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0話 招待状

 東京都足立区の小さな探偵事務所。

 まだ建て替えたばかりで新築のそこで、私は眼鏡をかけた白髪の男性と相対していた。


「反論にもなっていないし、推理小説とミステリー小説は違うと何度言ったらわかるんだ阿呆」


「阿呆じゃないですけど?あと、どう考えても一緒ですよね?私何か間違った事言ってますか?」


 男性……沢野アキラは私の持ってきた本を見て探偵小説かと小馬鹿にしてきた。それに対して私はミステリー小説だと反論したところ……


「はぁ……探偵小説と言うのは探偵が事件を解き明かす話だ。だがミステリーとは一般的に神秘的だったり不思議な。それこそ人の手には負えない事を指している。人がミステリーを解き明かしたらそれはミステリーでもなんでもないトリックだ。故に私は探偵小説とミステリー小説を別物と考えている」


「それかんっっぜんに貴方の主張じゃないですか……」


 私は一応この男の助手をしているが、この男の人を小馬鹿にしたような態度や空気を読めないところがどうにも合わない。

 そもそも私が探偵をしたいと思ったのはミステリー小説の探偵のように難解な事件に出会しそのトリックを暴きたかったからであって……


「はぁ……事件起きないかなぁ……」


「物騒な事を言うな。事件なんてここ2年で何度もあっただろうに。私はもうあんなの懲り懲りだぞ」


「ああいう神様的な事件じゃなくてですね……こう、人間が頑張った。ミステリー小説みたいな事件に会いたいんですよ」


「だから推理小説だと——」


 ピンポーン


 私達がまた口論を始めようとした瞬間、まだ募集板すら貼っていないこの探偵事務所のインターホンが鳴った。


「ん」


 アキラに顎で行けと命じられ、渋々向かう。

 どうせ宗教関連だろうな。宗教に良い思い出が全くないので相手にしたくないが、一言言って黙らせようと扉を開けると。


「すみません、沢野様でしょうか?」


「はい。まあそうですけど」


「では、こちらの紙にサインをお願いします」


「は?」


 宅配の人が立っていた。そして、封筒を私に渡すと普通に帰っていった。


「なに、これ?」


 封筒を開けると、そこには更に黒い質の高そうな封筒が2つ同封されていた。


 差し出し人の名前は——




 エドワード・マイケル

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