アブリ―の街
街を目指し森を突き進むと、色々な魔獣達と出くわす。
こっちを見る事はあっても威嚇したり逃げたしたりする魔獣はいない。
中立の関係ってこんな感じなのか……声を掛ければ話を聞いてくれそうだし何より嫌な目を向けられていると言う気がしない。
街で物乞いをしている時は、本当に嫌な目を向けられて、心の底から嫌な感情でいっぱいだったけど……
人間にとっては危険な森も、僕にとって安全であっという間に森を抜ける事が出来た。
魔境は僕にとって家みたいなものだから、ここからが本当の旅立ちだ。
森を抜けて街まではそれほど遠くなく、今の僕達の足で向かえば直ぐに辿り着く。
街の入り口が見えてくると、少し緊張してきたな――前はただ生き延びる為に駆け込んだって感じだったけど、今は目的もあるしこれから何をするのかも決まっているから、上手く立ち回れるのかと言う不安を覚えてしまう。
街の門まで辿り着くと、そこに立っていた兵に声を掛けられる。
「あんたら旅の人かい?」
「そうだよ。 僕達は四人で旅をしているんだ。 何か用?」
「あんたずいぶんと子供っぽい感じで話すんだな。 別に用はないんだがあんた等が来た方へ小さな子供が出て行ってそれっきり戻って来ないんだ」
「知らない」
「そうか、無事だって話でも聞けりゃあ良かったんだけどな。 まあいいや、特に危険な物を持ち込んでないみたいだな――よし、アブリ―の街へようこそ、通りな」
この兵はセリルの事を言っていると思い、すこしセリルの方を見たけど首を傾げていたので違うのだろうか?
そして、子供っぽいか……すこし口調を変えたりしないと怪しまれてしまうかもしれないな。
それはさておき、まずは資金調達の為にギムロスが作ってくれた装備品とリストの作ってくれた売る様のポーションを買い取って貰おう。
いくつかの雑貨屋を回り、少しづつ買い取って貰う。
武器や防具の店もあったけど、こっちの都合よりも安値だったのでいくつか雑貨屋を回って、高値で買い取ってくれる店で売る事にした。
資金調達も終わり、今ある金銭で十日は持たせたいので安い宿を探す。
探すと言っても僕達は文字が読めないからとりあえず入って見ていくらか聞いて回る事になるだろうと思ったけど、最初の宿で十日間を今の金銭で賄えるところが見つかって、ここに泊まる事に決めた。
食事はいらないと伝えたけど、新顔だからサービスだと言われて食堂があるから食べたい時に来いと言われたので、日が沈んだらせっかくだし食事を貰おうかなと思う。
部屋に入ってみるとそこそこ広くて安いのに掃除も行き届いていて悪くない感じだ。
四人だと少し狭く感じるけど、どの道僕達は寝ないし、夜は各自別の仕事があるので問題ない。
さっそくアトラスとミランダは情報収集の為の行動を開始し、僕とセリルも情報収集の為に街を散歩する事となった。




