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皇国民救出作戦

軍隊における人数割り振りは実際とは異なる、オリジナルの分け方です

「さて……四諜の皆、準備はいいかい?」

「おう」

「おっけー」

「いつでもどうぞ〜」

「……構わない」

「が、頑張りますっ」

「じゃあ、頑張ってね。フェンリルちゃんも、無理せず、ダメだと思ったら周りを頼るんだよ」

「ふぁっ!? あ、はいっ!」

 一瞬変な声出ちゃったけど、気にしないようにしよう。

「じゃ、ベータは戦闘四部の所へ。アルファはそこにある装甲車で。アルファ出発の10分後にベータも出発だから、宜しくね」

「よし、イス、向こうだ」

「オーケー」

 ベータであるイスさんとティールさんは戦闘四部の待機する場所に向かった。

「じゃあ、私達も行こうか〜」

「……了解」

「了解しました」

 アンスールさんは運転席へ、私達二人は収容スペースに入る。

『……出発』

「アルファ出発したよ〜」

『司令塔了解。宜しく頼むよ』

 アルファの装甲車が出発する。

「イスさん達のいる戦闘四部はどれくらい動くんでしょうか……」

「見た感じ装甲車十台あったから〜……二個中隊くらいかな?」

「はぁぁ緊張する……」

「大丈夫。私達がいるから」

 エオローさんが私の肩を優しく抱く。

「ありがとうございます……」

 それきり、しばらく無言のまま装甲車はガリア王国へと入った。

『……ちょっと揺れるよ』

 普通に道を走っていては潜入する意味がないので、ある程度道を外れて進む。

 ガタガタと揺れる車内。

『ベータ、作戦行動を開始する』

 無線でティールさんがそう言った。ベータも移動を開始したみたい。

『司令塔よりアルファ、少し右に行けるかい? その先はガリアの哨戒地域だ』

『……了解』

 ペオースさんの指示にアンスールさんが答えて、装甲車を右に曲がらせる。

 さらに進むこと10分ほど。

 アンスールさんが車を止めた。

『……到着』

「おっけ〜。アルファは目標施設付近に到着〜」

『ベータはもちっとかかるかな〜』

『司令塔了解。アンスールは門兵及び哨戒兵の掃討を』

「……了解」

 装甲車を降りて、要塞の様子を窺う。

「……三人」

 アンスールさんがライフルのスコープを覗いて言った。

「いけそう〜?」

「……余裕」

 アンスールさんがライフルを構える。今回はバレルの先に消音器がつけられている。

 パスッという軽い音がした。

「……一人」

 銃口を門兵のいる方向へ向ける。

 パスッ……パスッ

「……クリア」

 え、終わり?

『ベータ、要塞付近に到着』

 イスさん達も要塞に着いたらしい。通信が入ってきた。

「フェンリルちゃん、裏門クリアの通信しといて〜。私ちょっとロッドの調整するから〜」

「あ、了解です。……えっと、アルファ、裏門周辺の掃討完了しました」

『司令塔了解。ベータ、作戦行動を開始。交戦次第アルファは侵入を開始して』

「了解しました」

『おっけー。ベータ作戦行動開始ー』

 一旦通信を切る。

「いいね〜フェンリルちゃん。そのまま通信役お願い〜」

「了解しました」

 その時、要塞からサイレン音と同時に通信が入る。

『ベータ接敵、交戦開始ー』

『戦四(戦闘四部)八二(第八二小隊)も接敵した。交戦を開始する!』

『司令塔了解。アルファ、作戦行動を開始せよ』

「了解しました」

 エオローさんとアンスールさんに手でゴーサインを出す。訓練校で習ったハンドシグナルの一つだ。

 走りながらレイピアを召喚する。

『戦四八三接敵、交戦開始!』

「了解です。頑張って!」

 これでまだ接敵していないのは二個小隊だけだ。

 小さな裏門に走り寄る。

「鍵掛かってます」

「……どいて」

 アンスールさんが腰のホルスターから白銀の拳銃を抜いて、扉の鍵に向けて発砲した。

「……開いた」

 同時に扉を開けてアンスールさんは左、私は右、エオローさんは後ろを警戒する。

「あ……右側壁です」

「……こっちは階段」

「後ろはクリアだよ〜」

「……行こう」

 エオローさんを先頭に、私、近接戦の苦手なアンスールさんは一番後ろに、階段を駆け上がる。

「よっと〜」

 先にエオローさんが防御魔法のシールドを展開しながら階段上をクリアリングする。

「おっけ〜」

 私とアンスールさんも上がって、エオローさんがシールドを解く。

『戦四八零接敵、交戦開始』

『戦四八三だ! こっちに敵が集中してる、増援頼む!』

『司令塔より戦四八一、増援指令』

『戦四八一了解、前進を中断し八三の援護に向かう』

 陽動部隊は全部動いてる。八三小隊の人達は大丈夫かな?

『司令塔よりアルファ、皇国民は地下だ。まずはそのまままっすぐだ』

「了解です」

 アンスールさんが後方の警戒、私とエオローさんで左右をクリアリングする。

「右クリア〜」

「左もクリアです」

「……オールクリア」

 慎重かつ素早くクリアリングしていく。

 四列目まで行ったとき、司令塔であるペオースさんから指示が出た。

『司令塔よりアルファ、そこを右に曲がると扉がある。そこを降りるんだ』

「了解しました」

「行こっか」

 頷きあい、右に曲がる。そこは一本道だった。

「……ん」

 アンスールさんが手を軽く上げる。

 中ほどまで進んだ所でアンスールさんが後方に敵を発見した。

 少しして、指を二本立てる。これは敵が二人いるということだ。

 そして手を三回振る。振るのは敵までの大まかな距離で、振る回数が多いほど遠い。三回じゃ見つかるような近さじゃない。

「いいよアンスール。進もう」

 エオローさんが先を促す。

『ガリアの野郎、衝撃隊を投入してきたぞ!』

 衝撃隊というのは、ガリアが世界に誇る最新の魔法銃を装備した部隊の事を指している。コンパクトでありながら破壊力が大きい『衝撃銃』からもじられた。

『くそっ! あんまり保ちそうにない! なるべく早くしてくれ!』

「了解ですっ もう少しだけ持ちこたえて下さいっ」

「……あまり遊んでる時間はない」

「遊んでないけどね〜。よし、急ごっ」

 扉をあけると、また階段が現れた。

 音を立てないように駆け下りて、クリアリングする。

「オッケーです」

「皇国民はどこだろね?」

『司令塔よりアルファ。皇国民はその近くのはずだよ』

「了解です」

『戦四八二だ! 損害大、増援求む!』

『司令塔、戦四八二は前線を下げ、なるべく交戦を避けるんだ。増援は出来ない』

『くっ……了解!』

「そろそろ危なくなってきてます……」

「みたいだね〜。急ごう」

 辺りを見回すと、いくつか扉があった。

 一番階段に近い扉に近寄り、配置につく。

 エオローさんが頷くと、扉を勢いよく開いて突入する。

「右クリア」

「……左クリア」

「ここじゃないね〜」

 どうやらここは武器庫のようだ。ただ武器は見当たらない。

「……この数、殆ど外に行ってる」

 アンスールさんが辺りを見回して言う。

「じゃ、早く救出しちゃお〜」

 二つ目、三つ目と食料庫で、四つ目の扉の前に立ったとき……

「……いる」

「え?」

「……ここの中にいる」

 エオローさんが頷いて突入する。

「正面に敵です!」

 敵にも存在がバレているので、そのまま敵に向かって突っ込む。

「地下牢にて――」

 通信しようとするガリア兵をレイピアで斬る。

「えいっ」

「ぎゃぁぁ!」

 エオローさんが火球でガリア兵を倒す。

「ナイスですエオローさん……!」

「フェンリルちゃんもいい動きだったよ〜」

「……皇国民発見」

 敵に集中してて気付かなかったけど、この部屋は地下牢で、そこには皇国民が十人ほど囚われていた。

「アルファ、皇国民を発見しました」

『司令塔了解。それで全員かい?』

「あ……確認してみます」

 牢の中にいる一人に聞いてみる。

「これで全員なのですか?」

「あ、ああ……そうだ。あんたらは……」

「四諜です。もう大丈夫ですよ」

 あ、つい四諜なんて言っちゃったけど、伝わったかな……。

「おぉ、四諜か! 助かった! 頼む、ここから皆を助けてくれ!」

 通じるんだ……。

「勿論ですよ。エオローさん、救出しましょう」

「……そだね。アンスールお願い」

「……了解」

 アンスールさんが鍵を破壊して、皇国民を誘導する。

「アルファ、皇国民全員救出しました。これから撤退します」

『司令塔了解。速やかに撤退せよ』

『フェンリルちゃんお疲れ様ー。といっても最後まで気抜くなよー』

「分かってますよ……」

「行こうフェンリルちゃん」

「あ、はい」

 アンスールさんは皇国民の一番後ろに、私とエオローさんが戦闘に立って撤退する。

「……」

「エオローさん、どうしたんですか?」

「いや〜……なんかやけに少ないな〜って思って」

 言われて考えてみる。

「確かに……ティールさん言ってましたもんね。『数十人』って」

「うん。だから他にいるのかと思ったんだけど……」

 もしかして、別の部屋にいたりするのかな……。

「きっと、殺されちゃったんだろうね〜」

「えっ……」

「だってさ、捕虜数十人でしょ〜? 生かしておくにはちょっと負担が大きいもん〜」

「そんな……」

「フェンリルちゃんには辛いかもしれないけど、これが現実だよ。ハッピーエンドなんてないよ」

 エオローさんは真顔でそう言うのだった。



「アルファ、皇国民全員を安全圏まで救出完了。作戦行動を終了します」

『司令塔了解。全軍、現時刻を持って状況を終了。撤退を開始せよ』

『了解』

『損害はでかいがなんとかなったな。アルファ、助かったよ』

「いえいえ……皆さんもお疲れ様です」

 装甲車のもとへたどり着く。

「思ったんですけど……入りますかね?」

「まぁ〜……なんとかなるよ〜」

 エオローさんが爽やかに笑う。なんとかなりそうもないみたい。

「……エオローとフェンリルが前に来ればギリギリ」

「な……なるほど……ひとまず皆を乗せちゃいますね」

 そう言って、皇国民の人達のところへ向かう。

「では、これから皇国へ戻るので皆さん装甲車に乗って下さい。慌てなくても皆さん乗れますからゆっくりでいいですよ」

「ありがとう、助かったよ」

「いえいえ」

 一人ずつ誘導して、最後の一人が乗ったところで扉を閉める。

「エオローさん、終わりました」

 運転席の方へ行くと、エオローさんはもう助手席に座っていた。

「フェンリルちゃん私のひざの上ね〜」

「う……は、はい……」

 エオローさんの上に座る。香水のいい匂いがする。

「……出発」

「ん〜フェンリルちゃんあったかいし軽い〜」

 エオローさんが抱き締めてくる。

「あっ……な、何ですかもうっ」

「まぁまぁいいじゃん〜」

 ぎゅうとエオローさんが抱き締める力を強くする。と言ってもそんなに苦しくないけど……。

『フェンリルちゃん可愛いー私も抱きたい!』

「えぇ!? なんで通信入ってるんですか!? そしてその発言は問題だと思います!」

 私がつけっぱなしにするはずないから……。

「エオローさんですか」

「勿論」

「やっぱり! 今の全軍に流れてますよね!?」

『戦四八三、ばっちりでした!』

『戦四八四も同じく!』

「いやぁぁもう言わなくていいですから! エオローさん早く切って下さいよ!」

「え〜? 仕方ないなぁ〜」

 エオローさんが通信のスイッチを切る。だけど……

『あったかいし軽いってさ。フェンリルちゃんって誰だ?』

『あれだろ? 新しく入ったっていう……』

『あ〜あの黒っぽい銀髪の子か〜』

 もう止めてぇ!

『よかったねーフェンリルちゃん。これでファンも増えるよ』

「だからいらないですって!」


 帰投作業も順調に終わって、深夜二時ごろにミサエル基地に戻ってこられた。

「皇国民の搬出終了しました」

「ありがと〜」

 救出された皇国民はこのあと戸籍確認され、問題がなければそのまま家に帰ることができる。

「おう、お疲れ」

「やほー。今回もよゆーだったっしょ!」

 そこへティールさんとイスさんが戻ってくる。

「あ、二人ともお疲れ様です」

「お帰り〜」

「……お疲れ」

「いやーフェンリルちゃん初陣にしてはなかなか上出来じゃーん。ねーティール?」

「まぁ…そうだな。なかなか悪くないんじゃないか? 通信もしっかりできてたし、そこらの兵士に比べりゃいい方だ」

 ティールさんにしては珍しい素直な高評価。

「そ、そうですかね…ありがとうございます」

「照れてるフェンリルちゃんかわいー♪」

「やめて下さいっ」

 そうやって作戦後のじゃれ合いをしていると、ペオースさんがやってきた。

「やぁ皆、お疲れ様。疲れてるところ悪いけど、急いでミズガルド城へ戻ろう」

「あ? 何でだよ」

 ティールさんが聞く。

「いやね、どうやら明後日…いや正確には明日か。ガリア王国の作戦で変更があるらしいんだよ」

「うげ。アタシらに出撃()ろってか」

「まぁそういうことだ。さぁ、行こう」




 帰りの運転はアンスールさんも私達と仮眠を取るためにペオースさんに任せて、朝の八時頃にミズガルド城に到着した。

「ふわぁぁ……だっるー……」

 イスさんがあくびをしながら面倒くさそうに歩く。

「仕方ねぇだろ軍令部は隊全員でいかねぇといけないんだからよ」

「またなんか言われるのかな〜」

「さぁな」

 どうやら軍令部は四諜には当たりがきついらしく、皆嫌な顔をしている。普段感情を表に出さないアンスールさんでさえ嫌そうな表情。

「……寝たい」

「いや気持ちはわかるけどよ。あきらめろって」

 しばらく歩くと、軍令部の豪華な扉が見えてくる。

「見た目だけ偉そうにしやがって……」

「まぁまぁ……落ち着いて下さいよ……」

「いーや、フェンリルちゃんは見たことないからそんなこと言えるんだ!」

「部隊振り分けの時会いましたけどね」

 あの時は確かに無愛想ではあったけど普通だったような……。覚えてないけど。

 ティールさんが扉を開けて、中に入る。

 軍令部の中は私達四諜の部屋の倍くらいの広さ。部屋の四隅に魔法で灯した灯りが一日中部屋を照らしている。真ん中に大きな机があって、アスガルド世界の地図が机にはめ込まれて、その上にガラスを張っている。

 部屋の一番奥にまた机があり、そこに軍令部長が座っている。

「失礼、軍令長、諜報四部、ガリア攻略作戦での変更との連絡があり、参りました」

 軍令長は五十歳くらいで、武官制服を着ている。

「……ふん。本来ならお前達などに頼むつもりはなかったんだがな」

 確かに邪険にされてるよ……最初とは大違い。

「そもそも、お前のような新兵がなぜこんな四諜なんぞに配属されたんだ。皇帝は何を考えていらっしゃるのか……」

 私の事なんだろうな。

「まぁいい。ガリア攻略作戦において、ガリア軍の精鋭とも言うべき強撃四隊をお前達と特別戦闘一、二部の共同で行う事となった」

「特別戦闘部ねぇ……」

 イスさんがぼそりと呟く。

「おい、お前ら入れ」

 軍令長が扉に向かって言う。すると、二人の人間が入ってきて、軍令長の横に立った。

「特別戦闘一部隊長のヘル・マクシリアンと二部隊長のクロウ・マーチスだ」

 赤髪に、ティールさんと同じ黒い皇国制服を着た女の人が一歩前へ出る。

「特別戦闘一部隊長のヘルよ。役割は強襲兵。宜しくね」

 次に黒髪、私やイスさんと同じ緑の皇国制服を着た男の人が前へ出る。

「特別戦闘二部隊長、クロウといいます。役割は遊撃兵ですが……まぁあまり関係ありませんね。四諜の皆さん、期待してますよ」

 ……なんかずっと私のこと見てたよ……。どっかおかしいとこあったのかな?

「……んで? 軍令長はこいつらとアタシらでえーと強撃四隊撃破しろってのか?」

 なんか話し方が雑になってる。丁寧だったの最初だけだよ。

「そういうことだ。状況作戦はお前達に任せる。以上、早く行け」

 半ば追い出される形で軍令部を出る。

「……全くあの野郎……」

 ティールさんが恨めしそうに軍令部の扉を睨みつける。

「まぁまぁ、それより、先の話をしましょう? 四諜の人達と戦えるなんて光栄です」

 ヘルさんがこちらを見て言う。

「全くですね。最も、僕達と四諜の差は微々たるものですが……」

「いいからさっさと作戦立てるんだろ?」

 ティールさんが面倒くさそうに返す。

「それなのですが、先程僕とヘルで話し合いましてね。強撃四隊は僕達特戦二部、ヘル達特戦一部は強撃二隊。貴女方四諜で強撃一と三隊を撃破するということで決まりました」

「何それ!?」

「はっ? なんで勝手に……」

 驚くイスさん、ティールさんを遮ってヘルさんが続ける。

「本当は私達特戦一部もお手伝いしたいのですが……実は一人負傷者がいてそちらまで力が回せなくて……」

 申し訳なさそうに言うヘルさん。しかも若干涙目だ。

「いいんですよヘル。何せ彼女達はミズガルドが世界に誇る精鋭です。これくらいどうってことないでしょう」

「……っち。まぁいいだろう。こっちはこっちでやらせてもらう。おい皆、四諜に戻るぞ」

 苛立たしそうにティールさんが踵を返す。イスさん、エオローさん、アンスールさんと続き私も戻ろうとして礼をする。

「おいフェンリル! 置いてくぞ!」

 少し後ろからティールさんの呼ぶ声。

「あ、はい! 今行きます!」



 所変わって四諜のブリーフィングルーム。

「……つーことでだ。アタシらが強撃一と三隊をやるんだと。適当でよくね?」

「ティール、それ投げやりすぎ。フェンリルちゃんいるんだからせめてフォーメーションくらい決めとこうよ」

「……そうだな。前衛はアタシとイス、エオローは中距離支援、アンスールは長距離援護、フェンリルは状況に応じて近距離と中距離を使い分けろ。できるか?」

「はい。頑張りますっ」

「通信もフェンリルに担当してもらおう。ペオースと随時連絡をとって、接敵次第フォーメーションだ」

「了解」

「まぁいつも通りだねぇ〜」

「……問題なし」

「じゃ、こんなもんでいいだろ」

 終わったのかな……?

「じゃ私杖のお手入れしてくるね〜」

 エオローさんがブリーフィングルームを後にする。

「……寝る」

 アンスールさんもエオローさんの後に続く。

「あ、ティール。救出作戦の報告書届けに行こうぜー」

「あ? ああ、そうだな」

「そうだ、フェンリルちゃんも行くかいー?」

 イスさんがこちらを振り向いて言う。

「そうですね……私も行きます」

「フェンリルちゃんなら言うと思ったよー」

「余計なこと言わなくていいですからっ」



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