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死神の相棒、はじめました。その1

予告通り、過去編です。

 真っ白だ。視界が真っ白。



 この視界の真ん中に【game over】の文字があった方がまだユーモアで良いと思う。




 ........




 ........訂正。目の前になんかいるわ。


 禍々しい、ボロボロで真っ黒なローブとピカピカで銀色の(やいば)のデスサイズがお似合いですね。



 俺は奴を目の前にして冷静にこれだけの事を考えている自分を尊敬してる。いや、ある意味思考放棄してるだけかもしんない。どっちでも良いけど。






 ............






 奴、何もしてこない。デスサイズ担いだままずっと目の前にいるだけ。


 何か話しかけてあげた方がいいの?やだよ?俺はやだよ?話しかけられる人はマジ勇者。社交的すぎる勇者のタグでニコ○コ動画にアップできる。見た人全員タグ理解できる。やっぱり俺は冷静じゃなかった。この状況でニ○ニコ動画の事を考えている時点で俺は冷静じゃあ無かった。






 ............






 本当に何もしてこねぇ。それもやだよ? ずっとお見合いなんてやだよ? いやいや、恋とか芽生えないからね? 目の前の奴と見つめ合っても何も通じないから?目と目で通じ合って良いのは歌の中だけだよ?




【お前は、自分の事が嫌いか?】



 うわぁぁぁああぁ!通じちゃったぁぁ!なんか耳を経由しないで頭に直接声が届いちゃったあああァァ!変に頭に響く死んだような音が来てるよぉ!!!




 落ち着け。落ち着け。落ち着け。俺は今質問された。質問に答える答える事だけを考えるんだ。

 

 答えるべき事は、すごく簡単だ。心から思っていた事を言ってやればいい。



「ああ、嫌いだよ」


 ............



【そうか】



 そう。自分が嫌いだ。だが..........



「だが、社会の、世間の、世界の嫌いさに比べれば、まだ自分が愛せたな。」



 今こうなった理由を思いながら、両親がそうなった理由を思いながら、言った。そしてもう一つ言いたい事を言っておく。



「だから、まぁ、まだ、お前の出番じゃない。」



 あの世界に、やりたい事は残ってない。やるべき事も残ってない。


 だが、それでは、つまらない。面白くない。だからこそ、



「死んでたまるかよ。帰れ、死神。」



 そう言ってやった。という訳でご退場していただきたいのだが、奴は中々退場しない。そりゃそうか。


 ........



「至った............」



 ............ん? この声を発したのは、誰だ?

  周りを見ても、真っ白が広がっているだけ。いるのは、俺と死神だけ。

 死神が発したとは思えない。それほど澄んでいて、凛としていて、生きている声だったからだ。


【お前は至った.......】


 うるせぇな死神。最後くらいあの声の余韻に浸られてくれよ。



【良いだろう】


 何 が 良 い ん だ 。 良 く ね え よ 。

  


【お前に力を与えてやろう】


 いやいや力が欲しいとか一言も言ってないよ? 力なんてどうでもいいから! 帰れよ! 俺はやりたい事が出来たんだよ! さっき聞いた声の主を探すラヴなストーリーをこれから始めるんだよ!




 俺は再びその声を聞いた。


「死神の権限により、汝に力を与える。 代償は、汝の人間としての意思。与える力は意思による原形にして最終形の身体。そして、もう一つの力は生滅の無い死の力。これより、汝は一つの概念として生き、死神と共に征く事に許される。」


 ちょ、死神さん?口っぽい所が動いているけど?死神さんの声ってそんなツンデレ美少女を連想させる声なの?

 ってか何?何て言ったこの死神。特に代償。よく聞こえなかったなぁ。きっと代償は俺の聴力って言ったのかな?それと最後のは何?何言ってるかワカンナカッタヨ。



「............まぁ、そう言う事よ。」



 どう言うことだよ。っていうか死神が完全に声の主だ。喋り方も女子だわ。死神さんはいつからそんな美少女声になってたの?

 うーん、(ドクロ)の部分を手で隠せばイケるかもしれない。納めます、妄想税。



 ........



 ん?なんか聞こえるな。


『.................................を授けられました。』


 なんかすごく長文が聞こえたような聞こえないような。音量を上げてくれ。


『条件を満たしました。称号'絶対者'を手に入れました。』


 称号?絶対者って、何?



 そう思っていると、そこに立っていた死神の(ドクロ)が消え、黒髪の美少女が現れていた。


「その反応だと、'絶対者'を取得して、幻覚の効果も効かなくなったのね。」 




 .....なるほど、何処のゲームの話だ。ぜひ貴女に教えてもらって一緒にやりた........い?


 目の前に現れたのはあの声での想像以上の美少女だ。でもなんと言うか....先ほどまで感じていたものを感じられない。見ていた夢を、起きたら思い出せないような感じだ。そして何を感じていたかに対しても、大して興味が無い。もういいや。後で考えよう。



「じゃあ、行くわよ。」



「....待て。俺がどうなっているのかよく解らないんだが?」



「それは冥界に行った後に話すわ。」



 冥界って、小説などによく出てくる冥界の事だろうか? 死神と冥界へ行くのか。あれ? 逝くの間違いじゃね?



「死神と冥界に行って、どうするんだ?」


死神(わたし)と同じような事をするんじゃないかしら?」


 煮え切らない答えだな。同じような事ってなんぞや?


........でもまあ、面白そうだから良いか。



「とにかく、死神(わたし)と一緒に来なさい。いいわね?」



 死神美少女は、俺に手を差し伸べてきた。


「いや、それ言うの遅くね?拒否権がある内に言えよ。」



 俺は、差し伸べられた手を取る。




「貴方、生意気ね。......名前を教えてくれてもいいのよ?」


 美少女死神はボロボロのローブについているフードを深く被りながら言う。



「クロマ シュウだ。君の名前は?」


死神(わたし)は死神ね。名前は無いわ」



 無いのか。ではどう呼ぼうか。....そうだな



「なら俺は、今から「サユミ」って呼ばせてもらうぞ?」




 小さい頃、俺の親がもし俺が女の子だったら「サユミ」という名にする予定だったと言っていたのを思い出した。だから俺は、サユミと呼ぶ事にしたのだ。



「そうね、拒否権が無かった変わりに、そう呼ばれてあげる」



「そりゃありがたいな」


 俺は死神をその名で呼ぶ事に可笑しさを感じて、笑いながら言ったのだった。

次回は、普通にシュウくん達の迷宮攻略をお届けします。


過去編の続きは、シュウくん達の旅に区切りがついた時にまた書かせていただきます。

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