冥界の二つ名、復活しました。
今回シュウくんが「悪いのは世間」と想いますが、作者はそんな事思ってません。
作者が思うに、悪いのは社会です。
「私の名前は....そうだねぇ、黒猫ににゃった事だし、クロネって呼んでくおくれ。」
「クロネだねー?私はヒメハルー」
「....俺はシュウだ。」
「ヒメハルにシュウだね?まぁ、お前さん達に比べれば大した事は出来にゃいけどねぇ。よろしく頼むよ。」
この猫、声は若い女性の声だが、喋り方が完全におばあちゃんっぽい。まぁ、百年以上は生きてる?らしいけど。
「この迷宮はもう私の家みたいなもんさね。聞きたい事があったら言ってくれよ?」
「ここって何層まであるのー?」
「私が最後に行った時は確か八十層だったけどねぇ。今は九十層はあるんじゃにゃいかい?」
「九十層かー。まだまだだねー。」
「そうだな。」
「あんたら、一気に行くつもりかい?」
「そのつもりだが、問題でもあるのか?」
「その割には手ぶらだねぇ」
そうか。クロネはまだ俺とヒメハルのスキルの事は知らないのか。....まぁ、話してもいいか。
俺はクロネに自分とヒメハルのスキルの事と、そのおかげで食料も何も必要無い事を話す。
「....にゃるほど。どうりで強い気を感じるわけだ。」
「そうかよ。それよりクロネは食料とか無くても大丈夫か?」
「私はシュウの生気でも吸ってりゃあ大丈夫さね。」
「まじか。ぞわっとしたく無いなぁー」
「我慢しておくれ。」
「がんばってねー」
ヒメハルは完全に他人事だと思ってるね。
その通りなんだけどさ。
「ほれ、ボス部屋に着いたよ。」
クロネが言った。確かここのボスはオーガだったかな。
扉を開くと確かに、赤い肌の角を生やした巨人がいた。大体ニ・五メートルくらいの大きさだ。
「グォォォオ..」
「凶暴だねぇ。これだから理性の無い動物は嫌いにゃんだよ。」
吠えたオーガに対してそんなことを言ったクロネは、口からレーザー光線のようなものを出した。
光が消えた時には、オーガは消し飛んでいた。
この猫やべえ。
「戦いたかったのにな....ってかやりすぎだろ。魔石ごと消し飛んでるぞ?」
「....これでも加減したつもりなんだがねぇ。ただのファイアブレスってこんなに威力高かったかねぇ?」
あっ、今のファイアブレス!?
青白い光線にしか見えなかったけどファイアブレスだったんだ!?
へぇ。ふーん。何この猫。
何なの?
こんな猫見たこと無いわ。
今のやつ動画に投稿したら再生回数やばそう。
「シュウの生気吸ったからじゃないー?」
えっ、原因俺?
この猫は俺のせいでこんなになっちゃったの!?
まぁ思いあたる節しかないけど....
俺は悪くない。悪いのはアレだ。
....悪いのは世間だな。
そうだ世間が悪い。
ー 世 間 が 悪 い ー
ore-wa-waruku-nanka-nai
二年後くらいにロードショー。
きっと全米は震撼する。
....これでよし。
「とにかく七層へ行こうぜ?」
「そうだねー。」
「この層を出るのは久しぶりだねぇ。だがこうゆうのも悪くにゃいねぇ。」
「七層からは草原だよー。」
うぉぉまじか!なんか迷宮っぽいな。
「それとゴブリンが半端ないよー?」
う ぉ ぉ ま じ か よ 。
やっぱりここ低層ゴブリン迷宮だな!!
どうかして(ry!
本日四回目くらい!
「シュウはゴブリンに恨みでもあるのかぃ?」
「シュウはねー、ゴブリンに愛されてるんだよー?」
うわぁやめて!不吉な事言わないで!
「ニャハハハッ! にゃるほど、良かったじゃないか!お前さんモテ期だよ!」
「そうか。モテ期ってこんなに嬉しくないものだったんだな。」
七層に降りると確かに草原が広がっており、さぞかし絶景なのだろう....
....ゴブリン達がいなければな。
昨日のゴブリンの大群程ではないが、それなりにいる。今思えばアレが最初のエンカウントだったな。愛されてはいないが、俺はゴブリンに恨まれているかもしれないな。
あぁーなんか今までのゴブリンに対しての溜まった感情が爆発しそう。
そう思いながらも俺は糸を出す。いや、殴るか。今はそんな気分だ。
俺のゴブリンへの愛を届けよう(はぁと)。
「 徹 底 的 に く た ば れ 」
ああ〜〜、久しぶりだな。こんなに感情が高ぶったのは。あまりにも下らなすぎる事だが、何故か止まらない。
使い道の無かった「黒」のエネルギー全てを解放する。
思えば俺、ゴブリン相手にしか無双してない気がする。
こいつら殴ったらヒメハルにこの世界からゴブリンを消してもらおうか。
俺は地面を思いっきり蹴る。ああ、邪魔だ。空気抵抗も、音の壁も。そして、目の前にいる緑色のゴキブリンも。名前に一文字加わった気がするがそんな事はどうでもいい。
一体目を殴ろうとする。だが、俺の拳が届く前に衝撃波で消し飛んでしまう。
クッソ弱えぇな。火星のゴキブリの方がまだ倒しがいがありそうだ。
なんか聞こえる。
『称号、'絶望'が戻りました。』
「!!?」
ーーハハッ、冥界で捨てた筈の称号が、
冥界に置いて来た筈の二つ名が、
この世界に来て三日も経たずに戻って来ちゃったな。
『スキル、"絶望世界"が戻りました。』
丁度いい。ああ、元々「黒」はここから"変態"に統合されたんだっけな。
それと俺の'厨二病'の原因、これの技名だわ。これ技名言わないと発動しないんだよな。くそっ。
「ゴキブリン共ォ!せいぜい頑張れよ!」
ああ、こいつらのせいで厨二病の称号になるな。
「終わり無き絶望」
....いつ言ってもイタいセリフだ。
前方を「黒」で染め上げる。
ゴブリン達は別の空間に来ていた。
「黒」を発生させ、すべてを奪ってゆく暗黒の太陽。血と恐怖を写し出しているいるような朱い月。どれも冥界でお別れしたと思っていた景色なのだが....
「せいぜい"絶望世界"を楽しんでくれよ?」
『称号、'中二病'が'厨二病'に進化しました。』
ああ、こうなるから選ばなかったのにな。
元の空間へと戻る。
俺はとりあえず深呼吸をして、正面の景色を眺める。新緑に生い茂っていた草は、俺のスキルで枯れ果ててしまったが、ヤツらがいないだけマシだ。
「シュウ。にゃに下らにゃい事で怒ってるんだい?こっちの身にもにゃっておくれよ。」
「そうだよー。それにしてもシュウがおこるとああなるんだねー。凄まじい力だったー。」
....ああ、みっともない姿を見せてしまったな。思い返すと超下らない事で怒ったな俺。
後悔はしてないが。
「いや、ほんと、ごめんね?」
だが巻き込んでしまった事には変わりないので謝っておく。
「....まぁいいさ。どれくらいの力を持っているかわかったしねぇ。」
「そだねー。私のスキルなんてまだまだだったー。」
いい人達だな。どっちもある意味人じゃないけど。
「それよりー、今のでここのボスも消えちゃったみたいだよー?」
........本当やっちまったな。
「ニャハッ。じゃあ八層へ進むとしようか。」
「....そうだな。次は自重しようぜ....クロネも、俺も。」
「そうだねぇ。下層まではまだまだあるしねぇ。」
「自重できる魔法使うー?」
「うーん、やめれ」
一瞬悩んだがやめとく....いや........
「........やっぱやばそうだったら使ってくれ。」
「はいよー」
前途多難だな。
主に俺が。
次回は迷宮から離れて、レイナ編を書く予定です。
もしかしたらシュウくんの過去編が書かれるかもしれないです....
.........いつか書きます。
.........やっぱり忘れて下さい。




