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~アリアドネ視点~ 眷属会議

 アリアドネは拠点に残る四人の眷属を会議室へ呼び、皆が集まったので、今後の方針を伝える為の会議を始めます!


 「今日呼び出したのは、これからこの拠点に残る眷属のお仕事が増えるからです! まずはアリアドネの計画を伝える前に、話したい事がある方はいらっしゃいますか? はい、オウルから何かあるようですね。 それではお願いします」


 挙手(きょしゅ)していたオウルは、机にドン!と手を突いて立ち上がりました。


 「私に時間をくれてありがとう。 この場を借りて、私からは伝えたい事は、ディル様の育成方針につてだ! 今もまだ幼く感じるけど、私の出会った頃の人間であったディル様は魔獣の私から見ても明らかに幼かった。 ディル様はまだ子供だ。 魔境の主として相応しい教育を(ほどこ)すべきだと私は思う。 そしてその教育は幼いディル様にとっては辛いお気持ちになるやもしれない。 しかしそこは眷属として厳しく! 毅然(きぜん)とした態度を持って接する事を約束して欲しい」


 オウルの言葉にガタ!と席を立ちあがったのはジャレイフでした。


 「その意見には賛同しかねる! 確かにディル様は幼く、歳で言えばまだ六歳だ。 六歳と言えば好奇心旺盛な時期で泥遊びをしたり、子供同士追いかけっこをして遊んでいたりする時期だ。 魔獣とは違い人間は肉体も精神もゆっくりと育つ。 今はディル様の好奇心に眷属としてどう補填(ほてん)をするのか。 私はディル様の自由を奪うような教育方針ではなく、心から楽しいと思い、自らそれに取り組んで頂けるよう、遊びを取り入れた教育方針を他の眷属にも望む!」


 オウルも負けじと机をまたドン!と叩きジャレイフを(にら)みつけて口を開きました。


 「世迷言(よまいごと)を! ディル様は主として相応しい人物になりたいと(おっしゃ)られていた! ならば眷属として、支配者に仕える者として! 遊びなどと言った教育を許す事など出来ない! ジャレイフ! 貴様はまだ眷属となって間もない。 ディル様の事を真に理解しているのはこの私だ! 教育については私に任せて貰おう!」


 ……。


 「ふざけるな! 確かに我が身は眷属となって日が浅い。 しかし魔獣であった貴様とは違い、ディル様と同じく元人間だ! 理解の上で(それがし)が劣っているなどとは思わん! 教育はディル様と同じ魔族である(それがし)が引き受けようではないか!」


 怒ったオウルが暴言罵声(ぼうげんばせい)を吐きながらまた反論を始めました。

 このままでは話が進みませんね。

 パンパンっとアリアドネは手を叩いて二人に、静粛(せいしゅく)にするように(うなが)します。


 「二人共全てが間違っているわけではないですし、ディル様の事を思っての事だと言う事は、この場にいる者、全てが分かっていると思います。 アリアドネの意見としてはジャレイフの言った通り、ディル様のお考えを眷属達で助ける形の方が良い気がします。 その理由ですが、眷属達は皆、信用に値する方々であるとアリアドネは思っております。 信用のない眷属がいるのであればオウルの教育論の正しさは必要ですが、全て信用が出来る眷属となれば、主の御意思にどのような状況でも対応できると思います。 アリアドネ達は眷属として力不足ですか? いいえ、眷属としてアリアドネ達以上の者はいないと、アリアドネは確信しております。 その理由から教育方針など決めずとも、皆ディル様の為を思って最大限尽くす事こそが全て、そうアリアドネからはお伝え(いた)します。 最後にオウル。 納得いかないと言うのであれば、まずディル様の前に、オウルに最高の母親として相応しい教育を受けて貰うと言われれば、どう思うのかと、お考えになってからお話頂きましょう」 


 しばらくオウルは考え込むように腕を組んで目を(つぶ)っておりましたが、皆が見守る中、一言だけ口にしました。


 「返す言葉もない」


 どうやら納得して頂けたようで、嬉しく思います。

 ようやく本題に移れそうです。


 「さて、皆落ち着きましたね。 リストも疲れているようですし、簡潔に当初からお伝えしたかった事をお話しします。 まずはこの大森林の一部を切り開き、魔族の街を作ります。 本来は人間や亜人を誘い入れて情報を引き出す予定だったのですが、ディル様が魔族の召喚を行えるようになったので、魔族の眷属が統治(とうち)する街を作り、国として認められる程の規模にまで成長させます。 そうすればありとあらゆる情報が手に入りますので、この魔境の安全は盤石(ばんじゃく)なものになるかと思われます」

 

 この後、成程と(うなず)いていたジャレイフによって国が持つリスクなどに関しての質問もありましたが、私の持つ能力、ディル様の支配領域内全ての会話を完全記憶出来る事をお伝えすると納得してくれたようです。


 その他、国を作る以上、切り札の開発と戦力の考案などについても話をしました。

 ギムロスにとってこの会議は退屈だった様子だったので、話をした直後、「数を揃えるねぃ」といって工房へ行ってしまわれました。


 リストもこういった話は苦手な様子でしたので、今回の会議はこれにて終了とさせて頂きます。

 最後にオウルとジャレイフに体でも動かしてきなさいと、伝えると、早々に訓練所へ向かわれた様子で、激しいぶつかり合いをする衝撃が、この会議室にも伝わって来ました。


 なんとか(まと)まりましたね。

 後は、ディル様の拠点のレベルが上がれば言う事ないのですが……

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