クラークスの街
ワイバーンの討伐は簡単に終わってしまった。
北の山で対峙した瞬間に、ヘンリーナが飛び込んで行き、両腕を大きく振るうと、巨大な爪で抉ったみたいに、ワイバーンが八つ裂きにされて、倒れた。
回復をメインにと思ったけど、動きも素早いし、攻撃力も高い。
僕は呆気に取られて眺めていると、「ヘンリーナは褒められると、伸びる子なので褒めて貰えると嬉しく思います」と言って来たので、頭を撫でて褒めると、表情に変化はあまりなかったけど、目を細めてしっぽをパタパタし始めたのできっと喜んでくれているのだろう。
仕事は早く終わってしまったけど、ワイバーンの解体がある。
セリルも居ないし≪ゲート≫を使えないので、その場で解体を始め、素材を取り除いていくとちょうどいい時間になってしまった。
小型のドラゴンと称されてはいるけど、ワイバーンは翼を広げれば僕が両手を広げて五人分くらいの大きさはあるので、解体するのも大変だった。
残った死体は獣や魔獣が食べるだろうし、ここに置いて帰っても大丈夫だろう。
宿にはセリルだけが居て、アトラスはギルドランクを上げるために沢山仕事を受けたので、今夜は帰らないかもしれないと教えてくれた。
セリルにチーム名を訪ねると、ディル家と名付けられそうになったので、ヘンリーナに委ねると、僕の名前には銀貨と言う意味があるらしいので、【奈落の銀貨】に決定した。
僕はセリルとヘンリーナを残し、本体に戻り、今日の出来事などの話をアリアドネにすると、いよいよ僕の街が交易を始めて行くそうだ。
せっかくなので、街へ行ってみると、僕の与えたゴーレムがユリアンの指示に従って、黙々と働いてくれている。
街並みは綺麗に舗装された道で繋がれていて、ヴァジールの街に雰囲気は似ているけど、建物が出来たばかりで美しく、規則正しく並んでいるので、見栄えだけで言えばヴァジールの街に劣る要素はないと言っていいだろう。
国にまで発展させる事が目的なので、居住区には空きがあるみたいだけど、更に広げて行く予定らしい。
僕が作った大きな倉庫は、もういらないと思うし、撤去して、代わりにユリアンの屋敷を立てた。
拠点で屋敷を立てた経験を生かして、要領も把握していた僕は、あっという間に作る事が出来た。
ギムロスの工房となる場所にも大きな工房を立てて、僕達の装備を作り終えたらこっちに移って貰う予定だ。
更に、ユリアンの屋敷の地下には宝物庫や大切な資料なんかを扱う為の、広いスペースを作り、部屋もいくつか作り上げる。
ギムロスの作った装備や、畑でとれる食材なんかが交易の品になるけど、他にも交易に使える物を作っていく必要があるので、考えて置いてくれとユリアンに頼まれた。
交易品か……魔法能力の高い魔族達だから、マジックアイテムとか安く作れたりはしないだろうか?
それに、僕は魔獣を召喚する事が出来るので、それも何かに使えるかもしれないか……
交易するに当たって街にも名前を着けなくてはいけない。
ユリアンがクラークスと姓を名乗っているので、そのままクラークスの街と言う事にした。




