ゴブリンの大群、蹴散しました。
ゴブリンの大群の真正面に向かって急降下。からの一回転半で着地。地面に小さいクレーターができた。
足は原形を留めていなかったが、一瞬で元に戻す。レベル1に戻って筋力補正もゼロになったのを忘れていた。
目の前にいるゴブリン達は驚いているように見える。だが後方にいる草でできた冠をかぶった他よりも大きいゴブリンが鳴くと、すぐにゴブリン達は剣を構えた。あのデカい草冠の奴がゴブリンキングなのだろう。
ゴブリンの大群と俺が向かいあっている。
ゴブリンは見たところ三千体以上いる。
それに対してレベル1の俺一人。もしスキルと称号が無かったらUターンからの全力でBダッシュしてる。
だが俺にはある。チート級のスキルと称号が。 ゴブリンが切りかかってきた。俺はゴブリンに笑いかけながら声を出す。
「それじゃあ、始めようか。」
言った瞬間に俺は自分の身体を変化させる。筋肉増強。完全神経の活性化。 瞬発力と持久力を兼ねた、肉食獣のような形状になった脚が地面を蹴り、筋肉によって肥大化した右腕の、金属製の拳が正面のゴブリンを殴り飛ばす。
殴り飛ばされたゴブリンは、後ろにいたゴブリン達を巻き込みながらぶっ飛んで行った。
レベル補正無しでも十分な威力だ。これなら一気に蹴散らせる。
今度はまだ変形していなかった左手の肘から先が片刃の大剣、ブレードのようになった。
だいたい十メートルくらいの大きさなのだが。
「ウル○ラソーード!違うけど。」
某ピンクの丸いコピー能力さんがテレビゲームの中で使っていた能力を叫びながら、右から左にかけて水平に薙ぎ払う。
ある程度のゴブリンは魔石とドロップアイテム的なものを残し消えたが、まだ全然減らない。
ファンタジーな興奮からちょっと落ち着いたてきたので元の形に戻した両手の指先から極細の糸を出し、それでどんどん切っていく。見えない斬撃が至る所で発生してる。最初からこうすれば良かった気がするが、ファンタジー世界で色々やってみたくなったので仕方ない。
しばらく糸を操っていると、切っても切ってもすぐ再生してくる奴がいた。ゴブリンキング的な奴である。再生早えーなオイ。「切っても切っても切れないものなーんだ?」って聞かれたら「ゴブリンキング的なこいつ」って答えちゃうレベル。俺って答えた人も正解だよ。どっち切っても切ってもキリがないしね。
このままだと終わらないので左手の糸で奴を拘束し、右手を「黒化」させて、奴を黒で包み込む。十秒ほどたった所で「黒化」を解くと、奴はミイラみたくなっており、魔石と草冠を残し消えた。
つい最近、「黒化」で相手のHPの最大値を減らせるようになったどうもラスボス...じゃなくて俺です。
ゴブリンキング的な奴を倒したら、残っていたゴブリンたちは統率が切れたように森の方へ逃げていった。きっと今倒した奴がゴブリンキングで間違いないのだろう。
そういえばレベルはどうなっただろう。けっこう倒したのだが。
ステータスオープン。おお、できた。
クロマ シュウ 性別:男 年齢:17歳
LV7
総合数値
HP: ー/ー SP: ー/ー MP:ー/ー
攻撃:ー
防御:ー
魔攻:ー
魔防:ー
速さ:ー
スキル
変態 言語理解 糸操作
称号
絶対者 異世界人 中二病
なるほど、レベルはゴブリン二千五百程度と、ゴブリンキングで6上がったのか。でも総合数値見るとレベル関係ないね。身体能力がアレだから補正されようがされまいが誤差のの程度だしね。
まあそれよりもスキルと称号増えたね。言語理解とか助かるわ。きっと異世界人の称号から出てきたのだろう。あと糸操作は冥界でもあったのだがなかなか使える。糸に神経通さなくて済むしね。
ただ中ニ病。お前はダメだ。一回冥界で某東京の人喰い種の真似したときに貰ったのだが、効果が中二病促進。最終的には厨二病に進化。
自重しろ俺。きっと序盤でやったウル○ラソードがいけなかったと思う。俺反省。俺自重する。
そう思っていると、後ろから声が聞こえてきた。
「ねぇ、貴方がこれをやったのよね?」
やべぇ。魔石とか放置していた。周りには紫色の結晶とドロップアイテムがまるで振り撒かれたようにに落ちている。
俺はゆっくりと声が聞こえた方に振り向くと、さらりとした長い金髪を首の後ろで一つに束ね、軽鎧を身に付けた、綺麗な碧眼の少女がいた。