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31話 中間考査結果

 中間考査が終わって、学校の廊下に50位までの成績上位者の成績が張り出された。莉奈は今回は4位の成績だった。心寧は34位と健闘している。


 刀祢は自分の成績を思い出してため息をつく。とうとう国語で欠点を取ってしまった。


 中学生の頃は授業中に寝ていても、それなりの成績を維持できた。


 しかし、高校生になってからは、道場での稽古が終わった後に、勉強をしないと授業の勉強に追いつけなくなっていた。刀祢は夜にこっそりと勉強していた。


 このままだとマズイという感覚は持っていたが、とうとう現実となった。


 心寧には刀祢は自分の成績を言っていない。心寧からも聞いて来ない。昔の心寧なら、執拗に成績を聞かれ、勉強しなさいと言ってきたことだろう。


 これからの勉強はコツコツと積み重ねが必要になってくる。公輝兄貴も剣斗兄貴も大学へ進学している。両親は当然、刀祢も大学へ進学すると思っている。


 刀祢だけ大学に進学しないのは色々と対面が悪い。


 刀祢は自分の机に座って、両腕を組んで考える。心寧も成績の悪い彼氏よりも、成績の良い彼氏のほうが良いはずだ。なんとか成績を良くしなければならない。刀祢は目を伏せて考え込む。



「どうしたの刀祢、すごく難しい顔をして考え事なんてして」



 心寧が心配そうに刀祢の顔を覗き込む。


 成績が悪くなったからといって、急に刀祢が真面目に授業を受けだしたらクラスの皆が驚く。そのことで刀祢が目立つのは確実だ。


 刀祢としてはなるべくクラスでは目立ちたくない。しかし、これからは授業を聞いていないと勉強についていけなくなる。



「自分が思っていたより、成績が落ちた。なんとかしたいけど、良い案が見当たらない」


「道場で稽古がない日は、全て勉強に当てたらどうかしら」



 なるほど、道場で稽古をしない日に集中して勉強すれば良いのか。なかなか良い提案だと思う。


 しかし、果たして毎日、授業中に居眠りしている刀祢が、1人で勉強して、今の授業に追いつけるだろうか。今までも夜の時間は勉強に当ててきた。それでも、この成績だ。



「自分1人では勉強が追いつかない」


「私が教えてもいいよ?」



 心寧に勉強を教えてもらうのは、自分の欠点を見せるようで恥ずかしい。しかし、頼りになるのは心寧しかいない。直哉ではあてにならない。


 そういえば、直哉はなぜ成績が平均なのだろう。以前は刀祢と同じくらいの成績だったのに、高校2年生になってから成績が安定した。



「申し訳ないけど、心寧、俺に勉強を教えてくれるかな?」


「もちろん、喜んで大丈夫だよ。勉強する場所は刀祢の家でいいの?」



 刀祢の家は道場と隣接している。心寧も小さい頃、刀祢の家に遊びに来たことがあり、道場にも通いやすい。自分の部屋へ心寧を入れるのは恥ずかしいが、今はそんなことを言っている場合ではない。



「ああ、俺の部屋で勉強を教えてくれ」


「任されました」



 公輝兄貴も剣斗兄貴も進学塾に通っていた。刀祢も高校3年生になったら、進学塾に通う予定をしていた。


 進学塾は高校の授業よりも高度な勉強を教えてくれる。進学塾へ通う前に下準備をしておく必要がある。今の刀祢の成績では進学塾から断られる可能性が高い。



「心寧、俺、3年生になったら進学塾に通いたいんだ」


「いいことだね。私も刀祢と一緒の進学塾に通いたいな」



 大学に進学するなら、できることなら心寧と同じ大学を受験したい。しかし、今の成績では無理だ。相当の努力が必要だ。刀祢は今から勉強に打ち込むことにした。時期を延ばしたら、それだけ不利になる。



「今日は丁度、道場の稽古は休みだ。今日からでも頼めるかな?」


「うん、大丈夫」



 心寧はとても嬉しそうに微笑んでいる。なぜ、心寧が浮かれているのか、理由がわからない。学校が終わってから、刀祢の部屋で勉強を教えてもらうことになった。1つだけ心寧に重要なお願いをする。



「心寧、勉強している時は髪型をポニーテールにしてほしい」


「刀祢がそういうなら、ポニーテールにするね。でも変なお願い」



 勉強している間、ロングストレートの心寧を見ていると、美少女すぎて緊張して勉強が手につかない。


 今日は学校帰りに一緒に刀祢の家へ一緒に行くことになった。初めて心寧と一緒に下校することになる。照れる。


 田園地帯を抜けて旧市街地へと2人で自転車を押しながら歩いていく。心寧は何も言わずに刀祢の隣を歩いているだけだが、とても嬉しそうだ。刀祢の家は旧市街地にあり、心寧の家は市街地にある。


 家に戻った刀祢は何も言わずに部屋へ向かおうとする。すると母親の由香里ユカリに見つかってしまった。



「今日は心寧に勉強を教えてもらう」


「心寧ちゃんなの。すごくきれいなお嬢さんになったわね。刀祢がお世話をかけてゴメンなさいね」


「お久しぶりです。由香里小母様。今日はお邪魔させていただきます」



 母の由香里に知られたということは、父の大輝の耳にも入る。父の大輝は何も言わないと思うが、両親に心寧のことを知られたことが恥ずかしい。



「心寧、早く行こうぜ」



 刀祢は急いで心寧を部屋へと案内した。

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