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ウッディライフ! ~ この木なんの木? 私です ~  作者: 鷹山 涼
終章ですよ 今日が終わってしまうなら、明日を始めれば良いと思いませんか?
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65話 本気の本気の本気からの結末

ちょっと投稿時間を変えてみました。


今回は少し長めです。

どうもこんにちは、モーリンです。


 現在、巨大なコーヒーゼリーマンと戦っています……けど、正直かなりキツいですねー。 なにせ、身長が7~8メートルくらいありますし、横幅もガッチリしていますから、とにかくデカイです。

 いや~、でっかくてしぶといというのは、それだけで脅威ですよね。


 指を長く伸ばした、悪の怪人モードのリーチでも足りません。

 表面は削り取れるんですけど、全然攻撃が深くめり込んでくれないんですよね。


 うむむ…… 普通のコーヒーゼリーを相手に決定打が無いという状況を打破するために編み出した戦法がこのモードだったのですが、コーヒーゼリーが巨大化したことで、もはや指を伸ばした所くらいで覆せるリーチ差ではなくなりましたから作戦変更ですね。


 悪の怪人モード……短い栄光でした。


 ちくわちゃんのライトちくわサーベルならダメージか通っているようなので、ちくわちゃんに攻撃を任せて、私がサポートというのが正解ですかねー?

 しばらくその作戦で戦ってみますか。



 ちくわちゃんがライトちくわサーベルで斬りつけると、ズバっと深く傷がつきます。

 結局それも、うにょうにょとくっついてしまうんですけど、何度も繰り返すと、傷をつけた辺りの黒色が少しずつ薄くなってきています。

 それこそコーヒーゼリーの材料が、深煎りコーヒーからアメリカンコーヒーになったくらいの差ですが、確実に薄くはなっているので、多分、体を作っている魔力が減っているという事ですよね?


 コーヒーゼリーマンもちくわちゃんを脅威に感じたのか、集中してちくわちゃんを狙いますが、その度に振り上げた腕や、踏み込もうとした足に、私が横からドロップキックを食らわせて邪魔をします。

 そしてバランスの崩れた所を狙って、またちくわちゃんが攻撃するという嫌がらせのような作戦でチクチクとダメージを与えていきます。

 ……うん、申し訳ない感じもしますけど、これを続ければそのうち勝てるでしょう。


 ……んー、ですけど、なんでしょうか? なんというか、決定的な何かを間違っているよう気がするんですよ。

 例えば…… ほら、歯みがき粉と間違って、歯ブラシにチューブのワサビを塗ってしまった時や、パンを焼くつもりで、トースターではなく魚焼きグリルに入れてしまう時って誰でもあるじゃないですか。

 あの瞬間の、あれれ? って感覚を、更に強くした感じと言えばわかりやすいですよね。


 この胸に引っ掛かる感じはいったい…… おっと戦闘中に、考え事は危ないですね、しっかりと相手を見なくては。

 と思ったんですけど…… おや? なんだか暗くてよく見えませんねー? ……って! この暗いのって、コーヒーゼリーマンの手じゃないですか!?


 お?……おおお!? 私、捕まっちゃいました!?

 あっ、ちょっと待って貰えますか? そんなに引っ張ると伸びます。 私、伸びちゃいますってば! スラリとしたモデル体型になってしまいますよ!


 ん? それはそれでありですか?

 試しにもう少しだけ引っ張って貰えます? ……あっ! 違います違います! 横は止めて下さい! 横に伸びるとモデル体型とは遠ざかってしまいます。

 おおぅ…… 首はダメです! スポ~ンと取れたらどうするんですか!?


 私があちこち引っ張られたりひねられたりしていると、ちくわちゃんが、ぴょーんと飛び上がって、コーヒーゼリーマンの腕を斬りつけました。


 あっ、力が弱まりましたね。 ちくわちゃん、ナイスです!

 私はそこで体に力を込めて、ふんぬっ! っとコーヒーゼリーマンの手をこじ開けて脱出します。

 少し離れて安全確認してから、自分の体をチェック。 

 ふむふむ、大したダメージは無いようですが、モデル体型にもなっていませんね。


 まあ、ちょっと興味があっただけで、私は今の体型に不満は無いから良いんですけどね。



 ちょっとドジ踏んでしまいましたけど、まあダメージはありませんし、戦いは有利と言っても良いでしょう。 さらに……


 「sC4#5&le!」 「G&8aスJca!」 「ち5pDiss7」


 たくさんの声と足音が聞こえて来ます。

 どうやら他の場所で戦っていた人たちが、ここに集まって来たようです。

チラリと確認してみると、その中には、ワイルド商人さん、マッスルさん、若頭さん、セクシーさんの姿もあるようです。


 皆さん、コーヒーゼリーマンに武器を向けて、何やら叫んでいますね。 多分、力を合わせて戦おう的な展開なのでしょう。


 別行動していた仲間たちが集結して、みんなで協力してラストバトル……

 熱い展開ですよね。 燃えますよね。


 ……なのに、何だか気持ちが悪いです。

 なんでしょうか? 私……やはり何か、間違っていませんか?



 皆さんが、更に大きく雄叫びのような声を出すと、それに反応するように空気が震えて、またたくさんのコーヒーゼリーがどこからともなく現れます。

 ですが、皆さんはここに来るまでもコーヒーゼリーと戦い続けてきた人たちなので、コツは知っているのでしょう。 巧く連携してコーヒーゼリーの数を減らしていきます。


 コーヒーゼリーマンの方も、私がこうして考え事をしていても、ちくわちゃん1人でそこそこ戦えていますし、もう勝ちは揺るがないと思います。

 


 私はコーヒーゼリーマンのいる、更に奥…… 黒いモヤモヤが1番濃い、その場所を見ました。

 このまま全体の魔力が少なくなったのを見計らって、あの中心で浄化をすれば、戦いは終わってフラスケちゃんとフードさんを助ける事ができる。

 それでいい……はずですよね?


 謎のもにょもにょ感に悩んでいた、その時。

 私の心にフラスケちゃんの声が届きました。



 「怖い……怖いよ…… おかあさん…… 助けて」





 あっ……

 私が、何を間違っていたのかわかりました……。



 以前ぺルルちゃんが、このコーヒーゼリーのお化けは、フラスケちゃんの恐怖や苦痛からから生まれていると言っていました。

 フラスケちゃんの魔力が少なくなるまでコーヒーゼリーを倒し続けるというのは、つまり、恐怖や苦痛に苦しむフラスケちゃんを、泣き疲れて弱ってしまうまで放っておく……というのと変わらないですよね?


 いえ、むしろ大人数で武器を持って取り囲んでいるんですから、私たちが怖がらせていると言っても良いでしょう。

 

 これは……ダメです…… ダメダメですっ!

 わっ……私は何をやっているんですか!? 魔力を減らしてからじゃないと浄化が難しいという理屈は正しいですけど、そのために私に助けを求めているフラスケちゃんを、さらに苦しませて良いはずがないですよね!?


 私は間違っていました!

 フラスケちゃんの魔力を減らすのではなくて、私が1度にたくさんの魔力を浄化できるように気合いを入れて頑張るべきでした!


 周りを見回すと、皆さんはどんどんコーヒーゼリーを倒しています。

 そして数がある程度減ると、また新しいコーヒーゼリーが生まれます。 このコーヒーゼリーの数が、フラスケちゃんが怖い思いをした数なんだと思うと、とても見ていられません……!


 これ以上フラスケちゃんを怖がらせたくありませんから、もう浄化を始めましょう。

 多分、まだ魔力の量的には厳しいと思いますが、私が我慢するかフラスケちゃんが我慢するかのどちらかの話なのですから、ここは私が頑張る時ですよね。

 私の本気の本気の本気を見せてあげましょう!


 私はお母さんですからね。 頑張っちゃいますよー。


 私は、腰にぶら下がっている薬ビンを手に取り、グイッといきます。

 うん、ファイト1発です!


 今、必要なのは機動力……ていう事は、アレですね。 ちょっと恥ずかしいですが、緊急事態なので仕方ないですね。 では…… GOです!


 私は、イメージした姿に変身します。

 ファイト1発分の余力があるので、今なら出来ます! 


 光を放ちながら、身体が、髪が、少しだけ伸びていき、服が華やかな物に変わります。

 髪の色が……そして自分では見えませんが、瞳の色も変わっているでしょう。

 そして最後に、背中から葉っぱで出来た翼が生えて、バサッと開きました。


 変身完了です。 あの街以来の天空のコスプレイヤー形態です。


 変身を終えた私は、空を飛んで一気に黒いモヤの中心へと向かいました。

 途中でコーヒーゼリーたちが触手を伸ばして邪魔をしようとしますが、今の私は縦も横も自由に動けますし、スピード自体もアップしてますから簡単に避けられますよ。


 今だけはちくわちゃんにもついてきて欲しくないのですが…… うん、コーヒーゼリーマンに足止めされてついてきていませんね。


 ……ちくわちゃん。 そんな、置いてきぼりにされた仔犬みたいな悲しそう顔をしないでくださいよ。 ちゃんと無事に戻りますってば。

 

 ほら、私はこの戦いが終わったら、改めてお笑いライブをするんですからね。

 それにちくわちゃんに食べさせた事のない果物もまだまだあります。

 ああ、パイナップルとか良いですねー。 あまり料理をしない私でも、切って盛り付けるくらいは出来ますから、特製のパイナップルサラダをご馳走しましょうか。


 そうと決まったら絶対に無事に帰らないと行けませんねー。 

 


 モヤモヤの中心らしき場所にたどり着いた私は、早速周囲の悪い魔力の吸収を始めます。


 お……おおおぅ……! 吸っても吸っても無くなりません! これは驚きのボリュームです! プールの水をストローで飲んでいるような、果てしないメガ盛り感!

 こ、これは吸収し終わってから浄化するといういつものパターンは無理ですね……! 消費しないと入る場所がありません。 このままではお腹がスパーキングしちゃいますから、浄化して消費しながら吸収しましょうか。


 まず、綺麗なものをイメージして悪い魔力を綺麗に創り変えます。 これは簡単ですね。


 ちくわちゃん、ぺルルちゃん、セレブお嬢さんやフラスケちゃん。

 村の皆さんや、職人さんたち、そして商人さんや冒険者の人たちも。

 この世界で出会った人や物はみんなキラキラと輝いていてとても綺麗でしたから、綺麗なもののイメージはすぐにできます。


 そして、体の中で魔力が浄化されていくのを感じ取った辺りで……

 うぬぬっ……ソイヤ!


 私は、魔力を吸われて荒れ地になってしまった地面に、金の鈴蘭を咲かせました。

 それでも消費が追い付かないので、青いバラも咲かせます。


 んー、それでも消費が追い付きませんねー。 ちょっと無意味に消費しちゃいましょうか。


 私はフワリと空を飛んで、踊りながら意味も無く光ってみました。

 ……飛んで踊って光っても、思ったほど消費できませんねー。

 あっ……私の場合、声を出せば良い感じで消費できるんじゃないですか?


 では、1曲歌いながら吸収&浄化をしましょうか。

 んー、んー……

 あ~……  いつもなら、即興で作詞作曲くらいできるんですが、魔力を吸収しながら空を飛びながら踊りながら光ながら浄化しながら即興で作詞作曲するというのは無理そうですねー、あんまり頭が働かないです。

 いえ、私の頭は普段からあんまり働いてくれないんですけどね。


 まあ、今回は魔力を消費するのが目的で、歌のクオリティはどうでもいいので、とりあえず適当にハミングでもしましょうか。

 ではではモーリン、歌いまーす。


 「らー、らららラーメン、ら~ららりるれろー♪」


 お、おお……適当にハミングするだけで、魔力がモリモリと減っていきます。

 戦うより歌うだけの方が消耗するなんて、我ながら謎な体ですねー。 まあ、今はできるだけ消費したい時ですから、自分の体の謎スペックに感謝しましょうか。


 「にゃあにゃあにゃー♪ にゃにゃニャルラト~♪」


 私は空中で歌って踊って光りながら、ポンポンと花を咲かせます。

 ……これって新手の大道芸みたいですよね? 少し構成を練って、ライブ用のネタにしてもいいかも知れませんねー。


 「ルンルンルルリラ……ぐっ!?……う……」


 な……何ですかね? 今、メッチャ痛かったんですけど……?

 んー、まあ、時には突然の痛みに襲われる日もあるでしょう。 あまり気にしないほうがいいですかね。 うん。


 私はさらに悪い魔力を吸収して、浄化します。


 「ヨルレリヨルレリヨルレリヒ~♪」


 花ばかりというのも芸がないので、こんなのはどうでしょうか?

 私は強くイメージを固めて、気合いを込めます。


 うぬぬぬっ……ソイヤ!

 

 「うげぇふっ……!」


 ……おっと失礼。 乙女が出してはいけない感じの声が出ちゃいました。

 胸の奥で、なんか、バキッ! って音がした気がしたんですよね。 ですが、事実として認めるのが怖いので、気のせいという事にしておきましょうか。

 やろうとした事は成功しましたしね。


 私の足下には、ちょこんと小さな芽が出ていて、次の瞬間それは録画した映像を超高速で早回ししたように、みるみるうちに1本の木に育って、綺麗で、そして懐かしい花を満開に咲かせました。


 はい、これは桜です。

 初めてチャレンジしましたが、やはりイメージさえしっかりしていれば、自由に木を生やす事もできるようですね。 ただ、消耗がちょっとシャレにならないので、普段は使えない技ですねー。

 今はたくさん消耗するのは好都合なんですけどね。


 浄化に使うのにピッタリな綺麗なものですし、魔力の消耗も多いので、今の状況で咲かせるには良いチョイスかも知れませんね。

 たくさん生やして、ここを桜並木にしてしまうのも素敵かも知れません。

 ですが……なんか無理っぽいですね? 魔力的には余裕があるはずなんですけど、何故か上手く力がまとまってくれませんねー?

 どんどん変な所から魔力がこぼれている感じで、ちょっとだけ制御がしにくいです。

 いえ、ちょっとだけ……ですよ? ちょっとだけなので大した事では無い……ですよね? はははっ……。


 周りを見回すと、コーヒーゼリーの集団も、でっかいコーヒーゼリーマンも、スゥっと消えていく所でした。 よしよし、きっともうすぐですねー。

 このまま一気に……


 え~っと? ……ああ、浄化するんですよね?

 なんだか一瞬ボーッとしちゃってましたよ。 しっかりしないといけませんね。


 あっ、コーヒーゼリーたちが消えたということは、戦っていた皆さんがこっちに来ちゃいますかね? あと少しなので、私1人に任せてほしいのですが……


 皆さんの様子を確認すると、全員がその場で足踏みをしていました。

 何が起きているのかわかりませんが、皆さん、こちらへ向かって走るような動きをしているのに、実際は少しも近づいていないんですよね。


 ……ん? いま、一瞬だけディアえもんの姿が見えた気がしましたね? もしかすると、この現象って、ディアえもんの能力なのかもしれませんね。

 うん、助かりました。 今のうちに終わらせましょうか。


 「ほわっタリラるーらっちゃ~ん♪ ほわっパパラほーりゃぴっちゃ~ん♪」


 私は浄化を続けます。

 なんか大きな物が創れない状態みたいですから、小さな花をたくさん咲かせました。


 「ワンダバピヤプーヤ♪ ワンダバピヤプーヤ♪ トゥルトゥルトゥル♪ ちくわ……ちゃ~ん♪」


 なんかちょっと全身の痛みが未知の領域に突入してきたので、その痛みをごまかすためにも、一生懸命に歌を歌いました。

 正直、歌っていないと変な悲鳴が出てしまいそうなので……。


 ですが努力と根性とガッツの甲斐があって、黒いモヤモヤはほとんど消えていました。

 モヤモヤが特に濃かった場所には、フラスケちゃんとフードさんが重なるように倒れているのが見えます。 ああ……やっと姿を見る事ができましたねー……。


 私は2人を抱き上げます。 うん、2人とも、幸い命に別状は無さそうです。

 ……おや? フラスケちゃん、いつの間にか実体がありますか? このほうがスキンシップがしやすくていいですね。

 フードさんは…… ん? たしか茶髪だったはずなのに、白髪になってますね?

 何か体に悪影響がなければ良いのですけど……


 いやぁ……申し訳ありませんねー。 2人には回復する果物を食べさせてあげたいんですけど、今は創れそうにありません。 今度、私が元気になったら創ってあげるので、今は勘弁してくださいね。



 私が、なんとか2人を抱えて歩いていると、ディアえもんの能力が解除されたのか、ちくわちゃんとワイルド商人さんが駆け寄って来ました。

 私は、フラスケちゃんをちくわちゃんに、フードさんをワイルド商人さんに抱っこしてもらいました。

 今の体調では、2人を担いでいるのも結構キツいので。


 んー…… やっぱりここまで大きな魔力を浄化するのは負担が大きかったんでしょうね。 体調がヤバいです。 やるべき事も終わったんですから、少し休んでも……いいですよね?


 ふぅ……っと、心の中で安堵のため息をつくと、そこでつい気が抜けてしまったのか、体がフワッと揺れて前に倒れてしまいました。

 慌てて私を支えようとするちくわちゃんの泣きそうな顔を見たのを最後に、私の意識は薄れて行きました。


 ちくわちゃん……泣かないで下さいよ。 少し休めば……ちゃんと……。

 

 




 ーーーーーー





 気がつくと、そこは色とりどりの花が咲き乱れる草原で、辺りには沢山の妖精が飛び回っていました。 ……なんですかこれ?



 「……バカ」


 おや? 突然のバカ扱い、いただきました。

 ですが、今の声って……


 私が声の方を振り向くと…… あっ、やっぱりぺルルちゃんでしたね。

 ぺルルちゃんは、怒りと悲しみをたっぷりと配合したような顔をしています。 えっ? その表情、見たことありませんけど……いったいどうしました?

 


 「目を覚ましたか。 いや、目を覚ました……という言い方は、正しくないか。

 残念だが……君はもう死んでいるのだから」


 いつの間にか目の前にいたディアえもんが、世紀末の拳法使いのような事を言いました。 この流れ、なんだかとても記憶にありますね~…… って!


 わっ……私、また死んじゃったんですか!?


 驚いている私に、もう1人の妖精さんが話しかけて来ました。

 あ、以前、立体映像みたいな状態でお話しした妖精さんですね。 確か、ディアえもんとは同じコンビニの違う支店の支店長同士みたいな関係……とか言ってた人ですよね?


 「無茶をしたね~。 あれって精霊1人で浄化しきれる魔力量じゃなかったよ?

 あの黒い魔物を、あと倍くらいは倒さないと普通は無理だよ。

 というかキミ。 途中で精霊としての核が壊れてたんだけど、どうやってそのまま浄化を続けてたのさ? 魔力の操作どころか、存在を維持するのも難しいと思うんだけど」

 

 えっ? 言われてもわかりませんが…… 根性ですかね?

 ところで、私ってなんで死んじゃったんですか? いえ、まあ体に負担がかかっていた自覚はありますけどね?


 私の疑問に、ディアえもんが答えてくれました。


 「明らかな許容量オーバーだ。 (よど)んだ魔力を君の器以上に取り込んだせいで核となる部分が壊れてしまったのが原因だ」



 許容量オーバー…… つまり食べ過ぎですか?

 ……えっ!? 私って食べ過ぎで死んじゃったんですかー!?




 ーーーーーー



 悲報。 精霊姫モーリン…… 食べ過ぎで死す。

 


後2~3話ほどで完結する予定です。

最近忙しくて、1月中で終わるかどうかがギリギリになってしまいましたが、少し時間が取れるようになったので、次回は3日後に投稿できると思います。


あと少し、お付き合いください。

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