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招待状は配られた

遅い更新ですいません(土下座)

時はもうすでにヨリが目覚めた所まで進んでおりますので、その点だけ考慮して下さい。

まぁ、そんなこと考慮しなくても読めます←


 唄うように、誰かに思いを伝える事は

 きっと酷く難しいことなんだろう


 すぐに愛する人を抱き締められたらどんなにいいだろう

 好き放題にできたらどのくらい楽になれるだろう

 今直ぐにこの時間を投げ出せたら、僕は何になれるのだろう


 誰かの幸せを素直に喜ぶ事が出来ないのは

 この世界で僕達だけだ


 何かの不幸でしか何かに対して優劣を付けられないのは人間だけだ


 この世界で

 何も無くて泣ける人間なんて居ない

 何もなくて誰かの為に自分を差し出す奴はいない

 憎しみがなければ愛情は生まれない

 無関心がなければ、誰も人を愛さない

 

 欠けた存在がなくなれば

 全てが揃った世界になれば


 もう世界に、僕達は必要ないのだろう


 揃っても

 欠けても

 全ては同じこと


 どちらも不完成で不安定で

 この世の中に完璧なんて必要ないのに

 人は 僕達は 誰かは それを求める






 理由もなく人助けなんてしない






 訳もなく抱き寄せたりしない

 もし冗談で演技ができるとしたら、それは傷付かないようにただ自分を守っているだけなのだ

 誰かの手を取って微笑むのは利用できるから


 キスも抱擁も全てそう

 同じ事


 どうでもいい奴に限ってつけあがるから

 哀しみを紛らわせることなんていくらでも出来る

 人はそうしないと生きてはいけないから

 どんなに自分が嫌いでも、殺したいほど憎んでいても

 最期にはどんな手を使ってでも自分を守る


 最愛の誰かが自分と天秤にかけられても、自分を選ぶ

 そういう生き物だ





 理由もなく人助けなんてしない






 見返りがあるから、誰かに優しく出来る

 見返りがあるから、形振り構わず手を伸ばすことが出来る

 

 何も無いのに前に進めるなんて嘘だ


 弱い者を見下す事で優越感に浸って

 自己満足で他人にぶつかって

 手に入らなくなるとまとわりついて


 迷惑も思惑も自制も利かない


 誰も、人の欲を止める事なんて不可能だ

 意思だけで、他人はどうにでもなる

 僕達の意思とは無関係に世界は動く




 

 明日、この身体が壊されることになったとしても




 

 真っ白な紙があったとして、

 幼い子供にそれを見せてみる

 これはなんだ、と聞けば

 おそらく白い紙だと答えるだろう


 真っ白な紙の中心に小さな黒い点を描いたとしよう

 それを同じように見せる

 真っ白な紙だと認識していたものはその瞬間に姿を変える

 これはなんだ、と聞けば

 どんなに大きな紙だったとしても

 おそらく黒い点だと答えるだろう


 点の数によっては、答えも変わって来る


 人の心もそれと同じだ

 はじめから、何もかもが真っ黒だったわけではない


 何も無いから白かったのだ


 ただそれだけのことだ

 考える力も、独りで生きていくための言葉も、世界の色ですら知らずに

 その両手には何も持たずに生まれてきたのだから



 何も無いから

 ただ真っ直ぐに生に縋り付いた



 何故生まれたばかりの赤ん坊は呼吸をする?

 何故お腹が空けば泣きわめく?

 どうして声を上げて母を呼ぶ?

 どうして眠くなれば機嫌が悪くなる?


 それは何も無いからだ


 何も、

 何も、


 真っ白な心には何も無かったから

 ただ愛されたくて

 その両手には何も持たずに生まれてきたのだ






 ***






 




 ヨリが瞳を開けて、自分の教室だと認識するまで、セイジはなにも話さなかった

 ただ机に伏せるようにして瞳を閉じているだけ、

 昨晩のことも、報告のことも、ヨリがどうやって部屋のベットに横になったのかも


 ターゲットがあの後どうなったのかも


 全てに口を塞いで、ヨリを完全に遮断しているかのように

 早朝の学校には、人もまばらで全くと言っていいほど誰もいない

 今、教室に居るのはヨリとセイジだけだ


 中学生、か


 ヨリは溜息をそっと押し殺した

 見た目は 普通、とまでは言えないけれど

 セイジは漆黒の髪に紅の瞳

 遠くから見たら、きっと学生に見える

 

 僕も、そうなのかな・・・・


 何人も何人も

 来る日も来る日も同じ仕事を繰り返して

 翌朝は午前中のみ学校へ通って

 栄養剤を飲み続けて

 いつ壊れるしぬか解らない身体を気にして

 睡眠もろくにとらないで任務を続けて――――――


 僕達は、もうどのくらいの年月を過ごしたんだろう?


 考えるだけで吐き気がしそうな気がした

 千年という時の流れは、一体何を変えたというのだろう

 何が変わったのだろう

 



 なにも変わってないよ、




 ヨリは欠伸をして、机に頬杖をついた

 頭の中には、セイジにどんな風に声をかけようか迷っていたのに声は喉から出そうにない

 ヨリは目の前で机に頭を伏せるようにして眠る、セイジの顔を見ながら携帯電話のメールボックスをチェックした


 着信は一件


 本日開かれる三条主催のパーティについて事細かに綴られていた

 昨日のターゲットに資料の情報を漏したと推測される者が何人かそのパーティに紛れているらしい

 今回は重役の護衛とその者達の始末だ

 メールの内容からして、どうやらさっきパソコンの方で確認した任務報告の方はそれほど重要な事ではないらしい


 軽い溜息をついてから、携帯電話を音もなく閉じる

 

 ヨリは今日の任務報告までどうやってセイジから昨晩の任務の話をさせるのかを本気で考え始めた

次回は多分また時間が戻って、セイジくんが三条に会いにいく所になります(笑)

なんかもうぐだぐだですいません、

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