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ウッディライフ! ~ この木なんの木? 私です ~  作者: 鷹山 涼
3章ですよ 精霊姫って誰ですか?
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27話 ちくわちゃんの名前からの村の見学

すみません、僅かに投稿時間オーバーしての完成です。

最近はなかなか余裕をもって完成させれないですね……。

どうもこんにちは、木です。 そして先日からは、モーリンでもあります。


 小学校時代にモリリンと呼ばれたこともありました。

 そのあだ名も嫌いではありませんが、一生使う名前として背負うならモーリンの方がいいですね。 モリリンでは、ご当地ゆるキャラっぽいですし。


 あるいは、人造人間と結婚した、ボウズ頭の小さい格闘家にも近いですね。


 あ、小さい格闘家と言えば、今、目の前にもいますよ。 ボウズでは無いですが。

 はい。 ちくわちゃんです。 ちくわちゃんは、この前、若頭さんに負けた事が悔しかったのか、その後にマッスルさんに格闘技のコーチをお願いしたようですね。

 朝からトレーニングをしています。 その向上心は素晴らしいと思います。 


 ……ですけど、あんまりマッスルな体にはならないでくださいね? ちくわちゃんは、今のままの方が可愛いですから。


 で、私はと言うと、実は私もトレーニング中です。

 ほら、最近よく倒れてしまって、ぺルルちゃんに、自分の魔力残量を確認しろって怒られちゃいましたから。 方法は…… うん、多分、いつも使ってるF P S (不思議パワーサーチ)の応用でいけると思うんですよねー。


 ほら、あれってフワリの中にポワンがピビンパするような感覚じゃないですか。

 なんで、あまりフワリさせ過ぎないでポワンを、こう、シュイーンって感じにしてみたらどうかな? って思いまして、今、試してるんですよ。 ……あっ、できました。


 今まで自分の反応は見えなかったんですが、今は見えてます。

 ……ですが、当たり前なんですけど、ゲームみたいに数字で見えるわけじゃないので、体感的にどれくらい疲れたら、どんな反応になるのかというのを覚えないといけませんねー。 限界が近いと反応が点滅するとかすればわかりやすいのですが。



 おや? ちくわちゃんのトレーニングも終わったようです。

 ふむふむ、技術的な事を中心に教わっていたようですね。 確かに、この前に見た感じでは、ちくわちゃんって戦い方が意外と大雑把に見えましたから、今まで技術は学んでなかったのかもしれませんね。

 まあ私も戦いは、格闘ゲームくらいしかわかりませんから、ちくわちゃんの技術がどうだとか言えませんけど。


 あ、ちくわちゃんが、ちくわハウスに入って行きました。

 多分、汗をかいたから水を浴びに行ったんでしょうね。 ああ、因みにちくわハウスにお風呂はありませんよ。

 外へ続く排水溝的な物があるだけの小部屋で、自分の魔法で出した水を浴びるのが、ちくわ式バスタイムです。



 前にぺルルちゃんも含めて、外でみんなで水浴びしましたが、なんか最近は外のお客さんがここまで来ることが増えたので、なかなか外で裸になれません。

 あ、違いますよ? 別に外で裸になりたいと言ってるわけではありません。

 単に、みんなで水浴びしたのが楽しかったなーっと言ってるだけですよ?


 それにしても、ここまで来て下さるお客さんには悪い事をしましたかね?

 ほら、私が人間っぽい姿になったじゃないですか。

 観光客的には貧乳少女が切り株に座ってるだけより、ワサワサ動く木の方が、見て楽しいと思いますし。


 まあ、遠路はるばる旅をしてまで貧乳少女を見に来る猛者もいるかもしれませんけど、それは少数でしょう。 というか、そんな猛者が多数いたら嫌です。


 おっと、そんな事を考えているうちに、ちくわちゃんが戻ってきましたね。

 あ、肩にぺルルちゃんが乗ってますね、今日は朝から見当たらないと思ったら、ちくわハウスにいたんですか?

 まあ、それはそれとして、ちくわちゃんは洗い終わるの早いですねー。

 シャワーが早く終わるというのはいいですよね~。


 前世の私は髪の毛が妙に多いうえに、濡れると水草の様に絡まる謎の性質を持っていたので、シャワーに時間がかかったものです。

 更に洗った後に乾くのも遅いし、面倒なので思いきってショートにした事もあったんですが、なんか、凄い速度で伸びて、元の長さに戻っちゃうんですよねー。


 幸い今の姿は、外見は前世のままですが、100%植物由来のオーガニック素材で出来ていて、垢とか皮脂汚れの心配が無いので、あまり洗わなくてもいいのは楽ですね。 濡れても水分を吸ってしまえばすぐ乾きますし、ズボラな私にとってはありがたい体になったものです。


 「モーリン! 4らnP7a#v」


 ちくわちゃんが私に何か呼びかけながら駆け寄ってきます。 名前を呼んで貰えるのは嬉しいものですね、本名ではありませんけど、私も彼女をちくわちゃんと呼んでいますし、あだ名で呼び合うのも友達っぽくて良いものですねー。


 いえ、一応、村の皆さんの会話を聞いて、この子の名前は予測できてるんですよ? 多分、フリージャとかそんな感じの、変身する度に戦闘力が上がりそうな名前ですよね? ただ、発音がハッキリ聞き取れないので確信を持てないんですよ。


 ほら、ネイティブな英語だと、マイケルなのかマイクなのかマイコーなのか聞き取りにくいじゃないですか。 あんな感じです。


 なのでもう、私の中ではちくわちゃんはちくわちゃんって事で固定ですねー。


 「gTsAて$ユ?」


 ちくわちゃんは、私の手を取り、村を指さして、可愛く首を傾げました。

 きっとこれは『村まで行ってみる?』みたいな意味だと思います。

 はい、実は私は未だに村までたどり着いたことがありません。 なので、いい加減に村の中を見て歩きたいと思います。 さあ、出発です!


 私はちくわちゃんと手を繋いで、テクテクと歩き出しました。




 あ~…… なんか良いですね! 村の皆さんの生活が目の前で見られるのは。 

 どうしても今までは見てるだけでしたし、それどころか見えない所もありました。 ですから、こうやって村の中を歩くというのは実に新鮮な気分ですねー!

 村の皆さんも笑顔で私を迎えてくれて嬉しいですよ! ……ですが……


 「*cE6bモーリンガー」     「ル#モrSz2gモーリンガー」

 「ミ5gVj7aモーリンガー」  「モーリンガー! モーリンガー!」


 どっ…… どうしてみんなガーをつけたがるんですか!?


 うぬぬ……訂正したいんですが、喋ったらまたガス欠になるかもしれません。

 今日こそ無事に村の見学を終えたいので、今日は我慢しましょう。


 私は声をかけてくれた皆さんに、両手を羽ばたくようにワサワサと振って挨拶をして、次の場所へと向かいました。 ……今は人の姿なので、普通に手を振ることができるのに、無意識にワサワサ振ってしまいましたね…… ちょっと恥ずかしいです。



 村の中を見て歩くと。 剣の稽古をする数人の男性を見かけました。

 教えてる人はマッスルさんです。 あの人、ついさっきちくわちゃんにコーチしてたのに、またコーチをやってるんですか。 熱血体育教師みたいな人ですねー。

 真っ赤なジャージ姿とか似合いそうです。


 その時、1人の男性が振った木刀が、手からスッポ抜けて、くるくる回りながらこちらへ飛んできました。

 おお…… やっぱりこの体の動体視力は凄いですねー、意識を集中すると、飛んで来る木刀がしっかりと見切れます! 達人になった気分ですねー!


 あっ、今ならあれができるかもしれません。 ほら、漫画とかで、飛んできた武器を中指と人差し指で挟んでキャッチするシーンとかあるじゃないですか、アレ、ちょっとやってみましょう。 失敗して当たっても、この体なら大して痛くないですし。


 私が意識を更に集中すると、木刀はスローモーションのように見えました。

 ……今です!!

 

 私が素早く突き出した指は、木刀の先端にぶつかり、木刀は壊れて飛んで行きました。


 「……ねえ、今、本当は何か別の事を狙ってなかった?」


 ぺルルちゃんが呟きました。


 ぎゃー! 恥ずかしいです! そうでした! どれだけ動体視力が上がっても、手先の器用さは変わってないので、華麗にキャッチなんか出来るわけ無いじゃないですかー! いらない恥をさらしました!


 ちくわちゃんは、木刀を飛ばした男に文句を言いそうな雰囲気でしたが、私としては、恥ずかしいので一刻も早く立ち去りたいです。 私はちくわちゃんの手を引いてその場を離れました。



 次は、村外れの畑に行きました。

 最初の頃より随分と広くなりましたね~、 ん? あそこにいるのは、ワイルド商人さんですね、それに係長さんもいます、何かの商談ですか?

 あ! 畑の野菜を取引してるんですかね? 行ってご挨拶しましょうか。



 私たちが近づくと、ワイルド商人さんとちくわちゃんは一言二言会話を交わしました。 んー、何か微妙に仲良しオーラを感じますね? ……でも、この二人ってそこまで接点ありましたっけ?


 考えていると、ワイルド商人さんが不思議そうな顔で私を見ています。

 ……あっ! 人の姿で会うのは、はじめましてですよね? 私の事がわからないのかも知れません。 ふーむ…… ワサワサしたらわかりますかね?

 私は両手をワサワサと羽ばかせました。


 すると、ワイルド商人さんは私の事がわかったらしく、あっ! とでも言いそうな顔をしてから急いで私に頭を下げました。

 い、いえ、そこまで焦って頭を下げなくてもいいのですが……。 やはり商人にとって、人の顔を忘れるというのは、思わず焦るくらいの失敗扱いなのでしょうかね?

 ……木が人になった事に気づかないのは仕方ないと思いますが。


 すると、ちくわちゃんがワイルド商人さんに何かを言いました、すると申し訳なさそうにするワイルド商人さん。 あれれ? お説教をしてる感じですね~? 

 この2人のパワーバランスって、こんな感じなんですか?


 なんか入り込み難い雰囲気があったので、取り敢えず2人はそのままにして、係長さんの所へ行きました。 ちわーっす。


 係長さんは畑の一画を見て困った顔をしています。 んー、どうしました?

 私がその視線をたどると、その一画の作物だけ育っていませんでした。

 ……おや? そもそもここの土だけ栄養が足りないですね?

 うん、実は最近の私は、土の栄養状態が判断できるようになりました。

 植物としてレベルアップしたんでしょうか?


 このまま作物を枯れさせてしまうのも可哀想なので、私がなんとかしましょう。

 マジカル☆モーリンにお任せ!! キュルン♪


 まず、自分の髪の毛を一掴み、ちぎります。 いきなりハードなスタートに見えますが、私の髪は葉っぱで出来てるので、見た目ほど痛々しい行動ではありませんよ。


 で、それを畑にまぜまぜして、おまじないをします。

 ……チチンプイプイ・ダイジョーV。


 あれぇ!? 単に髪の毛を肥料にしただけで、おまじないはノリでやっただけの適当だったんですけど、なんか微妙に消耗しましたよ?

 もしかして、魔法的なヤツをやっちゃいましたか?

 倒れるような消耗ではありませんけど、念のためにぺルルちゃんに相談ですね。


 ぺルル・コウミエテモ・ツカレマンネン


 「あー、やっぱり今、魔法使ったのね? ……見た感じ大した消耗はしてなさそうだけど、でも、最近倒れてばっかりだし、余裕のあるうちに休みましょうか」



 この日はここまでにして、私は切り株に帰ることにしました。

 3度目にして、やっと倒れずに村の見学ができましたねー。 まだ全員にご挨拶はしてませんけど、次の機会はいくらでもあるでしょうし、焦る必要はありませんね。


 このあと、いつもの場所に戻ったあとで調べてみると、今日の私の消耗は、そこまで大したものでは無かったようです。


 んー、何をしたらどれだけ消耗するのかがイマイチわかりませんね?

 今度、一通り能力を使って、消耗具合を比べてみましょうか。

 もちろん、倒れても良いように、ちくわちゃんとぺルルちゃんがいる時ですけどね。

明日は余裕をもって完成させたいものですね~。

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