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鬼について


 次の日の朝、涼さんはお母様と一緒に訪ねてきた。


「このたびは重ね重ね娘がご迷惑をおかけして申し訳ありません。」


「いえいえ迷惑だなんて。」


「全て問いただしました。こちらへ泊まったのも無理を言って泊まらせてもらったようですし。」


「そうですか。でも私もお母様に嘘をついてしまいました。本当に申し訳ありません。」


「違うのママ!お姉さんは本当に何も悪くない。昨日も勇気から守ってくれたし。」


「やっぱりその傷はあの。」


「でも別れたの!もう近付かないって!だから大丈夫!」


「そう。別れたの。まあだったらあの彼許せないけど許すわ。」


「ありがとう。」


「とにかく神田さんうちの娘を守ってくれてありがとうございました。」


「いえとんでもございません。私も嘘をついてすみませんでした。」


「いえまたこちらへ家族で寄せてもらいますね。」


「はいぜひお越しください。」


 2人は最後に頭を下げて出て行った。私も頭を下げた後で2人を見送った。優しいお母様だ。

 とりあえず今日は図書館で鬼について調べよう。散歩がてら歩いて図書館まで向かう。徒歩20分で綺麗で大きな図書館に行ける場所に住んでいるなんて最高だ。

 図書館について最初に探したのは郷土史のコーナーだ。まずは鬼について。森に出る鬼。何もない。鬼の伝説なんて存在しない。どれ程探してもないな。仕方ないじゃあ次は新聞紙を見よう。地方紙のまとめられている大きく分厚い本を机に置いてめくっていく。1時間程ずっと新聞を読んでいるが見つからない。若干諦めかけ始めた時見つけた。80年前の新聞の1面記事だ。内容は村長の娘、神隠しにあう。娘は未来を見てきたと帰ってきて私を生贄にしないと鬼がこの村に降りてくる、だから私は生贄になると宣言した。うーん。これかな?森については書かれていない。結局、生贄にはならなかったことが3日後の新聞で分かった。神主様の息子と結婚するらしい。これ以上の情報は得られなさそうだ。お腹もすいたし帰ろう。

 カフェに戻って少しだけ情報を整理する新聞をコピーしてきたのでそれをみながらカップ麺を食べる。


「うーん。90年前の話なんてそんな覚えてる?しかも警告する程に身近ということ?琥珀はなぜ私に言ったんだろう。」


 親から言いつけとして言われ続けたということなのだろうか?でもそれなら神隠しにあうぞ!じゃないだろうか。村長の娘は鬼に攫われた訳ではないし。新聞紙には鬼が山から降りてくるから生贄が必要だと言ったと書かれている。そういえば鬼というのは昔でいうところの山賊とかだと聞いたような。でももし本当の鬼ならば。考えても仕方ないか。

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