後日談 12話 デトックスからの忍者とエスパー
うっ……うぐぐぐぐっ……
ど、どうもこんにちは、デビ~ルモーリンです。
なぜだかわかりませんが、私の悪の力の源である剣が突然壊れてしまって、今まさに悪の心が消えて行っている最中です。
あ~……全身から悪いモノが抜けて行きますねー、これが噂に聞いたデトックスというやつでしょうか?
私がデビ~ルでいられるのは、恐らくあと少しでしょう。……やはり悪は滅びるのが世界のルールだということなのでしょうか?
……ですが、人間たちよ! 覚えておいてください! 私が滅びても、また第2第3のデビ~ルモーリンが現れるということを!
この世には怒り、悲しみ、憎しみが渦巻いています。
例えばカップラーメンにお湯を入れていた事を30分ほど後に思い出した時……
あるいは持っていた割引券の期限が過ぎている事に、支払いの途中で気づいた時……
または普通のコーラとゼロコーラを間違えて買ってしまった時……
そしてゲームのガチャでお目当てのレアカードを手に入れたのに、直後に来たアップデートでそのカードが弱体化された時……
そんな怒りが、悲しみが、そして絶望が世界にある限り、デビ~ルモーリンは永遠に不滅なのですよー!
フハハハハハハハァー…… ぐふっ……。
……ハッ!? 今、目が覚めましたよ!
わ……私はなんと言う事をしてしまったのでしょう……。
デビ~ルの意識が消えて正気を取り戻した今も、自分が何をしていたのかを鮮明に覚えています。
まさに悪魔としか言いようのない悪行の数々……! 今思い出しても自分が恐ろしいです。
まさか私の中にあんな恐ろしい感情が眠っていたなんて、ショックですねー。 うぬぬ……頭の中が自己嫌悪でいっぱいですよ……。
今ここに刑事さんか教会のシスターさんがいればすぐにでも罪を懺悔したい気持ちですが、ここには刑事さんも教会のシスターさんもいません。
ちくわちゃんはいますけど言葉が通じないので懺悔もできません。
それにちくわちゃんはもうベッドでスヤスヤと寝ているので、起こしちゃったら可哀想ですよね。
ああ……どこかに私と会話ができて、懺悔を聞いてくれるような頼りがいのある優しい人はいないものでしょうか……。
「リン、ただいまー! 戻ったわよ!」
そんな元気な声と共に窓からピョコンと顔を覗かせたのは、見慣れた可愛い妖精さん。
呼ばれて飛び出てぺルルちゃん! ナイスタイミングです! 私の懺悔を聞いてください~!
私は蔦をぺルルちゃんに向けて、うにょにょーん! っと勢いよく伸ばしました。
「きゃっ……怖っ!? なになになに!? 魔物化した食虫植物みたいな動きをしないでよ!」
あっ、驚かせてしまってごめんなさい。
魔物化した食虫植物のものまねをしたつもりは無かったんですけど、ちょっと勢いがありすぎたようです。
「まったく……捕食されるかと思ったわよ。……で? なに? そんなに慌てて何かあったの?」
ちょっと文句を言いたそうな顔をしていたぺルルちゃんでしたが、私が焦っているのを見て何か察するものがあったのか、すぐに話を聞いてくれました。
私はそんなぺルルちゃんに甘えて、自分の罪の懺悔を始めました。
ぺルル・ワタシ・ヤラカシタ! バカ・イッパイ・ヤラカシタ!
「え? リンがバカをいっぱいやらかしたって……どれの事? 心当たりがありすぎてどれの話か分からないんだけど……?」
ぺルルちゃんは真顔で首を傾げました。 うむむむ……真顔で言われるとリアルな感じですねー……。
言われてみれば確かに言い返せないような気もしますが、違うんです。そういうバラエティー的なバカではなくて、呪いにかかって犯罪行為をしてしまったという意味なんです。
バラエティー・チャウネン・ノロイ・デ・デビ~ル・バリバリ・デビ~ル。
「呪い? えっ、ちょっ……アンタもしかして本当に呪いの影響受けてたの!? 今はもう平気なのよね!?
……気がつかずにそばを離れちゃってゴメン! でもほら、リンって普段から行動がおかしいから正気か正気じゃないかがよく分からなかったのよ」
ぺルルちゃんは心配そうに私の顔を覗き込みながら、そう言いました。
とりあえず私が呪われていたという事は伝わったようですが……んー、後半は心配してくれているというよりディスられている気がしますねー。
あの~……ぺルルちゃん? それは私が普段から正気を疑うレベルでおかしいということでしょうか?
い、いえ、まあそれについても気になると言えば非常に気になるんですが、今はまず私の罪の告白を聞いてもらいましょう。
私はぺルルちゃんに、先ほどまでの私がどんなに極悪非道な事をやってしまったかを最初から順番に伝えました。
「あ~……」
私の罪を聞いたぺルルちゃんは、なにやら笑いと呆れをミックスしてから仕上げにオリーブオイルをかけてバジルを添えたような表情を浮かべました。
んー……私がこんなにも悪い事をしてしまったというのに、怒るでも悲しむでもない不可解なリアクションですねー?
「え~っと……リンがやった悪事(?)をまとめると、まずはピンポンダッシュ(失敗)…… 仕事道具を隠す(失敗)……友達にスカートめくり(本人は嫌がっていない)……男性にスカートめくり(ターゲット見つからず中止)……食事に葉っぱを混入(無害・むしろ元気になる効果)……ってところかしら?」
その通りです。 ううっ……こうやってぺルルちゃんの口から改めて自分の罪状を聞くと、更に罪悪感が膨れ上がりますね~……。
ぺルル・ワタシ・ツミ・ツグナウ・ドナイスレバ・エエネン?
「いや、どれもせいぜい小学校低学年の男子のイタズラみたいなものじゃないの。罪っていうか、むしろホッコリと微笑ましい感じがするわ。
多分気にしなくても、やられた側の人も怒ってないと思うわよ?」
ほ、本当ですか? 皆さん本当に怒ってないですか? 全裸で土下座とかしなくても大丈夫ですか?
「呪いには色んなタイプがあるんだけどさ、妖精界の書庫にあった文献によると、悪意を増幅させるタイプの呪いは、持ち主や周りの人の負の感情が大きいほど力を増す代わりに、逆に負の感情が少なければどんどん弱っていくのよ。
リンが持っていた呪いの剣が勝手に消滅したってことは、それだけ貴方自身やその周りに負の感情が少なかったってことよ。
それがリンが周りから悪く思われていないという事の証明になるんじゃないかしら?」
ぺルルちゃんが言うならそうなのでしょうか……本当に皆さんは私を嫌わないでいてくれているのですか?
うう……私が悪の道に堕ちてしまっても見捨てないでいてくれるなんて、やっぱり皆さんはいい人たちばかりですねー。
「普通なら、悪意が増幅されている状態で行動していたら大抵はどこかで騒動でも起こして負の感情を生み出すことに繋がるわ。
そしてその負の感情を取り込んで力を増した呪いが、より大きな不幸を周囲にもたらす。……それがこの手の呪いの恐ろしさなんだけど……
まあリンみたいに、悪意が増幅されても子供のイタズラくらいしか思い付かないようなお気楽な存在にとり憑いたのがあの呪いの剣の運の尽きだったってことでしょうね。
リンがやるイタズラ程度じゃあ呪いの力を維持できるだけの量の負の感情なんて生まれようもないもの」
私のイタズラ程度では足りない……ですと?
むむむ……あの時の私はかなりのデビ~ルっぷりだったと思うのですが、それでも悪の力が足りないなんて、あの剣は燃費が悪すぎでは?
この世界は私なんかよりずっといい人ばかりですから、この私にすらとり憑いていられないというなら、もう他にとり憑ける相手なんていないのではないでしょうか?
「まあ、リンが本当に呪いの影響を受けていたのは予想外だったけど、なんにせよ大したことにならなくて良かったわ。
問題の剣も消滅したみたいだし、念のため妖精界から呪いを解くための道具も持ってきていたんだけど、これもいらなかったかしらね」
そう言いながらぺルルちゃんは手に持った紙のような物を、うちわであおぐような動きで上下にペラペラと振りました。
ノートに挟む下敷きくらいのサイズに見えますけど、ぺルルちゃんや今の私の体がちっちゃいという事を考えると実際にはトランプ1枚くらいのサイズくらいでしょうか? いえ、もう少し小さいですかね? んー、まあだいたいそれくらいです。
ぺルルちゃんは、一瞬だけ何か考えたような顔をしたあと、その紙にひもを通して私の体にくくりつけてぶら下げました。
観葉植物モードの私が紙をぶら下げていると、なんだかちょっとだけ七夕の短冊っぽいですねー。
あるいは値札にも見えるかも知れません。 ……在庫処分・半額! とか書いてあったらちょっとショックですねー。
「このまま無駄にしちゃうのも勿体ないし、せっかくだから着けておきなさい。解呪の効果だけじゃなくてお守りとしての効果もあるから。……リンって危なっかしいし、持ってたほうが安心だわ」
心配してくれてありがとうございます。お守りはありがたくいただきます。
……ですが、やっぱり私って危なっかしいと思われちゃってますかー……
自分ではそろそろしっかり者のお姉さんキャラに路線変更してみたいと思っていたのですが、なかなか上手くいかないものですねー。
「これでよし、っと。……どう? 違和感とかは無い? マジックアイテムは持ち主の魔力と相性が悪いと機能しないこともあるから、試しに着けたまま魔力を大きくしたりして確かめてみて。それで変な感じがしなければOKよ」
ふむふむ、このまま魔力を大きくですか。んー、意識して魔力を操作するのはあんまり自信ないんですけど、ちょっとやってみましょうか。
魔力を大きく……魔力を大きく……え~っと……多分、ゴゴゴゴッ! ってやってから、グッ! からのブワッ! って感じにやればいいですよね?
では……GOです。
ゴゴゴゴッ! そして、グッ! からの~、ブワッ! ……おおっ、上手くいきましたよ!
んー、違和感どころかいつもより魔力が高まっている気がしますねー、このお守りの力でしょうか? 流石はぺルルちゃんが持ってきてくれた素敵アイテムですねー!
ぺルル・ワタシ・ムッキムキ! オマモリ・コウカ・バツグン!
「えっ? それはあくまでも呪いを解いたり防いだりするだけのもので、魔力を増幅させるような効果は無いはずよ?
あれ? だけど確かに今朝までと比べて魔力が大きくなってるっぽいわね? うーん……どうしてかしら?」
ぺルルちゃんは不思議そうに首を傾げています。
おや? このお守りの効果では無いんですか? んー……それではなんでこんなに調子がいいんでしょうかねー?
昨日までの魔力と比べると……そうですね、分かりやすく例えると、普通のカップ焼きそばから大盛りカップ焼きそばになって、更にマヨネーズもついてきたくらいの差があると思うんですけど、お守りの効果じゃないというならこの差はどこから出てきたんでしょうかねー?
「ねえ、ちょっと思ったんだけど、もしかして単純にリン自身が以前の力を取り戻し始めてるってことじゃないの?」
なんと! 私が力を取り戻しているですと? ふむふむ、その可能性は考えていませんでしたねー。
んー……そうだったら嬉しいのですが、確か私が力を取り戻すには、もう少し皆さんの信仰心を集める必要があるとかいう話じゃありませんでした?
ですが信仰してもらえるようなことをした記憶はありませんから、なにか他の理由で魔力が復活したということでしょうか?
「うーん……呪いを受けた時にリンが無意識に呪いに抵抗しようとしたことで魔力が高まった……とかの理由もあり得なくはないけど……でも、なんとなくだけど、今回は周りの信仰が力になったパターンっぽい気がするのよね。
ねえ、リン。なんかこの数時間で他人から信仰とか感謝とかされるような出来事は無かった?」
信仰や感謝されるような出来事ですか?
うむむむ……今日の私はデビ~ルとして悪の限りを尽くしていましたから、皆さんの信仰が強まるようなことは無かったと思いますよ?
むしろ嫌われていないか心配で、胃がキリキリするくらいですよ。 私に胃はありませんけど。
「あっ、リンの事だから、呪われて悪事のつもりでやった行動が空回りして、結果的に周りから感謝されるような事になった……とかいうオチは無いかな?
……うん、やりかねないわ。だってリンだし」
いえいえ、ギャグ漫画じゃあるまいし、そんなに都合の良い空回りなんてあるわけないじゃないですかー。私の事を何だと思ってるんですか?
も~、ぺルルちゃんったらイヤですねー、冗談ばっかり~。 あっはっは。
とまあ冗談の話はさておき、理由は不明ですけど魔力の調子が良いのは確かですし、もしかしたら能力が使えるくらいまで回復しているかもしれません。とりあえず試しに果物でも創ってみましょうか。
出来るかわかりませんけど、まあ出来たらラッキーくらいの気持ちでレッツトライです。
さ~て、それでも何を創りますかねー?
……そうです! ミカンにしましょう! ちくわちゃんはミカンが好きなようでしたし、上手く出来たら久しぶりに食べさせてあげたいです!
私はミカンをイメージして枝の先に意識を集中し、キュイィィン! っという感じで力を込めてみました。
……ん? お? おおっ!? これは……なんかいけそうな雰囲気です!
もう少し! もう少しです! 私、頑張ってください! ファイトです、私!
ファイトおぉー! 1,25発うぅー!
次の瞬間、私の体はカッ! っと光を放ち、それが収まると枝の先には2つのミカンが実っていました。
やりました! 成功です! ファイト1発では足りないかと思って、念のためファイト成分を25%増量してみたのが良かったようですね。
ちょっと小さめでハウス栽培のミカンっぽい感じになっちゃいましたけど、まあ私自身が観葉植物サイズですから実が小さいのは仕方ないですよね。
サイズはともかく、ちゃんと2つできましたからとりあえずは成功と言ってもいいと思います。
「実ってる……! やっぱり能力が戻り始めているのね! やったじゃない、おめでとう! リン!」
ぺルルちゃんは、ハイテンションで私の周りをパタパタと飛び回っています。
うふふふー。力が戻ってきた事自体ももちろん嬉しいですけど、こうしてぺルルちゃんが自分の事のように喜んでお祝いしてくれると、なんだか2倍嬉しい気分ですねー。
はい、早速どうぞ。1つはぺルルちゃんのですよー。
私は枝を伸ばしてミカンを1つぺルルちゃんに渡しました。
美味しく出来てるといいんですけど……どうですかね? 失敗してたらゴメンなさい。
「やった、久しぶりのリンの果物! 実は楽しみにしてたのよね。じゃあいただきまーす!
……んーっ! やっぱりリンの果物は美味しいわ!」
ぺルルちゃんはミカンの皮を手早く剥いて、凄い勢いでパクパクと食べ始めました。
小さめのミカンだとは言ってもぺルルちゃんのサイズから見ればけっこう大きいと思うんですけど、相変わらず良い食べっぷりですねー。
さて、残ったもう1つはちくわちゃんに食べさせてあげましょうか。
といってもちくわちゃんはもうベッドで寝ていますから、明日の朝にでも……。
「モーリンfS7jPる>€rT」
ほわあっ!? いつの間にかちくわちゃんが目の前に!? ちくわちゃん、ついさっきまでベッドでスヤスヤ寝ていませんでしたか?
……足音も気配も全然しませんでしたねー……もしや、ちくわちゃんは忍者だったのでしょうか?
『ラブリーくのいち・疾風のちくわ丸』とかそんな感じでしょうかね。
んー、ちょっと驚きましたけど、まあ目が覚めたんでしたらミカンは今プレゼントしちゃいましょうか。
ちくわちゃん、はいどうぞ。久しぶりにミカンが出来ましたよー。
ミカンを渡すと、ちくわちゃんは嬉しそうにニッコリしながら食べ始めました。
……ふふふっ。ちくわちゃんとぺルルちゃんが美味しそうに笑顔で食べてくれているのを見ると、この能力が戻ってきて良かったなー、っとしみじみ感じますねー。
……うん、呪いに操られてしまったことでちょっと落ち込んでいましたが、2人の笑顔を見たことで元気が出てきました。
よ~し、決めましたよ! せっかくこの能力が復活したのですから、デビ~ルモーリンとして悪い事をしてしまった分は、美味しい果物で皆さんを笑顔にすることで償いましょう!
そうと決まれば早速追加のミカンを創りますよー! それでは、せ~の……
「あっ! リン、ちょっと待って!」
おっと……枝に魔力を込める直前にぺルルちゃんからストップがかかりました。
どうかしましたか? なにかマズかったですかね? ……ああ、もしかしてミカンよりもっと珍しい果物が良かったですか? チェリモヤとか。
んー……でもチェリモヤって食べた事が無いので、上手く創れる自信が無いですねー。
あっ、アボカドなら多分いけると思いますよ。アボカドでもいいですか?
ぺルル・レッツ・アボカド・OK?
「いや、私はアボカドはあんまり……って、そういう話じゃないわよ。
リンの事だから『せっかく能力が復活したから沢山果物を創ってみんなに配ろう!』とか考えたでしょう?
ついさっき能力が戻ったばかりなんだから、まだ無理はしちゃダメよ。……まあ喜んでミカンを受け取った私が言うなって話ではあるんだけどさ」
おおぅ……見事に考えが読まれていますねー。……もしやぺルルちゃんはエスパーだったのでしょうか?
『プリティエスパー・サイキック☆ぺルル』とかそんな感じですかね。
うむむむ……確かにまだ無理は禁物かも知れませんが、せめてセレブお嬢さんとかマッスルさんとか、特にお世話になってる人たちにだけでも果物を配りたいんですけど……やっぱりダメですかねー?
スコシダケ・クダモノ・ツクル・ダメデッカ?
私が確認すると、ぺルルちゃんはジーっと私の顔を見つめました。
んー、あんまり見つめられると、緊張で無表情になっちゃいそうですよ……っと思ったんですけど、考えたら私の無表情は昔からでしたねー。
「ふう……仕方ないわね、でも果物を創るのは明日の朝になってからにしなさい。太陽の光が当たる時間帯のほうが魔力の回復が早いはずだから、多少の無理はできるはずよ。
……だけど、あくまでも『多少の無理』よ? 分かる? 『多少』よ? 倒れるような酷い無理はくれぐれもしないでね!?」
むむむ……ずいぶんと念を押しますねー。……あっ! これはまさかフリですか?
ほら、熱湯風呂の前で『押すなよ、押すなよ』ってやるあの有名な流れがありますよね? これはそういうことかもしれません。
……つまり私に『倒れるほどの無理をしろ』と言っているということでしょうか!? うむむ……なかなかハードな注文ですが、期待されているなら応えるのが芸人魂というやつですよね。
よ~し! それでは覚悟を決めて、パッタリと倒れるほどの無理を……
「……言っておくけどフリじゃないからね? 本当に無理はダメよ?」
あっ、ハイ、ゴメンなさい。 ……目がマジで怖いですよ?
うーん……どうやら私が変に深読みし過ぎただけのようでしたね。
それではぺルルちゃんの言う通り、果物を量産するのは明日の朝にしましょうか。
ということで、お日さまが登って来るまで一休みです。朝に備えて魔力を蓄えておきましょう。
さーて、朝になったら何の果物を創りましょうかねー? ちゃんと美味しく出来るといいですねー。