第四階層
第四階層へ行く事にセリルもやる気を出している見たいで、≪ストレージ≫で猿の魔獣を収納した後、第四階層へ向かう。
ここは広くて少し迷ったけど、無事に入り口を見つけたので、第四階層へ突入する。
第四階層も草原のダンジョンなんだけど……
「やばいかも?」
「ああ、明らかに空気が違うと言うか……これ以上進むとまずい気がする……」
僕のダンジョンは第三階層までしか作れない。
つまり、ここが魔境の主のダンジョンだったとしたら、最低でも僕よりレベルの高い拠点を持った主がいるはずだ。
僕の眷属は拠点のレベルが上がった時に全員能力が上がっている……
もしここの主の眷属なんて出て来たらまず勝てないんじゃないだろうか?
「少しだけ様子を見よう、無理そうだったらすぐに引き返す!」
「分かったわ」
セリルの視界で、確実に敵を見落とさないよう警戒しながら前へ進んで行く。
「二体魔物を確認したわ。 あれは……悪魔?」
「何処にいる?」
「上空……見つかった! 逃げる?」
「いや、迎え撃とう! いざとなったら俺を置いて行っても構わない」
上空から二体の悪魔が目の前に降り立つ。
悪魔と言えば、夢魔のアリアドネが拠点にいるけど、全然違う。
カチェスタで見たトロルよりも大きいし、翼を広げたら小さめの家よりも大きいんじゃないか?
姿は獣っぽくて羊のような角が生えている。
眼は赤く光っていて、闇の力なのか、吐き出す息が黒い湯気のように立ち込めている。
こいつら相手に二人で一体ずつ相手に戦うのは厳しいだろう。
僕が二体引き受けて、セリルには援護に集中して貰おう。
僕は思い切り突っ込んで、顔に一撃を叩き込む!
もう一体には≪ブラインドアロー≫を放つけど、効果はないようだ。
一撃を叩き込んだ方はダメージがあるようだけど、怒りを露にして僕に攻撃を仕掛けて来る。
単純な攻撃なら余裕をもって躱せる、しかし、もう一匹が魔法で攻撃をして来たので真面に貰ってしまった。
恐らく闇と風の魔法で、黒い塊をぶつけられたけど、闇の素養があるお陰か、状態異常などはなく、大したダメージでもなかった。
今の攻防で僕達でも打ち合えると感じた!
僕は前へ出て攻撃を交わし、双剣で急所を狙って傷をつけて行く。
物凄く固い毛皮だけど、ギムロスに作って貰った双剣のお陰で、なんとかダメージを与える事が出来ている。
悪魔の一匹が飛び立ったと思ったら、セリルの≪グラビティサークル≫で地面に留める事に成功した。
この魔法は重力の強化なので、体重の重い相手にはより効果も大きくなる。
このまま少しづつでもダメージを与えて行けばきっと倒せる。
相手の攻撃を躱しつつも、地面に穴を空ける程の力で叩きつけてくる悪魔の力は恐ろしい。
セリルの≪レゾナンスエクスプロージョン≫が、悪魔二体の耳元で爆発して、叫び声を上げる。
僕はその隙に精神を集中して、双剣を悪魔の首に、振り下ろす様にして突き刺す!
一体に致命傷を与える事が出来たけど、倒れた悪魔は口から黒い炎のようなものを吐き出し、攻撃してくる。
それを躱した所を狙われて、もう一体の悪魔が僕を殴りつけてくる。
双剣でガードしたけど、僕は体ごと吹き飛んで、胸の辺りに鋭い痛みが走る。
肋骨でも折れたか……
このまま寝ていたらそれこそやられていまうので、気合を入れて立ち上がり、悪魔の前に立つ。
致命傷を与えた悪魔は、虫の息で、立ち上がる事も出来なさそうだし、さっきの黒い炎に気を付けていれば問題ない。
もう一体に再びセリルが≪グラビティサークル≫を仕掛けると、悪魔の体が前に倒れ込み、僕が飛び込んで重力の力を借りて、一気に双剣を振り下ろす!
双剣は根元まで刺さり、もう一体の悪魔にも致命傷を与えた!
油断せずに、倒れた悪魔に何度か双剣を刺して確実に止めた刺していく……
なんとかやっつける事が出来た……
急いでセリルの≪ストレージ≫に倒した悪魔をしまい、来た道をすぐに引き返した。
ダンジョンから歩いて宿まで戻ると、アトラス達はまだ帰って来ていなかったので、僕は本体に戻り、セリルは≪ゲート≫で拠点に戻って来る。
今日の収穫である、鳥の魔獣五匹、猿の魔獣二匹、悪魔二体を拠点の表で出して、素材になる部分を解体して取り除く作業に没頭する。
途中リストが見に来て、「リストも手伝うー」と言って鳥の魔獣の解体を始めてくれる。
頼んではいないけど、鳥の肉は食べられるらしく、肉も丁寧に血抜きして包んで貰った。
猿の魔獣は食べられないらしく、爪と牙を取り除いて後は適当に処分してくれるらしい。
悪魔の解体をどうしようかと思っていると、ギムロスが覗きに来て、「ほう、いい角だな」と言ってパキンとハンマーで折って持って行ってしまった……
「あらん。 下級の悪魔ですね!」
「下級? 僕達結構苦労して倒したんだけど、弱い部類の悪魔なの?」
「一応戦闘面に関してはそれなりですね。 力は凄いですけど頭が弱いので、戦闘以外ではかなり使えない部類と言った感じです」
「戦闘はそれなりか……ちなみに、アリアドネは戦った場合はどうなる?」
「悪魔は上位の悪魔には、余程の理由がなければ戦闘にはなりませんが、もしも戦ったとしたら、アリアドネが勝ちますね! 肉弾戦のみならさすがに勝てないとは思いますが」
「そうなのか……ちょっと自信がなくなって来た……」
「ふふっアリアドネは生まれて間もないですが、力を持って生まれました。 ディル様はまだ実質六歳の人間から魔族になったばかりなので、これからどんどん強くなれますよ! ジャレイフも筋が良いといつも言っているではないですか!」
「そうだといいな」
悪魔の角をギムロスに持っていかれたので、爪と牙と皮を剥いで、素材を全部纏めたものを持って、ギルドへ向かう。
買い取りカウンターに持っていくと、悪魔の素材や第三階層の魔獣の素材を持ってきたので驚かれけど、ちゃんと買い取ってくれて、かなりの値をつけてくれた。
鳥の肉はここでは扱っていなかったので、近くの料理をする店に持って行くと、初めて調理する肉と言う事で、その場で簡単な調理をして、ごちそうしてくれた。
僕の感想としては、弾力があってちょっと固い肉だけど、噛めば噛む程肉の中にある味が染みてきて悪くないと思う。
セリルは固くてすぐに飲み込んでしまっていたけど、味は美味しいらしい。
店主も味見して、なかなかいい肉だと言ってくれたので、残りもそのまま買い取ってくれた。
また肉が手に入ったらいつでも売りに来てくれと言われたので、鳥の魔獣を狩ったらまた持ってこようと思う。
僕のホムンクルスの傷があまり良くないようなので、セリルに見て貰う為に宿から再び拠点に戻り、リストに治療して貰うと、折れて居た骨も直ぐに治った。
無理をするとまた同じ所が折れてしまうけど、一晩安静にすれば問題ないらしいので、宿にホムンクルスを置いて本体へと戻って来た。
もっと強くならなきゃと思い立って、訓練場へ行き、ジャレイフに今日あった出来事を報告して、そのまま訓練をやり始めた。




