空間系のスキル、欲しいです。
俺は正面で構えているイケメン団長を見据える。
殺気と殺気がぶつかり合う。
そういえば「殺気」って「コロッケ」って読めるよね。よし、今度から「殺気」の事を「殺気」って呼ぼう。
......よし、気をとりなおして。
殺気と殺気がぶつかり合う。
........脳細胞をフル活用し、刹那の間にそんなことを考えてた俺。緊張感は僕の元を離れて行きました。
やべぇ、団長が仕掛けてきてるじゃん。
「うぉっしょい!」
「!?」
びっくりして変な掛け声と共に手に持ってた刃の無い刀を団長に投げてしまった。
彼も投げつけられるとは思っていなかったのだろう。だが驚いた顔をしたのは一瞬だけで、すぐさま手にある刀でそれの軌道を逸らそうとする。
だが、俺は自らが投げた刀を'縮地'を使い、掴み取った。そして手首を動かし、彼の脇腹に当てる軌道を描く。
だが彼もそれに反応し、受け流そうとしていた軌道を変え、刀で脇腹を守るような体勢になる。
両者が押し合い、距離を置く。刀と刀がぶつかり合う音が今、耳に届いた。
「面白いねぇ。まさか刀を投げて来てそれを掴んで攻撃するとは思わなかったよ。」
「お前もやってみればいいだろう?」
「そうだね。じゃあ早速やってみるよっ!」
そう言って団長も投げてきた。俺も刀を投げて迎撃する。
刀と刀がぶつかり合うその瞬間、俺も彼も動き出した。
そして俺は自分の刀を通り過ぎ、彼が投げた刀を逆手持ちの状態で掴む。だが彼は、すでにこちらへ向き直って俺に切りかかる所まで来ていた。
だが彼は、俺の殺気と気配しか無い所で刀を振った。
俺は彼の死角から切りかかったがそこに彼はいなかった。
そしてしばらく、そのような事が続いた。分かったことは、今のところ速さなどは彼が上という所だ。俺は"縮地"と殺気と気配を上手くコントロールしてその差を補っているが、彼も出来ない事は無いと思う。
「なぁ、....本気でやってくれないか?」
「いや、超本気だよ?身体能力限界まで底上げしてるし。」
「ははっ....でも君は息切れ一つしてないじゃないか。」
「そうゆう事が出来るスキルだよ。」
「....興味深いスキルだね。そうだな、今までに言われた言葉から推測すると....身体の完全支配....いやそれ以上の事が出来るスキルだろう?」
「まぁ、当たっているな。」
「それと...そのスキルと、今この空間で君が動けている事は関係あるかい?」
そういえばさっきから月が動いていない....というより世界が止まっているようにも見える。'絶対者'さん働き過ぎて何かされた事すら気付けない所があったからなぁ。
「....僕の空間停止すら効かないなんてな....そんなスキルがあるのかい?」
「それはスキルじゃなくて称号だな。」
「へぇ、称号か。それも強力なものなんだろうな。君に使ったスキルが全て...鑑定すら効かなかったんだよ。」
ああ、鑑定いいよな。でも強力で誰でも使えるスキルは対策が取られしまうのだよ。まぁ俺の称号は元からあったけども。
「まぁ、そんな感じの称号だからな」
「なぁ、君に使ってみたい技があるんだ。....もしかしたら殺してしまうかもしれないが....いいかい?」
「お好きにどうぞ。」
「....じゃあいくよ、空間遮断。」
うえっ!まじか。'絶対者'さんもスキルでもたらされた物理的あれは専門がっ!
ああ、上半身と下半身が真っ二つだわ。どうしよう。元に戻すと本当に俺のスキルがばれてしまうかもしれない。だが....よし!使おう!
俺の空間遮断によって切れた身体が元に戻った!
「はっはっ、君には驚かされてばかりだ。いいよ、僕の負けだ。これが効かなかったらどうしようもない。」
「いや、俺も、お前が言う「それ以上の事」を使わないと決めていたのに使わされてしまったからな....引き分けにしてくれ。」
「そうだったのかい?....いや、まさか.....でも君が切れた時、血が出ていなかった。そして接合のされて方もおかしい、上半身が下半身へ伸びていった。........なるほど、そんなに強力なスキルなら安易には使えないね。」
「団長の考えが合っているかどうかは知らんが安易に使いたくないのは確かだ。まぁ、使えるのは人間以外が相手の時だな。」
「そうか。それと僕のの事はフラメスと呼んでくれ。」
「そうか。よろしくな。フラメス」
その時、急に少女のような声が聞こえてきた。
「ねぇー、団長さんー?さっきから見てたけどー、そろそろ空間停止をといてくれない?魔法具買いたいのにみんな止まっちゃったよー?」
「おお、それはすまない。それと、久しぶりだね。ヒメハル。」
ヒメハルと呼ばれた少女の方を見ると、そこには、黒いフード付きのローブを被り、それとは対照的な、白い前髪が伸びて、その白の先に赤く輝く目がある少女がいた。
「そうだねー。それとそこの君ー、君とは後でゆっくり話したいけどー、いいかな?」
ヒメハルと呼ばれた少女白く細い眉毛をハの字のようにして、困った様な顔をしながら聞いてきた。
「ああ、別にいいぞ?」
「やったー、じゃあ早速彼を連れて行くねー。じゃあねー団長さんー。」
彼女一瞬消え、見えた時には俺の手を掴んでおり、そのまま引っ張られる。
「うえっ?ああ、じゃあな、フラメス。」
「はぁ....ヒメハルは気まま過ぎるんだよな...また決闘しようね。シュウ。」
「ああ。またやろうぜ。」
俺は彼女に引っ張られながら言う。
...彼女握力強くね?まだまだ中三くらいの歳だよね?あっちょ、手首の形が変わっちゃいそう。




