幕間4
幕間4
「……で、俺は出る幕無かったわけか」
「......その……ごめんなさい」
「どうして謝るんだよ……。ヒカリ、お前はよくやったよ」
俺はヒカリの頭を撫でてやる。
「......えへへ……」
俺の胸に顔をうずめて甘えるヒカリは、まるで猫のようだった。
「......夢の中でも、こうして兄さんが抱いてくれたんだよ……正夢だったんだね」
「そ、そうか……って、なんでローザが赤くなってるんだよ?」
「な、なんでもないわよ!」
そう言ってローザはそっぽを向いてしまった。
その日の夕方、俺の退院が正式に伝えられた。
「もう動けるの?」
「ああ。今朝の時点で傷自体は全部治ってたからな」
「……それなら」
「ん?」
ローザが意地悪っぽく笑う。
「明日からは覚悟しておいたほうがいいわよ? ちょうどゴールデンウィーク中ってだけあって、あの子達が遊びたがってたし」
「マジかよ……」
「このレポート読み終わったら、さっさと準備しておいたほうがいいわよ?」
「あ、ああ。わかったよ……」
ローザが帰った後、渡されたレポートを開いた。
そこに記されていたのは、今回のクリスタルモンスターが人為的に生み出されたものである可能性についての記事だった。
添付されている写真に、ステラの部屋で見つけたものと同じクリスタルが写っているものがあった。
つぼみん先生が調べてくれているとのことだが、なにか関係があるとしか思えなかった。
……そういえば、ステラの部屋で回収した日記帳……
サイドデスクに置いてあった日記帳に手をのばす。
……なんだこれ……真っ黒で読めない……
ところどころに日常的な一コマが書かれているだけで、肝心なところはすべて黒く塗りつぶされていた。
……マジかよ……後半全部読めないなんて……
ローザの持つ日記帳と関係性を見出せると思ったが、どうやら甘かったらしい。
ため息をついて日記帳をデスクに戻したとき、俺の携帯が震えた。
開いてみると、メールが数件来ていた。
『先輩! 言いたいことはいっぱいありますから、明日からまたいっぱいおしゃべりしましょうね!』
というアカリからのメールに続き、アキラ、ケン、ヒヨ、熊谷先生と、個性あふれる文面が並んでいた。
……やべ……なんか泣けてきた……
俺は頭を振って、布団をかぶった。
……今回も無事に皆生き残れたんだ。これで一件落着でいいだろ……
*********
*********
次の日からは大変だった。
アキラたちが「遊園地に行こう!」と言うので行ったわけだが……
ジェットコースターに何週も連れまわされて死にそうになるし、ティーカップで目まわされるし。
……最初から撮影係に回ればよかったな……
女子チームがメリーゴーランドやらゴーカートやらに乗っている間、俺とケンとヒヨは、ひたすらカメラを回す作業に専念していた。
観覧車は人数的に分かれないといけなかったので、ケンの采配により、ローザヒヨ、ヒカリアキラアカリ、俺ケン、という組み合わせで乗ることに。
箱の中で景色を眺めながら、ケンからの質問攻めに応じて時間を潰した。
夜は夜で、アカリアキラのペアが俺の部屋を襲撃し夜遅くまでトランプをして遊んだり、寝落ちした二人をどうするかでもめたりと、いろいろ大変だった。
ゲーセンで時間潰したり、決闘をしたりしていたら、あっという間にゴールデンウィークは終わってしまった。
普通に学校で授業を受け、宿題をこなして討伐科としての任務もこなしていたら、5月も終わりそうになっていた。
あと1週間で6月という日、つぼみん先生から呼び出しがあった。
「ライトくん、君にプレゼントがあるんだ~」
「プ、プレゼント?」
そう言って取り出したのは、俺のと同じBS。
「実はね、ヒカリちゃん達に頼まれて、作ってたんだ〜」
「ヒカリが?」
「うん。だから、大切に使ってあげてね〜?」
……こんなもの用意してたんだな……言ってくれれば良かったのに……
「あ、あと、頼まれてた解析の結果、これにまとめておいたから、BSの調整終わったら、目を通しておいてね〜」
「あ、ありがとうございます!」
……これでなにか進展があるかもな……
*********
その日の夜、ヒカリにBSのお礼を言っておいた。
「......お礼なら、赤月先輩とステラにも言っておいて。あの2人のおかげでクリスタルを調達できたようなものだし」
「そうか……それにしても、なんのクリスタルで作ったんだ?」
「......え……えっと……」
……なんだ? 様子が変だぞ……
「......ダイモニオンの親玉から、ドロップしたんだ」
「そ、そうか……」
……どんな追加効果があるんだ……




