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ウッディライフ! ~ この木なんの木? 私です ~  作者: 鷹山 涼
3章ですよ 精霊姫って誰ですか?
31/151

18話 楽しい女子会からの不穏な気配 後編

ブックマークが50に到達しました、読んでくれる皆さんにお礼申し上げます。


今回はいつもより少し長くなりました。

どうもこんにちは、木です。


 ワイバーンの落とし物が直撃した私をぺルルちゃんが、ホースの水みたいな魔法で洗ってくれてます。

 うう、どうもお手数おかけしまーす。



 「はい、綺麗になったわよ。 まったく、妖精の魔法で体を洗うなんて贅沢な話よ」


 ぺルル・アリガト・ヨゴレ・スッキリ・チクワ・ニッコリ


 「まあ、あの子は貴方が汚れようがどうしようが嫌ったりしないでしょうけどね。 あの子は貴方の事になると目の色が変わるものね、何か変な物でも食べ……て……   あっ、もしかして?」


 ぺルルちゃんが、徐々に真顔になっていきます。 えっと、なにかありました?


 「心が魔力の影響を受ける事は珍しくないわ。 で、あの子の中の魔力の七割くらいは貴方の実を食べて得たもの。 ……もしかして、それで過剰に貴方の存在を求めるようになった? ……あり得るかも」


 え!? 私、またちくわちゃんに何かしちゃってましたか!? まっ、まだ取り返しはつきますか!?


 ワタシ・チクワ・ワルイ・エイキョウ?・カイケツ・カノウ?


 「あ! ご、ごめん。 貴方が悪いわけじゃないのよ? 魔力の影響を受けただけでは本質は変わらないわ。 あの子は元々貴方の事が大好きで、それが少し極端になっただけよ。 ……問題はその、変わらない本質の部分がヤバいって事かしら」


 ワタシ・チクワ・オワビ・フヨウ?


 「バカ。 好きになってくれてごめんなさい、なんて言ったらあの子が悲しむわよ? あの子の事を思うなら、変に罪の意識なんて持たずに一緒に楽しく過ごしてあげればそれでいいわよ。

 帰って来たら構ってあげなさい。 ……心配しなくても無事に戻るわよ。 ワイバーン程度に負ける子じゃないわ」



 そう……ですね、帰って来たら蔦を伸ばしてブランコでも作ってあげましょう!

 うんうん、ちくわちゃんはワイバーンなんかに負けは…… って、

 はいぃ!? 何でちくわちゃんが戦う話になってるんですか!?


 チクワ・タタカウ・ナンデヤネン!?・アブナイ・ダメ・ゼッタイ!


 「えぇ!? 今さらその反応!? ……むしろ、あの子が戦いに行った事に気づいてなかった事に対して、ナンデヤネンって言いたいわよ!?」




ーーーーー ムスカリ視点



 「ふぅんっ!!」


 ローズを狙って降り下ろされたワイバーンの爪を剣で横から弾き、爪を切り飛ばす。

 更に切り上げて喉元を狙うが、これは浅かったか、皮膚を斬っただけだ。 


 ワイバーンは一度距離を取ろうとしたのか、高く飛び上がったが……


 「光子の奔流(フォトン・トレント)!」


 そこにローズの放つ魔法が命中し、飛び始めていたワイバーンを地面に打ち落とす。 よし、絶好の機会だ! 俺は魔力で全身の筋肉を強化して飛びかかる。

 ……だが。


 「グガアァァァッ!!」


 横からワイバーンがもう一匹現れ、飛びかかってきた。


 「むっ!?」


 不意を突かれて側面から攻撃を受けた俺は、とっさに剣で防いで無傷ではあったものの、一匹目を仕留めるタイミングを逃してしまった。

 地に伏していた一匹目が立ち上がり、飛び上がろうと翼を広げた。


 だが、そこで突然、回転しながら飛んできた(なた)がワイバーンの翼の付け根に直撃して食い込み、ワイバーンは絶叫をあげながら再び地面に転がった。


 「そっちはいいや、兄さんにあげるから適当にとどめをさしておいて」


 そこに居たのは…… フリージア!?

 緊急時だからこそ、精霊様から離れないと思っていたのだが……。


 「 ? とどめ、ささないの?」


 「あ、ああ」


 確かに呆けている場合では無いな。 俺は剣でワイバーンの首を叩き斬った。

 だが、まだもう一匹いる。 フリージアだけに任せる訳には……。


 「我が手に宿るは強き風。吹き(すさ)ぶ者にして自由なる者。(さえぎ)るものあらば撃ち抜きてなお強く吹け! 『強風纏いし圧入杭(パイル・オブ・ゲイル)』!」


 「む!? 駄目だ、フリージア! 魔術師が接近戦で詠唱などするな! 威力を下げてでも手数を増やせ!」


 呪文の詠唱を始めるフリージアにワイバーンは正面から突っ込んで行く。

 強力な魔法は、その分自爆のダメージが怖いから近づかれると使い難いはずだ。

 クソッ! こいつ、魔術師が嫌がる戦い方を知っている!


 フリージアは、避ける仕草も見せない。 正面から迎え撃つ気か!?


「大丈夫。この魔法は近距離用だから」


 フリージアが魔力の込められた左の拳を撃ち抜くと、パンっ! という袋が破裂するような音が響き、ワイバーンの右肩を中心とした辺りが…… 消えて無くなった!?

 なんだあの威力は!?


 野生の本能のなせる業か、体の2割ほどを失ったワイバーンは、それでもフリージアの頭に食いつこうと、口を開けるが、フリージアに動揺は見られない。


 「今、使ったのは左手に込めた魔力だけ。 私にはまだ、右手があるよ?」


 そう言って右の拳を振り抜くと、今度はワイバーンの頭が無くなった。

 まさか、二発で終わらせてしまうとは……。

 ……いつの間にここまで強くなった? これが精霊様の加護なのか?



 そこに複数の足音が駆け寄って来るのが聞こえた。


 「おい! この村にワイバーンが……!  ……チィッ! もう片付けてやがったか……」


 そこに居たのは先日の冒険者チームだった。 先頭にいた男は、ワイバーンの死体を見ながら苦い顔をしている。 ……確か名前は……。


 「ロドルフォだったな、救援に駆けつけてくれたなら感謝はするが、見ての通りワイバーンなら倒したところだ」


 「……そうみてえだな。 戦士1人じゃあ苦戦すると思って、わざわざ救援に来てやったんだが……」


 ロドルフォは一度そこで言葉を止め、ローズとフリージアを見てから言葉を続けた。


 「そっちの色っぽい姉さんは魔術師か? あっちの返り血で真っ赤な嬢ちゃんは何者かわかんねえが……。

 こんな田舎の小さい村に、高ランク冒険者並みの戦力が3人も揃ってるとは予想外だったな。

 ……儲け損ねたか、本当なら素材だけでも……って! おい嬢ちゃん!? やめろ!!」


 ロドルフォの焦った声を聞き、何事かと振り向くと、フリージアがワイバーンの死体に更に魔法を撃ち込んでいるのが見えた。 なぜ、そこまで執拗に攻撃を!?

 それを見たロドルフォも、その仲間たちも困惑してザワザワ言っている。


 「おいおい……。 元々売るには酷い状態だったが、それでもまだ素材になる部分が残ってたのに、勿体ねえなぁ。

 ん? 今度は鉈まで持って来やがった!? うおぅ、ヒデエ……何もそこまで……。

 おい、ムスカリ! この嬢ちゃんは何なんだ!? なんかヤベエぞ!? 魔法が使える珍しい狂戦士(バーサーカー)とか、そういうヤツか!?」


 フリージアが何者か? ふむ……俺の妹だ。 とか、そういう答えを聞きたい訳ではないだろう。 つまり、役職や立場ということか?


 「この娘は、この村の巫女だ。 この村が(まつ)る、優しく聡明な精霊様に最も近い位置にいる者と言えるな」


 「ウソつけ! 優しく聡明な存在に一番近いヤツが、こんな狂戦士(バーサーカー)に仕上がる訳ねえだろが! この村は破壊神でも祀ってんのか!?」


 一瞬フリージアの後ろ姿がピクリと反応したのが見えた。 まずい!!


 「フリージア! この男に精霊様を知らないだけだ! 侮辱する意図は無いはずだ!

 この男には俺がしっかり精霊様の素晴らしさを伝えておくから見逃せ!」


 「……うん。 わかった。 でも次は無いよ?」


 そう言って再びワイバーンの粉砕作業に戻るフリージア。 ……うむ。 何となくわかった。 お前がそこまですると言う事は、そいつは精霊様に何かしたんだな?



「ふぅ…… お前たち、この村で精霊様を悪く言うなら殴られる覚悟はしておけ。

 特にフリージアの側では絶対言うな。 言えば、そうだな…… 恐らくあのワイバーンは精霊様に何かしたのだろう…… その結果があれだと言えばわかるな?」


 「……なるほど、覚えとくぜ。 ところで、そっちの形が残ってる方のワイバーンの素材だが、田舎の村に来る行商人程度じゃあ扱えねえだろ? 少し手数料を貰えれば、俺が街の商人に仲介してやるぜ?」


 そう提案してくるロドルフォ。 ん? だが、アウグストなら買ってくれると思うが……。


 「そう言うものなのか? だが、商人ギルドのアウグストは、違法の物でなければ、大抵の物は取引すると言っていた。

 今までの付き合いもあるから、その素材は、まず彼に見せようと思ったんだが」


 そう言うとロドルフォの顔色が変わる。 後ろの男たちも驚いている様子だ。


 「商人ギルドのアウグストとは、また大物の名前が出てきたな。

 お前らみたいな戦力が揃ってて、アウグストほどの大商人とも付き合いがあるってか? 本当にこの村は何なんだよ?」


 「うむ、全ては精霊様の導きだ。 我々の今の生活は、精霊様あってこその物だ」


 「精霊様ねえ? 別にお前らの信仰を否定する気はねえが、オレはそう言う存在のハッキリしねえもんは、どうも信じられねえなあ」


「ん? ……ああ、確かに一般的な精霊様のイメージはそんな感じだな。

 だが、この村の精霊様はしっかり存在しているぞ? この前も村の子供たちに果物を配ったり、高い高いをするように持ち上げて遊んでいた」


 「なんだよその近所のオバちゃんみてえな精霊は!? そのくせ仕えてる巫女は血まみれの狂戦士(バーサーカー)ってか? 意味わかんねえ、一度見てみてえな……」


 見てみたいか…… ふむ。


 「ならば、お会いするか? この村は精霊様への客は制限していない。

 ……無論、妙な真似をすれば全力で叩き出すがな」





ーーーーー木(主人公)視点 




 ああ、ちくわちゃんは無事でしょうか?

 F P S(不思議パワーサーチ)で調べてみたら、ワイバーンらしき反応が消えたので戦いは終わったはずですよね?

 ちくわちゃんの反応があることに一安心ですけど、無傷だと言う保証はありません。

 ちくわちゃん専用に、怪我の治る実を作り置きしときましょうか? 念のため少し余裕を持って東京ドーム4杯分くらい。

 あ、でもそれが原因でトラブルが起きてちくわちゃんやぺルルちゃんが危険になったら本末転倒ですし……。


 うむむ、心配で心がソワソワ、体がワサワサします!


 ワサワサ  ワサワサ  ワッサワサ


 「ちょっと! そんなに枝を振られると私が座って居られないじゃない! もう、少しは落ち着いて…… ひぃっ!?」


 おや? ぺルルちゃんが、ホラー映画で被害者になる5秒前みたいな様子です。 どうしたんでしょうか?

 ぺルルちゃんの視線をたどると……

 そこには血まみれのちくわちゃんが立っていました。


 ぎいぃぃ~やあぁ~!? ちくわちゃんが大怪我を!?

 おっ……お医者さんはどこですか!? 腕のいい人をお願いします!


 つぎはぎだらけのクールな無免許医か、筋肉ムキムキでマント姿のスーパードクターか、離島で診療所を開業しているニコニコした先生くらいの名医をお願いします!


 いえ! 1人では足りません! 全部足したくらいの超腕利きを呼んでください!


 つぎはぎだらけで筋肉ムキムキな体にマントを着てクールにニコニコした離島で開業しているスーパー無免許医を呼んでくださいって言おうとしたけど、想像したら怖いです! やっぱり普通の先生をお願いします!

 あ、そもそも私が実を創ればいいんでした、待っててください、今、ムキムキでニコニコした果物を創ります! って違います! 何か混ざりました!?


 「何を考えているか知らないけど、貴方が動揺してる事だけは伝わってきたわ。

 あれは全部返り血よ、あの子は無傷だから安心しなさい。 ……私は単純に、血まみれで鉈を持ってる姿が怖かったけど」


 え? 無傷? ふうぅ~、 ちくわちゃんが無事で良かったですー。 あ、でも血まみれなのは洗ってあげた方いいですね。 人任せは気が引けますが、ぺルルちゃんにお願いしましょうか。


 ぺルル・チクワ・センタク・オドロキノ・シロサ・OK?


 「貴方……本当にこの子の事しか見えてないのね? ほら、向こうに知らない男がたくさんいるわよ? 人前で女の子の服を脱がせる訳にはいかないでしょ?」


 おや? ほんとうです! 気がつかないとは失礼しました。

 1人はマッスルさんですよね。 えーと、他の方たちは……おお! いかにもファンタジーな服装をした方たちですね! 行商人さんの護衛で来る人と似た雰囲気です。

 いわゆる冒険者というやつでしょうか? こにゃにゃちわー!


 私がワサワサと枝を振って挨拶すると、先頭にいた『若頭』という感じの方が一瞬驚いたような様子を見せたあと、一度苦笑いをして、そのあとくるっと後ろを振り返って立ち去りました。おや? もうお帰りですか? 忙しいのでしょうか?

 若頭に続いて他のお仲間たちも帰って行き、最後にマッスルさんが、ちくわちゃんと少しお話したあとに帰りました。


 今度は時間のある時に遊びに来て下さいねー。

 ワサワサと枝を振ってお別れします。


 念のためF P S (不思議パワーサーチ)で皆さんが帰ったことを確認します。

 ふむふむ、周囲に反応無しです。 誰もいませんね?


 ぺルル・マワリ・ヒトカゲ・ナシッシング・チクワ・センタク・OK?


 「わかったわ、私も隣にいる子がいつまでも血まみれなのは嫌だし、全力で洗ってあげるわ」


 ぺルルちゃんも乗り気ですね。 では、私も協力しましょう。

 ピングイーノ……ピングイーノ……と呟いてパスタをイメージして枝を(つる)に……おっと、今日は(つた)になりました。 ちなみにピングイーノはペンギンの事です、今の状況と無関係ですが、とっさに頭に浮かんだイタリア語がそれだけでした。


 では……GOです!


 私は蔦でちくわちゃんの服を脱がせます。

 ちくわちゃんは驚いて目をパチパチしたあと、恥ずかしそうにしていましたが嫌がりはしませんでした。

 うーん、恥ずかしそうにしている美少女の服を脱がせていると、少しイケナイ気持ちになりそうですが、大丈夫、私にそっちの趣味は少ししかありません。


 しかし、ちくわちゃんの裸を見ていると、何か懐かしい気分になりますね~。

 ……あ、成る程、前世の自分とほぼ同じシルエットだからですね。

 前世の私のスリーサイズは、B・W・Hの数値に10くらいしか差がない非常に安定した数値でした。

 ちくわちゃんもそんな感じですし、身長を無視して比率だけを見ればぺルルちゃんが一番ナイスバディですね。 まあ村の皆さんを含めればセクシーさんが一番です。

 ……方向性が違ってもいいなら、マッスルさんもナイスバディですけど。



 ちくわちゃんも魔法で水を出せるようなので、結局その後はぺルルちゃんも裸になって、みんなで仲良く水遊びになりました。

 まあ、私もいつも全裸で仁王立ちしていますので、全員での裸の付き合いと言うやつですねー。

 水のかけ合いが羨ましかったので、私も樹液を大量放出してぺルルちゃんにかけたらスッゴい嫌な顔をされたので止めました。  しょんぼり。


 それからしばらく3人でキャッキャウフフとスキンシップして、楽しい時間を過ごしました。

 ワイバーン騒動で色々ありましたが、終わり良ければ全て良し。

 今日も素敵な1日でしたね。






ーーーーーーそれから数日後 ある街の冒険者ギルドにて




 ギルド施設内の壁に貼られた依頼のリストを眺めていた目付きの悪い男は、溜め息とともに呟いた。


「はぁ、雑用みてえな仕事ばっかりじゃねえか。 こんなもんばかり受けても、拠点の維持費にも足りねえ…… どうやって食い繋ぐかねぇ」


 男の名はロドルフォ。 魔喰いの(あぎと)という冒険者チームのリーダーだ。


 ロドルフォは焦っていた。

 先日の遠征は失敗、いや、持ち帰ったワイバーンの卵や、その他の魔物の素材を合わせれば黒字ではあるが、拠点を空けていた日数や移動の労力から見れば、骨折り損のくたびれ儲けといった所だ。


 魔喰いの顎は、メインの戦闘メンバーと予備メンバー、さらに見習いまで合わせれば40人近い大所帯で、当然、拠点の維持費と生活費でもかなりの出費だ。 自然とリーダーであるロドルフォは、金のやりくりに頭を悩ませる時間が多くなる。


 「やべえな、うちのメンバーはゴロツキ出身が殆どだ、お上品な仕事は出来そうにねぇ…… 下手に手を出してミスったら違約金がキツいしなぁ」


 そこへ頭の禿げ上がった小男が駆け寄った。


 「リーダー! リーダー! いい依頼があったぜ! すげえ報酬額だ! ……そしてなにより、俺らに心当たりがある仕事だぜ?」


 「ブルーノか、てめえが張り切ると面倒が起こるんだよなぁ……。 まあ、儲け話を見つける目は確かなんだが……」


 ロドルフォはそう言いながらブルーノが持ってきた紙を見て……机に突っ伏した。


 「てめえ……これをやるってのがどういう事かわかってんのか? ダメだダメだ、返してこい」


 それを聞いたブルーノは、目に見えて動揺し、あー、うー、と意味の無い言葉をモゴモゴ言い始めた。


 「ブルーノ……てめえ、まさかもう受注したのか? おい! 何時(いつ)だ!?」


 「お……一昨日(おとつい)の夜……かな?」


 「手遅れじゃねぇかよ…… 今さら断っても違約金を取られるな…… くそっ! やるしかねえか」


 ロドルフォは苦い顔でもう一度、紙を眺めて呟く。


 「もしかしたら何時かは…… とは思ってたが…… まさかこんなに早く敵になるとは思ってなかったぜ…… だが、オレにも部下を食わせる義務があるんだ、恨むなよ?」


 机に置かれた紙に書かれていた依頼は……


 『高ランクの樹木系モンスターの素材の納品  素材の魔力量により追加報酬あり。

 なお、任務遂行の障害になった場合のみ、冒険者ギルドは人間との戦闘行為を一部容認するものとする』


 というものであった。

ちくわちゃんが使ったパイル・オブ・ゲイルは、主人公がちくわちゃんパンチ、略してちくわパンと名付けたものと同じ魔法です。 当然、込めた魔力は全然違いますが、以前ぺルルに撃ったものと基本は同じです。

ぺルル…… 当たらなくてよかったね。


冒険者ギルドでは、精霊もモンスターとして扱っています。

ただ、暗黙の了解として、積極的に討伐はしていません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 流石にこれはロドルフォさんがかわいそう。 ブルーノくんさぁ……。
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