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その7 捩れた窓と歪んだ空

あの後結局、昼休みまで爆睡してた。

別に起してもらわなくて良かったんだけど一応大翔に起さなかった理由を聞いた。


「だってトワがものすごく綺麗な寝顔してたし、何しても熟睡してて起きなかったしな。」

前者の理由は即刻記憶から削除した。

色々、疑惑と疑念と質問が沸き起こったけどメンドイから全部胸の中に閉まっといた。

二度と開かないことを切実に願う。


それから時間が跳んで今は放課後。

屋上への扉前 車椅子が恨めしそうにこっち見てた。


「………何 やってんの?」

「鍵。」

落ち込んだように頭を項垂れた相手がポツリと呟き始める。


「鍵一つしなくて……。」

その一つを俺に渡したから、入れなくて此処にいると。

てか、どうやって階段登ってきたんだこいつ 車椅子で。


「ぁの、鍵 ください。」

弱々しく言いながら、こちらに手を差し出してきた。

ポケットに入れっぱなしだった鍵を取り出し、手の上に乗っけてやる。


「ありがとうございます…。」

その鍵を手の中で半回転させてから、鍵が差し込む時のあの特徴的な金属音を響かせた。

そのまま、扉を押し開けて鍵も扉から回収してた。

刺しっ放しじゃないんだ。


「ぁの、お先にどうぞ。」

扉を手で押さえながら言う。

こいつ、使用人なんか雇っても絶対こき使えないよな。

そんな事思いながら遠慮なく扉をくぐる。


透き通るような水色の空 薄く広がる白い雲 昨日よりは少し柔らかな日差し

 遠く聞こえるチア部の掛け声  春独特の青い香りを運ぶ風

絶好の昼寝場所&日より 寝たいな 眠いわ


「それで、お話しと言うのがですね…」

そうだ、こいつが居たんだ。

昼寝は一人でするもんだ、二人じゃ出来ない。


嫌々、振り返ると膝の上で両手を組んだ車椅子娘が居た。

車椅子娘って長い呼び名だよな、いちいちメンドクサイな。


「名前。」

唐突なこちらの言葉に間の抜けた表情をする相手

どうでもいいから早く答えてくんねぇかな。


「ぁ、なまえ……私の名前ですよね。……私の名前は千村です。 千村 未桜ちむらみお。それが私の名前です。」


未桜な未桜。

俺の自己紹介はかったるいし省略して、未桜の用件聞いてみる。

どうでもいいけど、話し始めるまでの躊躇いの時間がやたらと長いのはどうにかならないのか?

待ってる間が結構退屈なんだけど。


「この学校にはありがちな事に怪談があります。」

ようやく話し始めたのは良しとして、だから何?

こっちが怪訝な顔をしたのが伝わったのか、慌てて千村が言葉を繋げる。


「ぁ、それで…その怪談を調べたのですが少々様子がおかしいのです。」

「おかしいって何が?」

「その、音楽室のピアノの音とか毎晩電気のつく教室とかは分かるんです。」

まぁ、定番だな。


「家庭科室の道具類が移動されているとか、この学校の物じゃない制服を着た人が

 校門に消えていくとか、そういう怪談が多くて。」

「…………それ、怪談話じゃなくて唯の噂だよな?」

「いいえ、怪談です。」

「違うだr」

「いいえ、怪談です。」

…………………………………………………………………負けた。

いや、負けてもいいけど 話が進むなら。


「この学校に誰か住んでいるようじゃないですか。」

「……住んでるみたいだな。」

こう繋がるのか メンドイ


「校長には否定されちゃいましたけど、現場を押さえればどうにかなりそうじゃないですか。」

「ヤダ かったるい 一人でやれ 俺は帰る。」

腕を出して鍵を催促する。 拒否された。


「駄目です。一人で階段登るの大変なんですし、いざと言う時逃げられないじゃないですか。」

え〜〜。


「そういう事なので、夜まで屋上で待ちましょうか。

  安心してください、パンと飲物ハーブティーはたっぷりありますから。」

サブタイトルは御題サイトから貰ってきてます。


配布元 遙彼方

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