~リック視点~ 皇后救出隊
はぁ……力をくれるってこう言う事じゃないよな?
皇后から金獅子に会えと言われ、会えた所までは良かった。
しかし、その後皇后が、ベリルの古城と言う場所の最下層に囚われているらしく、現在俺は力不足の為、金獅子に鍛えられている。
「なあ、もういいんじゃねえのか? 俺かなり強くなったぞ」
「そうだな。 ベリルの古城はアンデッドの巣窟と言ってもいい。 しかも他の魔境とは比べ物にならない程強いアンデッドが出現する。 現在ある魔境で最も危険な上にダンジョンは入ってから出て来れた者が殆ど居ない。 正確には第三階層から戻って来れた者がいないと言う事だが……ここでいくら寝入りに準備していても始まらなければ、終わる事もない。 攻略を始めよう」
「割に合わねえ……皇后を助けたら、とんでもない報酬を要求するからな!」
「ああ、期待していてくれ!」
皇后救出隊は、全部で十人。
まずは俺。
そして、ミランダ。
そして、金獅子……なんて名前だった? 良く覚えてねえけど、ランなんとかだ。
そして、金獅子の部下のコーデリックとデイモンドとジャミル。
三人は全員魔族と言う種族の男で、少し前に騎士団に入隊したばかりなのに、魔法も武器も超一流の帝国騎士達だ。
個々の実力では金獅子にまだ敵わないらしいが、金獅子はそうは思ってないみたいだ。
そして、ヴァジールで話題沸騰中の金剛級冒険者チーム【ウルフズベイン】の四人。
こっちも全員魔族で、ラブリエとオートルーって名前の、冒険者としては日は浅いが、一見しただけで熟練者だと分かる壮年の男二人と、エミリとナイトリアムって若い女が二人だ。
この十人で皇后を救出できなければ、世界のどこにも出来る奴がいねえってくらいのメンツだそうだ。
冒険者達はこの依頼を始め断っていたそうだし、それだけが不安だな。
ベリルの古城ってのはアブリ―って街から北西に進んだ砂漠地帯にある魔境で、中心になっている部分には崩れた城があり、そこからダンジョンに潜る事が出来る。
砂漠には周辺には見られない上位アンデッドが徘徊しているらしく、一般人や並みの冒険者は近寄る事すら適わねえ。
移動には馬車を使い、アブリ―の街で補給が済んでから歩いて魔境へ行く。
アンデッドだらけの砂漠だから、当然、食料や水は現地調達出来ない。
物資は多めに持っていき、ダンジョンは無理をせずに、物資が付きそうなら引き返して、再度攻略に挑む……
すぐには終わらねえかもしれねえな……




