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狐少女とギルドのお仕事

 「……なんで裸なんだ?」


 「ムシャクシャして暴れたらこうなった。 だが、もう安心だ。 私は今スッキリして落ち着いている」


 暴れたんなら仕方がないとはならないだろう……むしろ不安になったし、裸じゃ困るしセリルには街でアトラスの服や防具を買ってきて貰うよう頼んだ。


 さて、アトラスにも今後はダンジョンの攻略に力を入れる事と、ギルドランクを上げて行く話をする。

 それなら、ギルドからの依頼は、チームによって持ち掛けられる事もあるので、チーム名を決めて置いた方がいいと助言してくれたので、チーム名を考える。


 格好悪い物でなければ何でもいいし、セリルが帰ってきたら決めて貰おう。

 

 それと、アトラスがギムロスに直接防具の事で相談があるようなので、セリルが帰ってくるのを三人で待った。


 僕とアトラスが会話している横で、ヘンリーナが小さな声で「アトラスさん、アトラスさん」と呼び掛けていた様なので、二人で静かにしてその声を聞いた。


 「アトラスさん。 鬼は心に宿る者、いつかあなたにも転機(てんき)(おとず)れるかと思われます。 その時は何も考えず、心に(したが)う事をお勧めします。 以上です。」


 「んん? 私に助言してくれているのかな? ありがとう。 私も眷属として、君には期待している」


 眷属同士が仲良くしてくれるのは、微笑ましいと思える。

 アトラスが裸じゃなければ……


 買い物に行ったセリルが戻って来たので、アトラスと共に拠点へ行って貰う。

 アトラスは元々自分の身に着けていた(ひしゃ)げた、鎧も手に持ち、拠点へ向けて扉を潜り抜けて行った。


 待っている僕とヘンリーナは手持無沙汰か……

 書置きを残して、僕達二人は先にギルドへ行ってヘンリーナの登録を済ませ、そのまま仕事も()け負う事にした。


 ヘンリーナが少女に見えたので、ギルドの職員は登録を(しぶ)っていたけど、僕が白金級の冒険者の為、説得するとヘンリーナも冒険者として活動する事が出来るようになった。


 他の冒険者達の会話から、また一本角の獣人が現れたと聞こえて来たので、僕達も注意する必要がある。


 戦力的に、ヴァジール帝国の英雄、ランジリオと渡り合っていた見たいだから、かなり強いのだろうし、安全の為にも、もし見かけて、対峙する事になりそうなら、逃走する事を念頭(ねんとう)に置いておいた方がいい。


 ダンジョンは封鎖されていないので、仕事は選べるくらいにはあるな。


 北の山に住み付いたワイバーンの討伐か。

 小さなドラゴンと言われるけど、ドラゴンを召喚出来ない僕にも召喚しようと思えば出来るので、全然違った種族なのだろう。


 戦闘面でもドラゴンに比べればはるかに弱く、普通のワイバーンであれば、白金級の冒険者であれば討伐するのは容易いと言われている。


 人里近くにはあまり寄り付かないらしく、貴重な素材も取れると言う事なので、僕はこの仕事を引き受けて、北の山へ向かった。

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