何がしたかったんでしょうか?
他の皆さんは私から少し離れた場所にテント……というかゲル? でしたっけ?
あのモンゴルの遊牧民が住むヤツです。 あんな感じの物を建てています。
おや? 皆さんここに住むんですか?
あっ、やっとわかりましたよ。
今までのやり取りは引っ越しの挨拶的なものだったんですね?
木を相手に律儀な人たちですね~、まあ、物事の筋を通す人は好感が持てます。
状況はわかりませんけど、NHT48が近所に引っ越してきました。
会いに行けるアイドルというヤツですね? ……あ、別にアイドルではないですね。
まあ、ご近所さんが増えたのは確かですし、これを機会に言葉を覚えたいですね。 声を出すのは難しいにしても、ヒアリングだけでも出来るようにならなくては。
今の所、聞き取れたのは『ちくわ』だけですからねー。
次回は、またフリージア視点です。 彼女は準主人公と言ってもいいポジションなので、これからも彼女の視点は、わりと多くあります。