ヒメハルさんの魔法、マジパネェっす。
今回は魔導少女ヒメハルちゃんが戦います。
大猿のボス部屋を抜け二十層に出ると、そこは今まで見てきた密林とは変わり、所々にしか木は無く、砂漠とまでは言わないが大地は砂丘のように砂を被っていた。
「二十層からは砂漠になっていくのか?」
「そだよー。三十層まで砂漠だったー」
三十層までこの環境か。上からの光が眩しいな。
天井を見上げると、敷き詰められた鉱石のようなものがギラギラと輝き、砂を照りつけじわじわと熱している。あの光ってる鉱石は一体何なのだろう。全部もぎ取ってやりたい。
「そのローブだと暑くないか?」
俺はなんとなく思った事をヒメハルに訪ねてみる。
ヒメハルは、丈は短めだが、全体的にブカブカの黒いローブを着て、しかもフードまで被っているので見ているこっちが暑い。気分的に。
「暑くならない魔法かけてるから大丈夫だよー?」
そうだった。そもそもヒメハルちゃんは人間じゃなくて暑さなんて吹き飛ばしちゃう魔導少女だった。
「クロネは暑くないか?」
「暑くは無いけど、上からの光が眩しいねぇ。」
この猫も元幽霊だったな。
そういえばここに生物らしい生物なんていなかった。
この上から照りつける光をいい感じにエネルギーに変換してる謎物体な俺、
魔法で何でも、何でも!何でも解決!!魔導少女ヒメハルちゃん、
元幽霊で良い声優になれそうな尻尾が四つの黒猫クロネちゃん。
わぉ。俺の辞書に書いてある生物という言葉の定義を書き換えてこなきゃ。
「じゃあ、みんなこの環境でも全く問題無いか。でもちょっと上からの光が眩しいな。」
「魔法で光弱くするー?」
「やめとけ」
「はーい」
この迷宮での縛り、魔法解決禁止。
理由、きっとそのうち「魔法で迷宮クリアするー?」とか言いかねないから。
「んじゃ、ボス部屋探すか。」
「今回のボスは私が倒す番だー」
「....まぁ頑張れ」
ヒメハルちゃんの戦い方は、一言で表すと「敵は地獄を見る」だ。今回はどんな地獄が(ボスに)待っているのだろう。
しばらく雑魚敵を倒しながら砂の上を歩くと、古代遺跡のような場所があり、そこにボス部屋の扉がある事が確認できたので、早速入る。
扉を開けてボス部屋に入ると、そこにはイカつい人にサボテンの着ぐるみを着せたようなモンスターがいた。第一印象はすごくサボテン。
そう思っている間に、ヒメハルの戦闘.....正確に言うとヒメハルによる蹂躙が始まっていた。
「とりゃぁー」
早速ヒメハルちゃんの先制攻略! ヒメハルちゃんは腕を右に振った。サボテンはヒメハルちゃんが腕を振った方向に吹っ飛び、壁にめり込んだ!
「グォ「えいー」」
サボテンは咆哮しようとしたが、サボテンのターンなど最初から無い。ヒメハルちゃんが腕を左に振ると、見事にサボテンも左の方向へ吹っ飛び、壁に人型サボテンの跡を作る。
今回は吹っ飛び地獄かな?
「ほいーほいーほいー!」
ヒメハルちゃんは指揮者の如く腕を振り、サボテンはそれに合わせて派手な音を立て、壁にぶつかりながら踊っている。
やばいなヒメハルちゃんの攻撃。
「解説のクロネさん、ヒメハルちゃんのあの攻撃についてどう思いますか?」
「中々高度な魔法なんじゃにゃいかい?」
「さいですか」
中々高度な魔法らしいです。それにも関わらずヒメハルちゃんは相変わらずニコニコしながら腕を振っている。
「とおーうりゃーえいー」
上、上、上。可愛らしい声とは裏腹に、サボテンは天井の謎鉱石に滅多刺しにされている。もうやめてあげて! あのサボテンのHPはもう(ry。
「ほぉーいっ!」
トドメと言わんばかりにヒメハルは腕を下に振った。サボテンも勢いよく砂の地面に落ちる。
「えい!ほぉー」
そして最後にヒメハルさんはローブの袖の中で開いていた手を一度握り、また開いたような動きをしたと思ったら、サボテンは一度圧縮されたように潰れた後、魔石だけ残して破裂した。
これがヒメハルさんの戦いである。ヒメハルさんマジパネェっす。
ちなみに前回のボス戦では光の巨人を五体くらい出してボスをボコボコにしてました。
「終わったよー?」
そうっすね。サボテンさん終わってましたね。ホント、最後のオーバーキル痺れました。自分、ヒメハルさんとは一生戦いたくネェっす。
「.....ずっと、貴女の味方でいたいです。」
「んー?いいよー?」
ちょっと首を傾げながらも快く了承してくれたヒメハルさん。超光栄っす。
「あざす! 」
「いいよー。それじゃあ先に進もうー」
「雑魚敵は任せてくだせぇ!」
「わかったー」
それにしてもやばかったなヒメハル魔法。俺もやってみたい。
「ヒメハル、さっきの魔法って俺も使えるか?」
「シュウが使ったら壊れそうー」
「何が」
「全部ー」
....うん、何言ってるか理解出来ないけど一歩間違えたら全部が壊れる魔法って事だけはわかった。
ヒメハルさん、ホントに超パネェっす。




