眠る前に
君を待つ人がいる
桜並木
君の歩く道に
そよ風が吹く
物語は風にのって
はるか遠くへと
君を運ぶ
どこからか
花びら一枚
君に ひらり
風になる
どこまでも
雨の日のアスファルトの匂い
君と歩いた道
想い出す
どこまでも続く
君の足もとに
春の風そよぐ
髪をかきあげる君
うなじの白い肌
新しい服に着替えて
どこまでも続く
この長い道のり
春の風吹いて
君に贈る
フルートにそよぐ
春の歌
鼻歌交じり
いつもの道
見えない姿
君を感じる
春の夜風
日付変わるころ
誰かを想う
眠るなら
そこで
言葉交わして
いつまでも醒めたくない
春の眠り
日が昇るまで
逃げるように
君と夢の中へ
おやすみ……
おやすみなさいをここに。
眠ってしまう前に、ここに