第4話a²
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「ねぇ悠希」
「わあっ!!…びっっくりしたぁ。和希?どうしたの?」
「あの、生徒会長は大変かな?って思ってさ。」
悠希は書類と向き合うのを一旦やめ、教室の掛け時計を確認して、こちらに向き直る。
「なーんだ、そんなことでこんな時間まで居残りしてたの?」
辺りはすっかり暗くなっている。
「そんなことって…。さっきまでの悠希がなんか思い詰めてる感じに見えたから、ちょっと心配でお声掛けしたんだよ。」
「―――心配…、されてるんかぁやっぱり~~」
悠希はダラーっと背もたれに寄りかかる。
「まあ、やっぱ会長は大変そうだからね、しょうがないんじゃない?」
でもでもっ!と悠希は背もたれを掴んで起き上がる。
「和希もさ、生徒会書記をやってくれてるわけで、それは誰からも心配されてないでしょ?」
「いや、その…、俺の場合は人望も友達もゼロだからさ。」
涙をこらえ、ぐすんと鼻をすする。
「ご、ごめん。そんなつもりじゃなくて…」
「…まあとにかく、心配されてることは悪いことじゃないかもねって話ッスよ」
俺は悠希の対面に腰掛け、書類と悠希を見比べる。
「……?」
「お、俺、手伝ってもいい?」
その瞬間、悠希の瞳に満天の星が灯る。
「マジ?!いいの!?ありがとーっ!!!」
「!!?……んっ。」
悠希の笑顔をまぶしく、あたたかく感じ、俺は少し胸が熱くなって目をそらす。そうすると、悠希は一瞬くすりと笑い、顔を小さく傾けた。
「ありがとね。和希っ」
◇笑広悠希 かく語りきり◇
◇◆◇◆◇
「和希もっと笑ってよー!」
「それはココロにも言ってよ…!」
「わたしはちゃんと笑ってる。」
―――カメラのシャッターが切られる。限られた空間に私たちだけがいる。そんな状況がスゴく楽しい。
「もー、和希!プリ撮るときは笑って笑って!」
「嫌イヤいや、俺はじめてなんだから。むしろ今回に関しては、客を笑わせきれなかった機械の方が悪いね。」
「え?プリクラ信者女子の前でプリの悪口いった?」
「… … …すまみせん」
「ほら、続きやるよ!」
―――でもきっと、こんな楽しい時間もいつかは終わってしまうのかもしれない。
「おつかれー。ココロちゃん、撮った写真はここの外から出てくるんだよ!」
「ほんと?」
「ちょっと探してみてっ!」
ココロちゃんは こくっと頷いて、とっとこ走っていった。
「はぁーつかれた。悠希さん、これってスマホの加工でも出来そうじゃね?」
「まあ出来るけど。わざわざプリで撮ることの大切さが分からないような悲しい人間なの?」
「いやーぁ友だち100人いる俺が悲しい人間なわけないっしょ」
「…和希?0に何をかけ算しても0なんだよ?」
「……100を足せば解決だし」
「100を足さないといけないのが問題なんだよ。」
私はそろそろ外に出ようと思って動きだした。でもその体を一瞬止めて、疲れ顔の和希に向き直る。
「……和希。…なんで今日いっしょにお出掛けしようって言ったか分かる?」
「なんで…って普通に遊びたいからじゃないの?」
和希は首を傾げて不思議そうな顔をした。
―――いつからかな…
この表情が、この仕草が、この人が、愛しくなったのは…
「どしたん?急に黙って…」
「ねえ、和希。」
「……?なに?」
小さくて柔らかそうな唇と、ほんのり火照った頬、2回続けて瞬きをして、まつげがきれいに伸びた目元をパッチリ開く。
1つひとつの動作がかわいく思えるその顔を、私だけが見つめてる。
―――いっそこのまま、和希を独り占めしてしまいたい。
「あのね、…真面目に聞いてほしいことがあって。」
「…えっ?……あ、う、うん。」
何かを理解したように、和希の顔が真っ赤になってる。きっともう、この想いはバレてるのかな…
だったら、もう、…止まる必要はないよね。
「わ、私とっ、t「ゆうき。写真取ってきたよ。」
「tんぬぅうおおおおお!!!っとココロちゃん!おっかえり!!」
そういえば、まだプリクラの中に居たんだった。
「ああそうそう和希!それでね、プ○セカの話の続きだけど!!」
「あ、アーアノ今イチバンアツイ音ゲーネ!!俺最近課金額がわんだほいなんだよ!はははははははは!!」
「「はあぁ…」」
和希と私の溜め息が重なった。ココロちゃんに気づかれないようにって ごまかしたけど、ちょっと無理があったかもしれない。
和希と一瞬だけ目が合ったけど、あまりの恥ずかしさに耐えられなくてすぐにそっぽを向いてしまい、私たちはそのままプリクラのブースを後にした。
「………写真あげる。」
ココロちゃんが和希にプリ写真を渡して、和希はそれを見て加工技術の高度さに感心してる。その次にココロちゃんがとてとてと歩いてきて私にも写真をくれた。
私も写真の和希やココロちゃんを見て心を落ち着けようと思ったけど、リアルの方のココロちゃんが手をクイッと引いてきたから一旦そっちを見た。
「…耳かして。」
少し屈み、言われた通りに耳を傾けると、ココロちゃんは手を当てて、こそっと呟いた。
「和希は照れやだから、もっと落ちついてる時が良いと思うよ。」
それだけ言って、ココロちゃんは和希のところに走っていった。
―――えっ!?バ……、バレてるっ?!!
ココロちゃんの末恐ろしさに触れてしまったかもしれない
意外と恋愛描写もがんばろうかなって思ったんですけどね、あんまり苦しい恋愛とか書けないし書きたくないので出来る範囲の最大級をお見せできればと思います!
恋愛してぇえっ!!うわぁあああ!!!!!
お見苦グンナイ