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ウッディライフ! ~ この木なんの木? 私です ~  作者: 鷹山 涼
4章ですよ モーリン神殿? いえ、建てなくてもいいですが。
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41話 街のお散歩からの勝ち組リア充

時間ギリギリの完成なので、見直しが甘いです。

ミスがあったらすみません。 後で見直します。

          ↑

チェックしました。 少し修正点があったので、直しました。

まだミスがあったらすみません。

どうもこんにちは、モーリンです。


 兵士さんたちに敬礼されたり、セレブファミリーに…… 特にセレブお嬢さんに、突然好意的に見られるようになったりと、不思議な事が続きましたが、ディアえもんからお願いされた、魔力の浄化は終わりましたし、セレブファミリーとも仲良くなれたので、目的は果たしました。


 皆さんの様子を見る限り、まだ1日か2日くらいはこの街にいるっぽいので、村に帰る前に一度、ちくわちゃんとぺルルちゃんを連れて街を散歩してみたいですねー。

 ほら、お店とかも色々と見たいですし。


 そんな話をぺルルちゃんにもしたんですが、ぺルルちゃんは残念そうな顔をして言いました。


 「ゴメン。 私も一緒に行きたいんだけど、ちょっとディアモン様の所に行かなくちゃいけないの。

 本当は村に帰ってから行くつもりだったけど、あの固めた魔力の件は早めに報告しとかなきゃ」


 そう言えば、あれを見た時のぺルルちゃんは、かなり深刻な感じでしたね。

 もしかして、あの黒い魔力の事は、私の想像するよりヤバい話なんですかね?


 ぺルル・クロイ・マリョク・ゴッツ・ヤバイ?・メッサ・ヤバイ?・ドッチヤネン?


 「……まず、ごっつとめっさのどっちが上なのかが不明だけど…… まあ、ヤバいと言うのは確かかな?」


 いえ、どっちが上という訳ではなくて、ごっつは、こう……『ごっつ!』という感じで、めっさは、もっとホラ、『めっさ!』って感じという、ニュアンスの違いの話なのですか、伝わりませんでしたかー。


 ですが、そのニュアンスの違いを語り合っていても、何も得る物は無さそうなので、今はぺルルちゃんの話を聞きましょう。


 「悪い魔力を固めて玉にする魔法は、妖精の独自の魔法なのよ。

 そして、固めた魔力は、基本的には、妖精界から持ち出さない決まりなの。

 この前、リンに吸収させるために持ってきたやつは特例よ」


 んー、それがこの世界にあったということは……

 妖精さんが、ポケットに入れっぱなしにしたか何かで、間違えて持ってきた物を、うっかり落っことしたという事ですね?


 「妖精の誰かが意図的に持ち出した可能性が高いわ」


 お、おや? 私の仮説、違ってましたか? ……んー、でも、そんな危ない物を、わざと持ち出しますかねー?


 「何かの偶然で起きた事故ならそれでいいのよ。 でも、もし故意で持ち出したのなら、何かが起こるのは今回だけじゃないかも知れない。

 ほら、前のゴーレムの時の事も、その前の休憩所の事もあるし、偶然にしては色々と続き過ぎじゃない?」


 あ、やっぱり色々続き過ぎなんですねー。

 ……正直な話、私がこの世界に転生してから、常に何かが起きてる感じですから、元々こう言うスリリングな世界なのかな~、と思ってたんですけど、どうやらこれが普通というわけでは無かったようですね。



 「それに、前にリンが、妖精の男の子を見たって言ってたでしょ? それも含めて、気になる事が溜まってきたから、一度ディアモン様に相談しておこうかと思ったのよ」


 んー、そう言う用事なら仕方ないですねー。

 では、私とちくわちゃんだけで街を散歩してみましょうか。


 「あっ、リンは、ドレス姿で空を飛ぶのを、街の人達に見られてるはずだから、騒ぎにならないように気をつけて。

 あの高さなら、地上からは顔までは見えてないとは思うけど、一応ね」


 ぎゃーす!! そうでした! 私ってば、コスプレ姿のままで空を飛んでいました! あまり見られると恥ずかしいなー、とか思いながら、私は何で空なんて目立つ場所に行ったんでしょうか!?


 私は、あの時の自分の姿を思い出して、頭を抱えて悶えました。



 「……多分、恥ずかしがってるんだと思うけど、無口、無表情のまま頭を抱えてクネクネしてると、怪しい踊りみたいよ? なんか、魔力が吸われそうなんだけど……。

 あ、それと、あの格好は普通に綺麗だったから、そんなに恥ずかしがらなくても大丈夫よ」


 んー、綺麗……といわれましても、明らかに私よりもずっと美人さんなぺルルちゃんに、お世辞を言われても微妙な気分ですねー。


  まあ、私が気にしすぎないように、という気遣いでしょうから、それは嬉しいですけど。




 夕方を過ぎた頃、ワイルド商人さんはどこかに行きました。

 この街に凄く馴染んでいる様子でしたから、ワイルド商人さんの本拠地は、ここなのかも知れません。

 だとすれば、一度お家に帰ったのかも知れませんねー。



 私とちくわちゃんは、そのままセレブファミリーのお屋敷にお泊まりしました。

 寝室には大きくてゴージャスなベッドが2つありましたが、ちくわちゃんは、当たり前のように私のベッドに潜り込んで来ました。

 うん、そんな気がしてました。 ちくわちゃんは甘えん坊さんですねー。 まあ、そんな所も可愛いんですけど。


 今日は、浄化した分の魔力の残りが体に貯金してあるので、土に埋まらなくても余力がありそうです。 なので私は、ベッドでちくわちゃんと一緒に寝ました。


 そんな私達を見て、ぺルルちゃんは苦笑いをしながら、『仲が良いわね』といった後、キュピーンと光って、転移魔法で消えました。


 もう行くんですか? ディアえもんによろしく言っといて下さいねー。



 次の朝、朝の挨拶に向かうと、セレブファミリーは、紅茶とスコーンを用意していてくれました。


 あっ、イギリスのお菓子の方のスコーンですよ?

 カリッとサクッと美味しい方ではありません。

 私はあっちの方が馴染みがありますが、セレブのティータイムには合わないと思います。



 せっかく用意してくれたので私もいただきます。

  うん。 みんなでティータイムを楽しんでいると、味を感じない私も、なんだか美味しい気がしますねー。



 ティータイムの後、私は自分と窓の外を交互に指差して、街の中をお散歩したいとアピールしました。


 知り合ったばかりのセレブファミリーの皆さんには上手く伝わらなかったようで、少し考えるような仕草をしていましたが、ちくわちゃんは理解してくれたようで、頷きながら何かを言いました。

 その後で、セレブファミリーの皆さんも頷きましたから、多分ちくわちゃんが、私がお散歩したがってる事を説明してくれたんでしょう。


 おや? セレブお嬢さんも外出の準備してますけど、一緒に来るんですか?

 私はOKですよー。 お友達が増えるのは大歓迎です。


 さあ、お散歩に出掛けましょう!



 外を歩くと、なにやら街の人達に注目されている気がします。

 皆さん、昨日の天空のコスプレイヤーが私だと気づいて注目してる訳じゃないですよね?

 ちくわちゃんとセレブお嬢さんが美人さんだから注目してるんですよね?


 私は、いつもより、周りの視線を気にしながら歩いていました。



 しばらく歩き回ると、武器屋さんがあったので、少し覗いてみました。


 おお、やっぱり大きな街だと、武器屋さんの品揃えも豊富ですねー!

 色々なデザインの剣がありますよ! あっ、剣だけではなくて、槍や弓や斧も…… 斧……も? 


 な……何でしょうか? 斧が沢山あるのを見たら、心が不安でモニョモニョして来ちゃいましたよ?

 こ……これは、木の本能として斧が怖いのでしょうか? それとも、以前に一度、若頭さんに斧でヘイヘイホーされた事がトラウマになってるんでしょうか?


 どちらが原因かははっきりしませんが、長居すると精神的に厳しいので、店を出ました。


 うむむ……。 私の、思わぬ弱点が判明しました。 私は、斧で切られる事が怖いです!  ……あ、でも、普通の人間だって、斧で切られる事は怖いですよね?

 んー、じゃあ別に私の弱点というわけでも無いですかね? うん、では特に気にする必要は無いですね。



 その後は、服屋さんや喫茶店にも寄りました。

 服は自分で作れますし、食べ物も食べなくていいので、私自身はどっちも必要ないのですが、色々見て歩くのは楽しいです。

 それに、最初はあまり打ち解けてる感じじゃなかった、ちくわちゃんとセレブお嬢さんが少しずつ仲良くなってる感じが伝わって来て、微笑ましかったです。


 ……ですけど、最初はセレブファミリーとちくわちゃんが親戚かと思ってましたけど、どうやらあまり面識が無い感じなので、違ったんですかねー?


 まあ、どっちにしても、今はこうやって仲良くなったので、親戚でも他人でも同じ事ですね。

 『仲良し』という関係に血の繋がりの有無は関係ありませんから。



 さて、次はどこを見ましょうか。

 私は辺りをぐるりと見渡して気になるものを探します。

 まあ、見渡すといっても、視界だけ動かして見ているので、顔は前に向いているんですけどね。



 すると、見覚えのある2人を見つけました。

 ゴーレムさんが暴れた事件で出会った駆け出し君と槍のお姉さんのコンビです。 2人は、何の施設かわかりませんが、大きい建物のそばにいます。

 うん。 ちょっとご挨拶しましょうか。 ちわーッス、木ですよー。


 近づいて、槍のお姉さんの背中をツンツンすると、『ひゃあ!』って感じの声を出して飛び上がりました。 ご、ごめんなさい、お姉さんは背中が敏感な人でしたか。


 2人は私とちくわちゃんの顔を見て驚いた顔をしましたが、その後は笑顔で対応してくれました。

 そのまま少しお話しを…… まあ、私はノリと雰囲気で首を振ってるだけですが、まあ、お話をしていると、建物の中からワイルド商人さんが出てきました。

 おや? 偶然ですねー……って、なんか機嫌悪くないですか?


 ワイルド商人さんは、私たちに気がつくと、すぐにいつもの雰囲気に戻りましたが、ちくわちゃんとお話ししているうちに、今度はちくわちゃんが機嫌悪くなってきました。


 更にお話ししているうちに、ムスっとしながらも、とりあえず怒りは収まった感じになりましたけど…… 何の話題だったんでしょうか?


 ワイルド商人さんは、槍のお姉さんと駆け出し君にも何かを言うと、槍のお姉さんは、ちくわちゃんの手を取って建物の中に入って行きました。


 駆け出し君とセレブお嬢さんもついて行くようなので、私も一緒に行こうとしたら、なぜかワイルド商人さんに止められました。

 んー、もしかして、木は立ち入り禁止な場所なんですかね?

 ……除草剤の工場とかですかね?


 まあ、ワイルド商人さんとちくわちゃんが、悪意を持って私をのけ者にするとは思わないので、きっと何か理由があるのでしょうね。

 ちくわちゃんの事は気になりますが、何やらワイルド商人さんが、ついて来て欲しそうな雰囲気だったので、素直について行く事にしました。



 私の外見は、10歳位に見えると言われるものな訳で、つまり今の状況は、ワイルドなちょいワルオヤジ系の男性が幼い少女を連れているわけです。

 なので、正直、ちょっと職務質問とかされないかなー、と心配な組み合わせになっていますが、何事もなく目的地らしき場所に着きました。



 おおぅ…… セレブファミリーのお屋敷に負けず劣らず立派なお屋敷ですねー……

 なんか、この街に来てから高そうなお家ばかり見ているので、感覚がおかしくなりそうです。


 ワイルド商人さんは、我が家に帰って来たかのように自然な仕草でお屋敷に入って行きました。 え? 『我が家に帰って来たような』って言うか、もしかしてここって本当にワイルド商人さんの自宅ですか!?


 時々、VIPオーラが出ている感じはありましたけど、ワイルド商人さんって、思った以上にお金持ちだったんですねー。


 ……おや? 奥から、20代後半くらいの、保母さんとかが似合いそうな清楚可愛い系の女性が出てきましたけど…… もしや、奥さんですか?


 ……少し怖い顔ですが、なかなか男前ですし、腕っぷしも強いです。

 その上で、年下で美人な奥さんと一緒に、都会の真ん中に豪邸を建てて住んでいるって、ワイルド商人さんって、完全に勝ち組のリア充ですね~。



 しばらくの間、おもてなしを受けてから、ワイルド商人さんに連れられて街の中央広場っぽい所に行くと、ちくわちゃん、セレブお嬢さん、槍のお姉さん、駆け出し君が揃っていたので、合流して、そのままみんなで街をぶらぶらしました。


 ちくわちゃんが何をしていたのか? とか、気になる事も幾つかありましたけど、今日は賑やかで楽しい1日でしたねー。

次回も2日後投稿です。

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