後日談
あれからトンネルを抜けて歩き続けた。
広い道路まででると気が抜けて倒れてしまった。
聞いた話だと優しい人が救急車を呼んでくれたらしい。
病院で寝ていると親父が駆けつけてくれた。
ひさしぶりに見た親父の顔を見て驚くほどほっとした。
あれから何日か経った。
あの時起こった出来事を親父に話したが、信じて貰えなかった。
でも何度も繰り返し梅ばぁちゃんのことや、やすさんや夕さんのこと、そして美桜ちゃんのことを話した。
親父はただ一言よく帰ってきたなとだけいってくれた。
さすがに親友や両親の死はショックだったようで誰にも見られないように泣いていた。
それから葬儀などいろいろなことがあった。
瞬く間に月日は流れ、二回目の春が来た。
「おーい、尚! 朝だぞ~はやく起きないと遅刻するぞー」
「すでに起きてるよ! ちょっと準備してたの! 初日から遅刻はシャレにならないから」
「はいはい! はやくメシ食え!」
俺は急いで朝御飯をかけ込む。
スーツに着替えて、忘れ物がないか確認した。
俺はお仏壇の前に座り俺を守ってくれたやすさんと夕さん、梅ばぁちゃんに美桜ちゃん達に手を合わせて挨拶する。
尚はすっと立ち上がり玄関に向かった。
「じゃいってくるわぁ」
「はいよ! 尚、ビシッと決めろよ!」
「はいはい。いってきます!」
外は桜の季節、春の日差しが心地いい。
チャリで目的地にまで走らせた。
「よしっがんばるぞ!」
気合いをいれて建物に入っていく。
俺は彼女の夢を引き継ぐことにした。
そう…彼女がなりたがっていた教師という夢を。
1年留年してしまったが、大学で教員免許もとり、ようやく教師になることができた。
俺は出来るだろうか彼女のような春の日差しみたいな暖かな笑顔を。
でも美桜ちゃんの夢を俺の夢にすることを決めたんだ。
体育館では校長が長話をして生徒はだらけている。
ようやく教頭が話を本題にもどす。
「今日本校にて新たに教鞭を振るってくれる先生がいます。白波先生どうぞあがってください」
俺は緊張しながら一歩づつ登りマイクの前に立つ。
「えーと。私は白波尚といいます。本日からこの学校にお世話になります。教科は歴史を担当します。皆さん気軽に話かけてくださいね!」
美桜ちゃん…俺は出来てるかな。
あなたのような笑顔を…
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