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1-2 神と口論になった結果俺は転生させられた(下)

※続きです


「お主……心がかなりやられておるの……」

老人は困り果てた顔で呟いた。


——いける! 

このまま丸め込めば幸せ路線で人生やり直させてくれるはずだ!


「腐って当然だろ。足掻いたところで酷い目にしか合わない人生送らされて来たんだぜ? これで性格腐らないやつがいるなら見てみたいぜ!」

俺は卑屈満載に神に言い放った。


「むむむ……そこまで言うのならお主にもう一度だけ人生をやり直してやろう」


——き、来たーーーー!

俺の人生バラ色でリセットだ!

今まで送れなかった幸せをたっぷり堪能して残りの人生過ごしてやるよ!


「さすがは神様だな。太っ腹だぜ!」

俺は心の中でガッツポーズを決め、初めて老人を神様と認めた。


「やれやれじゃ……仕方なかろう。お前を生き返らせることにしよう」


——来い来い!俺のバラ色人生! いや~ マジで死んで良かったよ!


「ただーし! 今のお主じゃ同じ結末を辿ってしまうじゃろう」


「・・・・ふぇ?」

俺は思わず情けない声を出してしまった……


「なんだ? まだ続きがあんのか?」


「うむ。人の話は最後まで聞くのじゃ」

神は頷きながら言った。


・・・・いや、あんた人じゃなくて神だろ……

俺は内心でそう思ったが、あえて声には出さなかった。


そんな思考をめぐらす俺をよそに神は続けた。


「ということじゃから、お主には生き返る前にその腐りきった性格を鍛えなおしてもらうぞい」


俺の頭の中に?マークが飛び交った。


「えーと……つまり……どゆこと?」

俺はあまりに衝撃的な神様の続きに、思わず片言になってしまった……


「つまりお主の性格を改変するために異世界へと飛ばし、魔王攻略を行ってもらうのじゃ」


「・・・・魔王?」


「そうじゃ。お主は生前RPGが好きじゃったろ? だから魔王じゃ」


「いや、それ答えになってねぇよ! なんで俺が魔王を倒さなきゃいけねぇんだよ!」


「だから言っておろう。お主のその腐りきった性格を直すためじゃ」


「ハァ? そんなので性格治るかよ! てか、俺の性格が悪くなったのあんたのせいだろ!」


「神様に向かって『あんた』とは失敬じゃのう……お主の性格がわしのせいなら、なおさら更生せにゃいかん」


「いや、いらねぇって! 別にそこまでして二回目の人生やりたくねぇし!」


「何を言っておる。お主がわしのせいで不幸だったと嘆くからチャンスをやってるのではないか」


——ありがた迷惑すぎんだろ……


ん? ちょっと待てよ…… 

そういえば生前に呼んだ本にこんなシーンがあったな……

たしかその本では主人公が死後に転生させられて、チート級の能力を持ち魔王討伐に挑むんだったな……

ってことはこれは普通の人生よりバラ色?

そうだよな! だってその世界最強になれんだろ? 断然その方が楽しいじゃねぇかよ!


俺の頭の中に一瞬でバラ色人生が浮かんだ。


「くっ、仕方ない。神様がそこまで言ってくれんなら断るわけにもいかないな……」

俺は本心がバレない様にあえて悔しそうに言った。


「おお! 急に物分かりが良くなりおった! 分かればよいのじゃ分かれば」

神はそう言って右手を俺の方に向けた。


「えっ? ちょ、ちょっとタイム! もう飛ばすのか?」


「うむ。そうじゃが?」

焦る俺に神は落ち着いて答えた。


「武器は? チートは? 俺のバラ色人生は?」

転生準備に入る神様を俺は必死に静止した。


「なんじゃ、そういうことかい。武器もチートも無いに決まっておろう。自分の力で仲間を作り、自分の力で生き抜くのじゃ」


「ちょ、無理だって! ストップ! ストーップ!」


俺は薄く光る両手で神の右手を下ろそうとした。


しかし、俺はそのよぼよぼな右手に触れることができず、そのまま意識を失ってしまった。



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