城郭都市 ウィルフェン
僕達の目指す次の国は、僕達のいる大森林から東へ真っ直ぐ進んだところにある、ウィルフェンと言う国で、最近まで戦争をしていたらしい。
クラークスの街へ来た冒険者達が離しているのを、アリアドネが聞いて分かった事だ。
戦争はウィルフェンの勝利で、通行するのも出来るし、戦争中は活動出来なかった冒険者達も、今は問題なく活動しているようだ。
「そういえば、第五階層の時にあの固い魚みたいな魔獣に≪ストーンバレット≫をぶつけてたけど、なんで≪ストーンバレット≫でダメージを与えられたんだ?」
「私の魔眼の力で、魔法の効果を調節出来るようになったの。 五段階に分ける事が出来て、三が普通の効果って考えて貰うと分かりやすいかも?」
つまり、威力を上げる事も出来れば、下げる事も出来ると言う事か。
普通は魔法を一度イメージして固めてしまうと、それ以上の効果も出せないし、加減も出来ない。
そう考えると便利な能力なのかもしれないな。
「あるじ、ヒ、ヒ、イル……エル……東にある国へは道がないように見えますが、このまま進んで大丈夫なんですか?」
「ん? ウィルフェンって言いずらいもんな。 道はないけど東に真っ直ぐって話だろ。 多分大丈夫だ。 道に迷ってもセリルが居るなら問題ない」
特に急ぐ必要はないと判断して、下調べもしないまま、皆で歩いて向かっているけど、結構遠いのかもしれない。
セリルに飛んで周囲を見て貰うと、街を発見する事が出来たみたいだ。
僕達はそっちに向かって行くと、大きな壁に囲まれた城? が見えてくる。
「あれは……城か?」
「あれは城郭都市だな。 城壁で囲み、防御を固めている街だ」
近くへ行くと門は開かれていて、兵士が立っているけど、税を取ったりはしないようだ。
そのまま街の中へ入ると、中心部には城が立っているのが見える。
宿を取って、ギルドへ向かうが、その途中で意外な人物を見かけたので声を掛ける。
「ユリアン?」
「おお! 白金級冒険者のディル殿ではないか!」
「ここで何を? それと、出歩いて大丈夫なのか?」
人目があるので下手な事は言えないのが面倒だな。
クラークスの街は、行く行くは国になる予定だ。
つまり、ユリアンは国王であり、その国王が平然と他国に居て大丈夫なのかと聞いて見たかった。
「ウィルフェン王国は今、終戦して間もない。 物資を買い取って貰おうと余が自ら共を連れて、交渉をしに来た。 そして、交渉は旨くいき、今からクラークスの街へ帰る所だ」
交渉に失敗したくなかったと言う所だろうか?
この国はクラークスの街とも近いし、人も多く流れてくる事を見越してと言う事かな?
一度宿に戻って、ユリアン達はセリルの≪ゲート≫で送ってもらい、再びギルドへ向かう。
ギルドの仕事は他の街と比べ、護衛や夜盗の討伐などが多く、薬草の採取なんかも多い。
アトラスは薬草の採取等の仕事をいくつか引き受け、残った三人で護衛の依頼を引き受けた。
護衛の依頼者はギルドで待っていれば来るそうなので、その間、冒険者達の話を聞いたり、ダンジョンや魔境の情報も調べて見ると、ここにはダンジョンや魔境がなく、南東に行くとミスリル鉱山があると言う情報を得た。
ただ、ミスリル鉱山にはワイバーンや凶悪な魔物も住み付いている為、簡単に採掘は出来なくなっているそうだ。
ミスリルは僕達の装備にも使われているけど、高価だったので、他の眷属の装備などには使われていない。
一度探索して、僕達で安全を確保出来そうなら、ギムロス達を連れて採掘する事も考えておこう。
ギルド職員から名前を呼ばれたので、どうやら護衛依頼をした人物がやって来たみたいだ。
依頼主は貴族で、ここから南西にある湿地帯の魚を取るらしい……
湿地帯にはリザードマンの部族が住んでいて、危険な場所なので護衛を依頼したと言う事だ。
そうまでして食べたい魚か、ちょっと気になるし、僕達も捕まえる事が出来たら取ってみよう。




