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第七階層とドラゴン

 第七階層に辿り着くと、そこには山があった……


 「ダンジョンの中なのに山か、それに、ここはウィルフェンのミスリル鉱山に少し似ている。 もしかすると採掘も出来るかもしれない。 それに……魔物も多い」


 さすがに地竜は居ないだろうけど、空を飛ぶ鳥の魔獣や、ワイバーンの様な魔物の姿が見える。

 第六階層とは段違いの強さの可能性もあるけど、戦わずに第八階層に行って戻れなくなるのは避けたいし、戦うしかないか!


 セリルに魔法で攻撃して貰うと、空の魔物達が一斉にこちらへ向かって来た!

 見えている魔物達だけなら良かったけど、何処にいたのか、数百体の魔物が空を埋め尽くし、こっちに向かって襲い掛かってくる!


 さすがにこの数は無謀だ!

 僕達は急いで第六階層へ避難して、作戦を立てる。


 「さすがに多すぎだろ……」


 「すまない。 近くに多くの魔物が居る事は把握していたが、まさか全部が襲って来るとは思ってはいなかった」


 「これ以上進むのは危険だな。 一度戻って他の眷属を呼んでみるのはどうかな?」


 「その方が良いかもしれないね。 狭い道に誘き寄せて倒して行ったとしても、あの数じゃさすがに無理だもの」


 四人で対処出来ないと言う訳ではないかもしれないけど、僕達は命を懸けてまで無理をするつもりはない。

 

 一度拠点へと戻り、ダンジョンに来てくれる眷属を集う。

 そして、再び第七階層の入り口へ帰って来た。


 「カイゼル、アミューゼン宜しく頼む」


 「お任せて下さい。 魔術の研究ばかりで刺激が欲しかったので、丁度良い」


 「お任せ――あれ」


 再び第七階層に行くと、魔物達は山の頂上付近を飛び回っている。


 第八階層の入り口の場所は検討も付かないけど、とりあえず山頂を目指して登っていくか。

 山を登っていくと、大きな洞穴があり、中も広いけど、行き止まりになっている。


 魔物達は一度倒してしまえば、すぐに新しい魔物は自然発生しないはずだし、ここで一度空の魔物達を殲滅する作戦に出る。


 まず、アミューゼンが糸を張り、罠を仕掛けて行く。

 簡易的な罠で、糸に引っかかった魔物に矢を浴びせて行く罠だ。


 次にカイゼルも魔法陣を設置して罠を張る。

 こっちもそれ程難しい物ではないらしく、通過しようとする魔物を炎の壁を作って焼き殺すと言うものだ。


 罠を設置し終えた所で、敵を誘き寄せる為の魔法をカイゼルが放った!


 洞窟の外が一気に騒がしくなり、洞窟に魔物の群れが押し寄せて来る!

 (なだ)()んで来る魔物達は罠に掛かり、次々にダメージを負っていく。


 それでも奥に控える僕達の方まで、魔物達はやってくるけど、アトラスと僕でなんとか弱った魔物を押し留める事は出来る。

 第六階層の魔物の方が力は強かったけど、弱っていなかったら無理だった。


 僕とアトラスの後ろからセリルとヘンリーナとカイゼルが魔法で攻撃をしてくれる。

 セリルは強化した≪ストーンバレット≫で攻撃し、ヘンリーナは≪ブリリアントフレイム≫で援護をしてくれている。


 洞窟内で、≪クリムゾンフレイム≫の様な強力な炎の魔法を使うのは危険らしく、≪ブリリアントフレイム≫は炎ではないらしいので大丈夫だそうだ。


 カイゼルは≪ライトニングトルネード≫と言う竜巻を発生させる魔法を使い、バチバチと電光を発しながら魔物達を飲み込んでいく。

 

 僕とアトラスも突っ込んで来た魔物達を倒し続け、魔物達の気配が無くなる……


 「気を着けろ。 いきなり何かが湧いた様に出て来た」


 アトラスの言葉の後、洞穴に一体の魔物が入って来た。

 

 それは、単体では最も強いとされる種族であるドラゴンだった。

 大きな翼がある為、本来は飛翔して戦うと思うけど、ここは洞穴の中だし、その分僕達に有利なはずだ。


 ドラゴンと言ってもワイバーンと同じくらいの大きさだし、戦えない事はないはずだ。

 アミューゼンの罠に引っかかり、カイゼルの罠にも引っかかるけど、それを物ともせずに向かって来る。

 

 魔法に耐性を持っているのか、セリル達の援護では怯む事すらない。

 僕とアトラスが立ち向かい、攻撃する事で初めてダメージを与える事が出来た。


 しかし、攻撃は浅く、ドラゴンの尻尾の攻撃でアトラスと僕は後方へ吹き飛ばされてしまう!


 僕達にダメージは差ほどないけど、ドラゴンが口を大きく開けて咆哮(ほうこう)と同時に何かを吐き出して来る!


 咄嗟(とっさ)にヘンリーナとカイゼルの張ってくれた防御魔法を突き破り、物凄い衝撃が僕とアトラスを襲う。

 

 吹き飛ばされた僕とアトラスは洞窟の壁に打ち付けられ、落下し、地面に打ち付けられる……


 とんでもない力だな……


 僕とアトラスのダメージは深刻ではあるけど、立ち上がってそれぞれの武器を握り絞める!


 アトラスは猛然と立ち向かい、僕は精神を集中させる。

 ジャレイフが地竜との闘いで見せてくれた奥儀≪牡丹≫を試してみる。


 ≪牡丹≫は一つの剣で使う剣技だ。

 だけど、僕は双剣。


 僕なりにイメージして今奥儀を完成させる!


 ≪天香国色(てんこうこくしょく)


 集中させた精神を爆発させ、荒ぶる剣気を抑え込み、思い切り剣を振りかぶる!

 アトラスがドラゴンを抑え込んでくれている隙に、ドラゴンの首目掛けて、一直線に渾身の一撃を叩き込む。


 振り抜いた双剣に確かな手ごたえが残るけど、僕は勢いを殺せずに、そのまま地面へと突っ込んでしまう。


 慌てて立ち上がり、振り向くとドラゴンの首が地面に転がっていた!


 僕は「やったー!」と勝利の雄叫びを上げると、眷属達も一緒に喜び褒めてくれる。

 

 しかし、その余韻(よいん)にいつまでも(ひた)ってるわけにはいかない。

 しばらくは大丈夫だと思うけど、魔物達がまた自然発生してくるかもしれない。


 罠はドラゴンのせいでボロボロだし、セリルは余裕そうだけど、カイゼルとヘンリーナとアミューゼンは魔力にあまり余裕がないらしく、ここで引き返す事になってしまった。


 ドラゴンをセリルの≪ストレージ≫で回収して山を下る。


 帰りに第六階層でまた、鳥達に襲われたけど、≪ダークミスト≫を最初から使うと、楽に倒す事が出来た。


 今回は諦めてしまったけど、カチェスタのダンジョンの攻略はまだ諦めないつもりだ。

 魔力の回復手段さえあればきっと第八階層へも行けると思う。


 カチェスタの宿を取って、僕は本体へと戻った。

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