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新しい生活


 田舎で夢だった古民家カフェをしよう。それとファンのお客様ができてきたネットでのアクセサリー販売で食べていこう。移住することを条件にフルリフォームされて中はとても綺麗だけど、外側は古民家で1階はテナントの大きな家を家賃無料で貸し出してくれる村が見つかった。村役場に電話すると、家の裏は深い森で誰も住みたがらないようでこのような条件にしたらしい。あなたもそれで大丈夫ですか?と念を押された。お隣といっても30メートル程あるが幼稚園らしい今若い人が移住してきているようで、10人弱は登園しているようだ。ここにしよう村役場の人もデメリットを隠したりしない人だし、何よりお母さんの親戚が隣村に住んでいるしここでゆっくりしよう。


 引っ越ししてきた日に役場の人がきてくれてここの家の鍵をくれたのだが、7つの鍵がついた鍵束をくれるテナントだからと入り口の扉には勿論、収納や2階の個室等様々な扉に鍵がついているようだ。少し面白くて鍵を見て笑ってしまうのを役場の人は不思議そうに見ている。


「では私はこれで。」


「はい、これからよろしくお願いします。」


「はい。こちらこそ何かお困りの事があれば何でも言ってください。」


 そういって役場に帰って行った。


「こんなところで趣味が役立つとは。」


 椅子やソファを集めるのが好きだったのでカフェで使う椅子は買わずに済んだ。4人がけの机を3つ購入し、2人がけの机はお父さんが引越祝いにと3つプレゼントしてくれ、マグカップはオシャレなものをお母さんが新しい人生の門出にとプレゼントしてくれた。ガラスのコップは席分だけ購入した。皿やコップ類は全て落としても割れないものにした。高くはつくが怪我の心配がないしこれで満足している。店内は窓が大きく明るく綺麗なお店だ。このお店は飲み物か食べ物どちらか1人1つ頼んでくれたら何時間でもいていいし作業をしてもいいという事にしよう。元々カフェというのは時間を潰すためのものだし。名前は雪月花にした。


 移住して1ヶ月経ち、カフェは意外と毎日お客様が来てくれた。やはり横の幼稚園のママ友方が来てくれるのだ。幼稚園の行事の作業をカフェでしてくれるようになって売り上げが上がり始めた。飲み物を1人1つ頼んでくれたらいいのだが、小腹が空くのかフライドポテトやケーキ、クッキーを頼んでくれる。ちゃんと全部手作りなのでお子様にも安心して食べていただけるようだ。帰りに買って帰ってくれる人もいる。料理は元々得意だったけどパン好きの明夫の為にパンとお菓子の料理教室に1年通ったかいがあった。カフェの1ヶ月の売り上げはカフェの運営費や家そのものの光熱費を引いても3万程はある。3食はカフェの余りを食べているので食費も浮いている。定休日は土曜日と日曜日と祝日で朝10時~夜18時まで営業する事にしている。たまに高校生や大学生が勉強しにきたらその子に帰りたい時間を聞いてその子の為にもう少し長く営業する時もある。村にきてびっくりしたことの1つが意外と若い人が多いことで、もう1つは裏が本当に森だったことだ。なんだか家の裏手は光もあまり当たらず暗く静かで怖いと感じる人も少なくないだろう。カフェ側と選択を干す側は日がさんさんとあたるので全く問題ない。やっと少し落ち着いて生活に慣れ始めた時だった。



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