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NOISE.2  作者: 坂津狂鬼
本編 デート?
9/66

牢獄

引き続き、タイトルなんかに意味は無い

暗い牢獄。オレにお似合いな場所だ。

そして今現在、オレはそこに居る。行動範囲は牢内のみ。

8月22日。オレは、オレが塵屑ゴミクズと罵った奴と【蒼い死神】によって昏睡状態にされた……つまりは二人に倒された。

その為にオレは今、どこにあるかも分からない牢獄にブチ込まれ、捕縛されている。

禁錮刑なのか、それとも処刑までの間だけこの状態なのかは知らないが、今のオレには特にする事も何もない。ニートと同類だ。

オレの力……空間を歪める力を使えば脱獄など簡単に出来るだろう。

しかし脱獄した所で、オレには特にやる事が無い。

なら世界平和のために、オレはこの牢獄で大人しくクタバルとするか。

「起きてる~?」

能天気な声が前方からする。しかし確かこの牢獄内にはオレ以外の人は居なかったはずだ。

なら、一体誰だ? この癪に障る声を出してるヤロウは?

「ね~、起きてるの? 篠守しのかみ音亜おとあ君?」

「…………一体、誰だオマエ?」

オレのフルネームまで知ってるなんて。このヤロウは本当に一体誰なんだ?

「あ、起きてたか。よかったよかった」

「誰だって訊いてんだよ、答えろ」

「おー。さすがに光も差し込まないこんなジメジメした所にいたら、音亜君の悪そうな口調も直っちゃうんだ。それとも元々はそういう口調だったり?」

「誰だって訊いてんだろうが、答えろよ」

「いやー、暗いから顔見えないね。本当に君は篠守音亜君なの?」

「……用が無いなら、帰れ」

このヤロウと話してるとムカついて仕方ない。さっさと消えればいいのに。

「用ならあるよ。篠守音亜の扱いについてね」

「んァ? オレの扱いだァ?」

「おぉ! 本物だ本物。それじゃ君の命について話そうか音亜君」

「…明日、死刑って訳か?」

「それなら明日来てるよ。そうじゃなくて、君は場合によっちゃ釈放ね」

………今なんて言った? 釈放? アホか?

「音亜くーん、ちょっと協力してくれない? 僕らに」

「お前らにコキ使われろと?」

「そうなんだよー、困った事に即戦力が欲しんだよ」

「…壊すのは構わないが、何が起こったんだ?」

自分で言うのもなんだが、オレは特級の危険人物だ。牢獄の外へ出すのは言語道断。

しかし、それをしなければいけないという事は、それほどの事態が起こったという事だ。

オレがココでのんびりと捕縛されてる間に、外で一体何が起こったんだ?

「解読者って知ってる?」

「張空陽介の事か。聞いたことがある程度だ」

「そう……、その張空陽介が宣戦布告してきたんだよ」

「宣戦布告? それがどうした?」

その程度じゃオレを出す理由としては不十分過ぎる。

たかが一人が戦争をしたいっていう宣言をしたところで即戦力を必要とはしない。

「その宣戦布告が普通じゃない点が三つあるんだよ。一つは張空陽介は2年前に死んでいる事。一つはこっちに攻撃される時を細かく説明してきた事。一つはそれが予言である事」

「意味が分かるように言ってみろ」

「張空陽介はすでに死んでいる事になってるのに、こっちに電話掛けてきて、相手がそっちに戦争仕掛けるよって忠告してきたってわけなんだよ」

「それを宣戦布告とは言わねェよ」

「そうかな? 戦争が起こるよって言ってるから宣戦布告だと思ったんだけど」

「それで、その予言通りに事を進めない為にお前らはオレを出すのか?」

「ま、そういう事だね。なんせ物凄く血生臭い事をやろってんだから場馴れしてる奴が必要でしょ?」

「それで即戦力ってわけか」

メンドウな事だ。まあいい具合に暇潰しにはなりそうだが。

「牢獄を出るにあたって、色々と制限を受けるけど……それでもおk?」

「まともな英語で了解を取れ。協力はしてやるが」

「そうかいそうかい、そりゃ良かっ―――」

「代わりに条件がある」

ただ一方的にオレがコキ使われるのは癪に障る。

こっちだって条件ってものをだしてやろうじゃねェーか。

「条件? 何、言ってごらん」

「週休二日。ボーナス有り。昼食休憩2時間。残業なし。勤務時間は9時から5時まで。時給は5000円」

「えぇーと…時給5000円の8時間労働が週5日の4週間で…80万!?」

「安い方だろ。これでも妥協した」

雇用保険に入れないんだ。これが最低ラインだろ。

「別に日給4万の20日労働でも構わない」

「言い方変えただけで結局は月給が80万じゃん!」

「こっちは命が掛かった仕事をやるんだ。それで、オレを出すのか? 出さないのか?」

「雇用主と相談してみるよ……」

その言葉を最後に会話は終わった。

そしてムカつくヤロウは出ていき、牢獄内は静寂を迎えた。

別に外に出たいとは思わない。むしろ一生涯この牢獄に捕縛されてもいいと思っている。

わざわざ外に出てやる事などオレにはないのだから。

ただ、この暗い牢獄内にいる特級の危険人物に話を持ち掛けてきたという事は。

このままだと世界は大きく変動するという事か。

ここら辺からおかしくなってきますんで、説明されてない事が説明されてる事になってたりそんな事があるんで、そういう時は一応報告してくれたらいいな。

まあ読者なんていないのだけど

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