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その5 予言じゃなくて確信

非常階段が一番裏門に近い階段らしい。

裏門への道を多分一番遠回りのルートで歩きながら思った。

なんでこんな、階段が途中で途切れてたりなんだかんだって、小迷路なんだ?

城じゃあるまいし、学校でこんな複雑なつくりにして何が楽しいんだ。


「ぁの〜。」


やっぱ、学校見学ぐらいしとけばよかったか?

あっ、やっぱあんな暑い時期に外、出るのやだわ。

そういや、外まだ暑いな。あのコンビニでアイス買ってくか。


「済みません……。」


アイスなんにしよ。

無難にガリガリ君か?あれは財布にやさしいけどすぐに溶け出すんだよなぁ。

がっつりミカン、あれはみかんがガンガン入ってて美味いでも高い。

スイカバーとか売ってっかな?今、春だけど。



「…………。」


地球温暖化ってこんな急激だっけ?

あれだな、氷河とか紫外線とかどうでもいいけど

電気代がかかりそうでヤダ。

後、アイス溶けんの早くなるじゃん さっさと家帰んなきゃいけないとかもメンドイ。


「……………………………………。」


あ〜、ようやく裏門見えてきた。

これで鍵閉まってたら本気で最悪…だ?

なんか、ガラガラガラガラ音するけど台車でも通んのか。


とりあえず、後ろを確認しようと振り返る。

視界の下隅に黒いなんかが見えた瞬間

膝あたりに衝撃来た。

うん、痛いとか思う前にバランス崩れたし 一歩後ろに下がろうとしたら何かあったし 余計バランス崩れたし。



そして視界に広がる青い空



「ぁの、大丈夫ですか…?」

青の中に黒が入る。

カラスの濡れ羽色の黒髪、他の色に染めた事とか無いんだろ〜な。

顔は微妙な逆光になってるせいでわかんないし、誰だよコイツ。

いや、俺が覚えてる人間とかめちゃくちゃ少ないけど。


「ぇ〜と、起きてますよね? お話し聞いてもらっても、ぃいですか?」

「ヤダ。」


即答してから、体を起す。

頭打ってないけど背中が痛い、地面が熱い、日差しが暑い、影行きたい。

てか、今日はなんか良く人に覗き込まれるな。



「ぁっ、でも聞いてくれなきゃ困るんです。」

「それじゃぁ、15文字以内に纏めて言って。10・9・8・7……。」


振り返らないでカウントする。 ついでに立ち上がって砂埃を払っとく。

背後からものすごい慌ててるオーラが来るけど俺しらね。


「……2・1 はい、どうぞ。」

「私の付き人になってくださぃ……。」

「ヤダ。」


さっきと全く同じ調子で断ってから、後ろを振り返る。

あ〜、どっかで見た車椅子。 何処で見たっけ?なんかのドラマか。


「でもっ、お給料払いますし。私、車椅子なので移動が…」

理由なんか知らないし。

受ける気無いから説明も不要 簡単だろ?


「別に金が必要なわけじゃないし。」

「お給料が嫌なら他の物にしますから…。」

なんか食い下がってくるな。 こういう奴は断んのがメンドイから嫌い

別に俺じゃなくてもいいじゃん。


「その仕事が何すんのかしらねぇけど。俺、家と学校以外に定期的に

 よらなきゃいけない場所作る気無いし。」

「では、私が貴方の家に……」

「却下、てか赤の他人なんか家に止めるなんて出来る訳ないだろ。」


女子が俯いて何も言わなくなったのを確認してから、方向転換して裏門に向かう。

あっ、鍵開いてるけど隙間小さっ。

開けなきゃだめかメンドイ。


「学校の……」

門に手をかけたところで、女子が口を開き始めた。

めんどくさいけど、一応振り返る。


「学校の中でなら、働いて頂けるんですか…?」

こいつはスッポンか、いいかげん相手すんのがだるくなってきた。


「クラス一緒ならある程度出来るんじゃん?だけど、俺学校生活邪魔されんのヤダだから。」

「……夜は?」

「夜は学校いらんないし。」


「夜の間、学校に居られるようでしたら私の付き人をやって頂けますか?」

「それなら別にいいけど。」

そんな事が出来るんだったら。


自分で不可能な条件を提案してくれたし まぁ、そっちの方が楽だからいいけどさ。

仮に出来たら出来たで、登下校とかメンドイのが無くなるから

百歩ぐらい譲ったら悪くない条件かもしれないし。


ついでに言うと

そのまま門を押して学校の外に出た俺は その女子の浮かべた楽しげな笑みを見ることが出来なかった。

いや、見たからといって未来が変ったとはぜんぜん思わないけど。

サブタイトルは御題サイトから貰ってきてます。


配布元 遙彼方


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