ダンジョンについて
ダンジョンについてアリアドネに相談してみる。
まずダンジョンについてだけど、必ず入り口は地表に露出していなければならない。
更にこれを洞窟などで覆う事は出来るけど、入り口扉を着ける事も塞ぐ事は出来ない。
入り口は作った後でも自由に移動できる。
ダンジョンは魔境によって作られた特殊な空間で、実際には地下に設置される訳じゃなく、小さな世界とも言える異次元世界を、魔境が生み出しているみたいだ。
僕にはそれがどういう事なのかいまいちで、理解に苦しむ。
アリアドネにはそれと似たスキルを持っているようなので、その事については任せてくれて問題ないとの事だ。
他には、魔境が生み出す為に、階層内の地形や環境を変化する事が出来る。
例えば、今の僕の力ならダンジョンを作ると、洞窟、森、平原を生み出し、そこに湖を作ったりする事や、季節の様な環境も変える事が出来るけど、寒くしたり暑くしたりする程度なので僕はあまり気にしなかった。
しかし、アリアドネ的にはかなり重要な事のようで、その辺りも彼女に任せようと思う。
ダンジョンには魔獣や魔物を自然発生させる事が出来て、階層の深さによって変わったりするみたいだ。
基本的には深い階層になるほど、強力な魔物達を生み出せるみたいで、僕が一度目にしたマジックアイテムなんかが入った宝箱は、魔境が稀に生み出す仕組みになっている。
そのアイテムなんかは、なぜか僕や眷属達が得る事は出来ないみたいだけど、僕の作り出した魔族達がそれを得る事は問題なく出来るみたいだ。
後は、ダンジョンを変化させる事はいつでも出来るけど、僕と眷属達以外の生物が、ダンジョンの中に侵入している時には、それが出来なくなってしまい、また、他の生物が居たとしても、新たな階層を作り、一定時間内であればその階層の変化だけは可能なようだ。
つまり、ダンジョン内に生命力の強い虫なんかが入ってしまい、巣でも作ってしまうと、ずっとダンジョンの変化が出来ずに大変な目に合うと言う事だ。
ダンジョンについては他にもまだあって、僕の支配領域内に居た場合、いつでも僕を含め、眷属達は好きな階層の出入り口に移動する事が出来る。
ただし、その移動は一度使うと次に使えるようになるまでに、一日掛かってしまう為、無いよりはいいけど、それほど使えるものでもない。
≪ゲート≫のような転移系のスキルや魔法も封じられているみたいだけど、オウルの≪飛燕≫のような限定的な瞬間移動スキルなら使用可能な例もあるみたいだ。
ちょっとその区別が曖昧なので、理解するには調べる必要がある。
ダンジョンに関してはだいたいこんな感じで、とりあえず間に合わせの環境を整える為にダンジョンの作成をアリアドネの指示にしたがって淡々と作り上げていく。
まずアリアドネに指示されたのは、現在の拠点の景観を損なわないように、拠点よりすこし東側に作り、地形を少し沈ませてダンジョンの入り口を作る。
その入り口を岩肌で覆い、入り口周辺を洞窟の様にした。
さらにその洞窟となった場所に大量のアシッドスライムを召喚し、このスライム達は僕の魔力で自給自足が出来ない分を補う。
このスライム達は分裂していくので、本来なら生み出した魔獣の子供の分までは、僕が魔力によって供給する事が出来ないけど、スライムの場合は本体が分裂して増殖するので問題なく僕の魔力だけで補う事が可能になる。
スライム達には迷宮に入らず、洞窟からも出ないと命令して、しばらく動きを見ていると問題なく命令を守っているように見える。
そして、ダンジョンの第一階層には洞窟を採用し、季節は寒い時期を選択している。
洞窟といっても、アリアドネの指示によって迷路のように入り組んでいる上に、道幅は狭くて、岩肌には鋭い棘がいくつもある様な感じだ。
さらにここで自然発生する魔獣や魔物を、アシッドスライムが六割、スケルトンを四割にして第一階層は完成した。
ダンジョン内の魔物達は侵入者を徹底的に敵対視するらしく、虫一匹でも侵入した場合にはアシッドスライムがそれを駆除してくれる。
数は一定数保つようになっていて、時間経過と共に上限まで増え続ける。
人間などの知的生命体が侵入した際にも、中は暗くて寒く、さらに棘々しい岩肌もそれらに不安感を齎し、現れる敵はアシッドスライムとスケルトンのみに限定している為、迷って自給自足をしようにもまるで食料となる物が手に入らない為に、侵入者の駆除が出来ると言う仕組みになっている。
同様の理由で虫や小動物も入った所で、例え駆除に失敗して奇跡的に生き延びたとしても、繁殖も出来ずに寒さで凍えるか、飢えて死んでしまう為、ダンジョンの変化に支障が出る心配をなくしている。
第二階層もほぼ同じ作りで、第三階層の一番奥に核を置き、第三階層だけは出現する魔物を全てスケルトンの上位種であるスケルトンメイジに指定してある。
とりあえず、当座を凌ぐにはこれで十分との事なので、僕達は拠点の会議室へと引き返した。




