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決戦コボルド

 「ディル。 ゴブリンの洞窟でミランダとアトラスが言っていた事を思い出して」


 そうだ、僕が魔境の主としての自覚を意識した言葉だ忘れるはずもない。

 僕達がこの先得られる物、主としての立ち振る舞い、そして、何を奪うのか。


 「ビル。 綺麗事を言うようで悪いんだけどその作戦は無しだ。 俺は真正面からぶつかろうと思っている。 逃げる奴は逃げたって構わない。 彼等にも生きて行くだけの理由もあるんだから」


 「俺達にも奴等を根絶やしにする理由は腐る程あるだろう? 何が気にいらないんだ?」


 「ここでビルの作戦を決行したとする。 最大限の利益を得る為にはどうすればいいと思う? 戦闘で運悪くビルが死んだ事にすれば俺達は最大限の報酬を得られるだろう? だが俺はビルを殺さない。 その答えで納得してくれないか?」


 「成程な。 ただの優男の言い分なら帰る所だったが、ちゃんと考え込んで決めたんなら文句はない。 お前の言った通り真正面から派手にぶつかるぞ!」


 「ありがとう。 もう一つ付け加えるなら、自分の利益の為に非道な行為で自分を捨てるような事をしたくなかった。 本当は何が正しいのかなんて分からない。 賛同してくれて本当に感謝する」


 「気にすんな。 あんた等は良い奴だ! それだけ分かってりゃ問題ない。 行くぞ!」


 ビルの装備は手元の短い闘斧。

 取り回しも良さそうだし、左手には盾を持っている。


 僕も前衛としてジャレイフからも訓練して貰った事で大丈夫だ!


 ミランダは攻撃を交わして、細剣での刺突で華麗に立ち回ってくれるだろうし、セリルは後衛から援護をして、相手の飛び道具に対してはベクトル操作でなんとでもなる。


 いざ攻め入られてもコボルドの力は弱く、同様の理由で有利に立ち回れるだろう。


 僕らが攻め込むとコボルドは即座にそれに対応し、防具で固めた精鋭たちが陣形を組んで立ち塞がる。

 セリルの≪ストーンバレット≫と僕の≪ブラインドアロー≫そして、ミランダも水の魔法である≪ウォータースパウト≫を使いコボルドの陣形を崩しにかかる。


 目の見えなくなったコボルドは石の弾丸を真面に食らい倒れ、突然足元に沸いた水の柱に打ち上げられたコボルドは転倒し、それを狙っていたミランダの一撃で仕留められて行く。


 僕とビルはミランダよりも遅れながらも確実に戦線を押し込んで行く。

 ミランダが前衛を突破して、相手の後衛に立ち、コボルドを次々と倒していき、残った前衛のコボルド達をビルと僕で追い込みながら止めを刺して行く。


 それでも数が多く、何匹かのコボルドは敗走して行ってしまったけど、負う必要はない。

 目視出来たうちの半分は狩る事が出来た。


 少し疲れたな……ビルは彼等の言葉は分からないだろうけど、僕には聞き取れてしまう。

 僕は静かになった戦場で目を(つぶ)って彼らの事を考えた。

 君達の事を(かて)にとして、僕達は生きる。


 それに感謝した。

 彼らにとってそれは侮辱(ぶじょく)にあたるのかもしれない、それでも僕は感謝する他なかった……


 コボルドの素材を一人ずつ、丁寧にはぎ取る作業を行っている。


 「あらら、服が泥と血で真っ黒だ。 全部狩らなくて良かったかもしれないな。 この倍近くいたんだ。 それをしていたら夜になっちまう」


 「そうだな。 この数でも日が暮れそうだ。 さっさと剥ぎ取って街に戻ろう」


 作業は日が暮れるまでには片付き、街へ戻った僕達はビルから剥ぎ取った素材と、依頼の分の報酬の半分を受け取り、最後に「またなんかあったら声を掛けてくれ」とビルに見送られ、ギルドを後にした。


 帰りにアトラスの服と、防具を受け取り、僕達は宿へと戻った。

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