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~ユリアン視点~ 魔族ステ振り

 先程生まれた余は、アリアドネによって今まで起こった事の概要(がいよう)などの知識を送られた。


 成程、(おおむ)ねの状況は理解出来たが、ここに来て、主であるディル様から新たな変化があった事を伝えられる。


 「ごめん。 色々と忙しい所すまないんだけど、僕に新たな能力が目覚めたんだ。 聞いて貰えるかな?」


 少し申し訳なさそうな顔をしたディル様に、アリアドネと共に是非聞かせて欲しいと返事を返すと、ディル様は新たな能力の事について説明をして下さった。


 新たな能力とは、種族単位での魔族の能力を変化させる事。

 それも、一度きりしか出来ず失敗は許されない。

 

 具体的にどのように変化させる事が出来るかと言えば。


 身体能力、魔法能力、寿命、欲。


 これら四つの能力には値があり、その値を他の値へ移したりする事が出来るようだ。

 その値の数が余った場合は、その余剰分で特異な体質や能力を得られると言う事らしい。


 そして、現在の魔族の値は。


 身体能力  61

 魔法能力  85

 寿命    62

 欲     48

 

 特殊能力  なし


 この値だけでは変化を実行するには不安があるので、参照出来る他の種族の値を見れないかと(たず)ねると、一つの種族の値を、一度だけ見れるようなので、人間の値がどうなっているのか教えて頂いた。


 人間の持つ値は。


 身体能力 47

 魔法能力 39

 寿命   25

 欲    88


 特殊能力 なし


 となっているようで、これだけ見れば欲以外の能力は全て魔族が勝り、全て足した数だけを比較しても、魔族は人間と比べ、明らかな上位種族であると分かる。


 「欲と寿命か……アリアドネ、この二つは厄介だと思うんだが、どう思う?」


 「そうですね。 その二つのバランスしだいで、かなりの変化が訪れると思われます」


 話が長くなったので大雑把に要約すると、寿命については、値が低い場合、繁殖する回数が増え、逆に値が高い場合は繁殖する回数が減ると考えられる。

 つまり、一人の死の影響が、後者の方が遥かに大きい。


 そして、寿命が短い事で、全盛期に到達するのが早く、衰えるのも早い。

 寿命が長い場合はその逆か、全盛期の期間が長引くのだろう。


 しかし、寿命が長ければ、人生観はぼやけてしまい、エルフのように平穏(へいおん)を望む者も多くなり、せっかくの高い欲の値が台無しになって仕舞い兼ねない。


 寿命が短くされた人間は、全盛期までの人生を計画的に考えなければならず、目標に対してはっきりとした思考でそれを達成すると言った、人生観を持つようになったと思われる。


 その為、人間には達人と呼ばれる者や、英雄などと言うドラゴンを倒す程のありえない力を持った者が現れる結果となったのだろう。


 寿命に関しては他にもないわけではないが、大方こんなものか。


 欲については単純だが、高ければたかいほど欲しい物を手にする力が高くなる。

 人間は自らの種族の繁栄だけではその欲を満たせず、他種族より優れた力を欲するあまり、成長の上限を超えていると言える。


 魔法能力の値が人間は低いが、人間社会には魔法を専門に扱う施設が存在し、与えられた値以上の魔法能力を有している。

 

 他の分野に置いてもそうだ、身体能力において人間は間違いなく弱い。

 しかし、人間はドラゴンすら狩る側に立つ事がある。

 

 寿命と欲のバランスによって、人間は種族として、全てが上限を超えた力を持っていると考えても間違いないだろう。


 この事を踏まえた上でアリアドネと共に、バランスを考えて導き出した答えがこれだ。


 身体能力  46

 魔法能力  95

 寿命    25

 欲     80

 

 特殊能力  魔力による身体能力向上


 人間と比べ圧倒的に魔法能力を高くし、下がった身体能力は特殊能力によって補填(ほてん)する。


 寿命を大きく削ったが、人間と同じ値なので問題はないだろう。

 出来れば欲も人間と同じ値にしたかったが、妥協してこの値にした。

 

 召喚された魔族達を放っておいて悪いが、この話だけで夜通し掛かってしまった。

 早く余も作業場に行って指示を出さなくては。


 余は一息置いてディル様を見る。

 とても幼く、人間で言えばおよそ十四くらいの見た目だそうだ。

 

 剥いたばかりの果実を思わせるような瑞々(みずみず)しい唇は余の視線を引き付け、腰に出来た(くび)れや、頼りないとさえ思ってしまわせる薄い胸板。


 未発達な手足は美しい曲線で出来ていて、思わず喉の奥を鳴らしてしまう。


 余とアリアドネが話ている時など、必死にそれを理解をしようとして、話を割るわけにもいかずに、唇を噛み首を傾げるその御姿を思い出すとまた喉の奥を鳴らしてしまう。


 いけない。

 余には急いでしなければならない、大切な(つと)めがあるのだ。


 これから余は森を開拓し、街を作り、国にまで発展させる。

 ディル様に挨拶を告げ、忠誠の近いと称して頬に口づけを交わし、匂いを覚え、その足を作業場へと向けた。

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