プロローグ
短いです。
青い空、白い雲、元の世界と全く変わらない空がそこに存在している。
その大空の中、風を感じながら俺はー
「あぁい きゃぁん ふらぁぁあいぃぃ 」
ーと叫びながら落ちている。
***
ー数時間前 冥界にてー
俺はこんなことを言われていた。
「お前には人間に戻ってもらう......つまりクビということだ。」
こう言ったのは俺の上司、詳しく言えば、「冥界執行部」という冥界にある役職の部長のおっさんである。名前は知らない。
「なんで?」
「ぉ前の存在が一部の人間共に知られたんだよ。」
おっさんは相変わらず嘘吐くのが下手だ。眉毛がつり上がっている。何か事情がありそうだが、聞かない方がいいのだろう。
「じゃあこれからは?」
「今あるスキルと称号の中から一つ選んで元いた世界とは別の世界に行ってもらう。レベルは1にリセットだ。」
なるほど、つまり次に行く世界も、今いる冥界と同じでゲームみたいにステータスがある所なのか。
「なるほど、大体分かった。」
俺がそう言った直後、後ろから声が聞こえてきた。
「ちょっとシュウ、それ本当なの⁉︎」
このツンデレで黒髪美少女な声は、俺の同僚であり、相棒っぽい存在であり、死神であるサユミだ。なんか死神のイメージ変わっちゃうよね。
そんな事を考えながら質問に答える。
「ああ、本当だ。」
「なんで嬉しそうなのよ!」
「だって異世界楽しみだし。」
そう言いながらスキルと称号を一つずつ選ぶ。
「...ふん!勝手に行けばいいじゃない。ばかっ!」
「また会おうぜ。サユミ。」
俺はちょっと涙目になって拗ねているツンデレ死神ちゃんにそう言った。
そして俺は話している間に移転陣を作っていた部長のおっさんへと向かう。
「別れの挨拶はできたようだな。移転陣が完成したから早く入れ。」
「じゃあなおっさん。頑張れよ。」
「ああ、お前もな。」
そうして俺は移転の光に包まれていった。
「あ...結構上空になってしまったが.....問題無いか」
移転直後そう呟かれたことなど知る由もなく。
これからだんだん長くなっていく予定です。