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第五階層 ボス部屋

 第五階層に辿り着くと、さっきまで居や荒野の様な場所とは違い、洞窟の様な場所に出る。


 空気はひんやりしていて、水の(したた)る音が鳴り響く。

 足音を立てるとその音が反響して、ヘンリーナの小さな声も良く聞こえる程静かだ。


 「暗いですね。 明かりは付けないんですか?」


 「魔族の私とディルは暗闇の中でも物が良く見えるし、アトラスは嗅覚が優れているから問題ないのかな?」


 「私は嗅覚が優れているが、視界も良好だ。 恐らく闇の属性を持っている者は暗くても平気な者が多いのだろう」


 「そういう事ですか。 私も耳が良いので跳ね返ってくる音を聞けば問題ありませんが視界は非常に悪いですね。 明かりをつけても良いでしょうか?」


 明かりをつけても良いと返事をすると、ヘンリーナが魔法で周囲を明るくしてくれた。

 この魔法は光の魔法で、洞窟の中なのに昼間のような明るさを保ってくれている。


 アトラスに先導されて、奥へ進むと魔獣が現れる。

 大きな蝙蝠のような魔獣が洞窟の天井にいっぱいぶら下がっている。


 「それじゃあ、ここはお姉さんが活躍させて貰おうかな≪イビルアイ≫」


 セリルの周りに無数の黒い玉が浮かび上がり、よく見ると目玉が着いている。

 

 黒い眼玉達はじっと蝙蝠の魔獣を見つめて、しばらく待っていると目玉が大きくなり、魔獣達は何故かバサバサと落下してくる。


 落下して来た魔獣はセリルのベクトル操作によって一か所に固められ、残り僅かになった魔獣に大きくなった目玉を突っ込ませると、その全てが爆発した……


 「何をしたんだ?」


 「私の≪イビルアイ≫は闇の魔法で生み出した魔法生物で、私の魔法やスキルを一部使う事が出来るの。 それで、呪術師の能力である、≪ライフスティール≫を使って倒して、残った魔獣を貯め込んだ力を魔法エネルギーに変えて爆発させたの」

 

 「それは凄いな」と褒めると、もっと凄い事も出来るとお姉さんぶって来たのでアトラスに先へ進むように指示をだす。


 先へ進むと、大きな扉が現れ、その扉の目の前まで来た。


 「これは……あれだな。 俺の……ここに人が来るとは思えないし、普通にしゃべるね。 僕のダンジョンにも作る事が出来るんだけど、ボス部屋って奴だ。 ここを通らないと第六階層へは辿り着けないんだけど、この部屋の中にいるのは自然発生させる事の出来る魔物の、何倍も強い魔物が一体だけいるはずだ。 倒せない事はないと思うけど、皆はどうしたい?」


 三人共僕に従うと答えたので、そのまま扉を開ける。

 中へ入ると一匹の魔獣がいる。


 空中を浮遊する大きな魚っぽい魔物で、鋭い歯と全身に(とげ)が生えている。

 僕達を見ると、口から水の玉を吐き出して襲って来る。


 「浮遊している敵は厄介だな。 セリル! ≪グラビティサークル≫で落とす事は出来ないか?」


 「やってみる!」


 セリルが≪グラビティサークル≫を使うが効果がない。

 僕達は水の玉を避けながら、浮遊している魔獣にどうやって攻撃をするのかを考える。


 セリルとヘンリーナは遠距離から魔法で攻撃をしていき、僕は闇属性の魔法≪ダークミスト≫で包み込み、状態異常を狙う。


 アトラスはセリルとヘンリーナの護衛に徹して貰う。


 魔獣の体は固く、どの魔法にも耐性があるようで、なかなか傷つける事が出来ない。

 セリルの≪イビルアイ≫の爆発にも耐えるが、これは結構効いたようで、遠くから水の玉で攻撃だけしていた魔獣がセリル目掛けて突っ込んで行く。


 それをアトラスが受け止めると、針が刺さりながらも押さえつけて、その隙に僕が攻撃を加えていく。

 魔獣の体は予想以上に固く、普通に斬りつけるだけではダメージならない。


 魔獣はアトラスを振りほどき、再び浮上を始める。

 その隙にヘンリーナがアトラスの傷を癒し、再び魔法攻撃を始める。


 魔獣の針が光り、無数の針が飛んで来る。

 セリルのベクトル操作が、強力になっているお陰で、その針は全て魔獣に向けて跳ね返って行くが、魔獣にダメージは見られない。


 セリルの魔眼が光り、無数の≪ストーンバレット≫を打ち込むと魔獣にダメージが入り暴れ出して、またセリルに突進し始める。


 それをまたアトラスが受け止め、僕がその隙に新しく身に着けた剣技≪透刃斬≫で攻撃をする。

 この技は斬りつけた斬撃を鎧や骨などを()り抜けて力を伝え、内臓などの急所を攻撃する技だ。


 魔獣は血を吐き出して暴れまわり、力尽きた。


 面倒くさい魔獣だったけど、このくらいならまだ余裕を持って倒せそうだ。

 倒した魔獣をセリルの≪ストレージ≫に収納して、第六階層を目指して、ボス部屋を抜けた。


 

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